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芸人・ミキが人気なわけ。構成作家・山田泰葉との対談から紐解く

芸人・ミキが人気なわけ。構成作家・山田泰葉との対談から紐解く

よしもとライターズアカデミーウエスト
インタビュー・テキスト
島貫泰介
撮影:岩元崇 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

芸人の現実の姿って理想とまったく違いますから、「ミキがいちばん好きや!」って言ってくれる人に作家であってほしい。(昴生)

―今回はシナリオライターを育てる吉本の新しい学校「よしもとライターズアカデミーウエスト」についての記事でもあるので、もう少し構成作家という職業について聞きたいのですが、やっぱり男性と女性だと男性のほうがやりやすさがあるんでしょうか?

昴生:ラジオのハガキ職人だった人だとか、男性のほうが多い世界ですけど、僕が作家さんに大事やと思っているのは面白いことを提案するセンスとか能力じゃなくて、コミュニケーション能力なんですよ。コミュニケーションできない作家はめちゃくちゃ多いから。

―オタク的なこだわりが強い?

亜生:ずっと喋り続ける人とかいますよ。

昴生:圧倒的に多いのは、一言も喋ることができないやつ。ほんまに、ちょっとした社会不適合者ばっかりですよ。

亜生:作家さんは、一緒に打ち上げしたいと思える人がいいよなぁ。

昴生:それはめっちゃ正しい。仕事の話ばっかりしてくるやつ、だいっきらいなんですよ。

亜生:普通にご飯とか、最近ハマってるドラマの話して。そういうので終わるんでいいんですよね。

昴生:僕らとしては、ガツガツ入ってこられるのもいややし、かといってまったくなにもせえへんやつも違うし。泰葉は「よかったよ」「おもしろかった」くらい言ってくれるのが、ちょうどいいんですよね。同時に、YES / NOをはっきり言ってくれるからね。

昴生(ミキ)
昴生(ミキ)

泰葉:繰り返しになりますけど、この仕事はコミュニケーション能力がいちばん大事だと思います。

昴生:泰葉も最初は全然だめだったもんな。人見知りで、劇場に来るのもビビってたし。

泰葉:最初は劇場にいたくなかったです。まわりに女性が本当にいなかったし、芸人さんから「あいつなに?」みたいな目で見られたりするし……。

めっちゃありがたかったのは、昴生さんも亜生も性別関係なくご飯連れていってくれたり、打ち合わせも呼んでくれて。それで、だんだんと私が作家であることが認知されていきました。

―ほかには、どんな業務をされているんですか?

泰葉:最近は、別の芸人さんですけどショートムービーの台本書かせてもらったりしてます。あと「寝落ち用漫才」っていう、ミキが就寝前の女の子の部屋にやって来て、なんか喋るっていう漫才の冒頭部分を書いたりしてます。あとはポストカードのデザインをしたり、ライブのDVDを焼いたりだとか。

昴生:それ、作家の仕事か? 頼んでるのは僕らやけど(笑)。

―ミキと泰葉さんの関係、仕事というよりもほとんど部活動の先輩後輩みたいな。

昴生:もちろん仕事ではありますよ。イベントなり番組やるときに「誰か作家さんいますか?」と聞かれたら、真っ先に泰葉を推薦しますし。それは仕事上でもいちばんやりやすいから。泰葉に特別な能力があるかなんてわからないですけど、そんなの関係なくて、信頼関係がいちばん。月に1回はうちに泊まってますしね。

―それはどういう定期イベントなんですか(笑)。

泰葉:奥さんと仲良しなんです。

昴生:来週、ふたりでディズニーランドに行くらしいですよ! うちの両親とも仲がいいしな。

左から:山田泰葉、亜生、昴生

―ほぼ親戚じゃないですか(笑)。

昴生:親がいつも全国ツアーを観に来てくれるんですけど、ライブが始まるまで一緒に観光してるし。

泰葉:一緒にわんこ蕎麦食べて、写真撮って。LINEでふたりに写真を送ったら「なにしてんねん!」って言われましたけど。

亜生:ちょっと家族に近いかもしれない。

昴生:そうね。芸人の現実の姿って理想とまったく違いますから、最終的には「ミキがいちばん好きや!」って言ってくれる人に作家であってほしい。この業界に入ってきて現実の地味さや厳しさにすぐ冷めて辞めちゃう人多いけど、好きの熱が冷めない人がいいなと思います。

亜生:僕が作家に向いているなと思うのは、世の中に目が向いている人! やっぱ芸人は自分の狭い世界にぐっと入っちゃうんで。作家さんが、その外を見てくれると嬉しい。「こんなんが流行ってるんですよ」とか言ってくれたらありがたいです。

昴生:ほんま、世間話でいいんです。

泰葉:私もめっちゃお笑いが好きで入ってきたわけではないので、ほんまに普通の人で大丈夫だと思います。自分にはすごい発想があるからこの道を目指す、とかではなくて。

最近のドラマでも、ふつうの日常をちょっとおかしく描いてるのが面白かったりするじゃないですか。「お笑いでのしあがってやろう!」じゃなくて、普通にタピオカの行列に並ぶような一般目線が大事だって気がします。

構成作家の仕事は、女性は向いてると思います。(泰葉)

手前から:山田泰葉、昴生、亜生

―今までの話を聞いてると、構成作家って女性のほうが向いてるんじゃないかって気がします。男ってどうしても張り合いがちなので。

泰葉:私も女性は向いてると思います。

昴生:でも、いまだに全然いないんですよね。泰葉と、石塚さんっていう70歳代前半の、芸歴が(西川)のりお師匠と一緒っていう。

―え、70歳代!?

昴生亜生泰葉:うそうそ(爆笑)。

昴生:でも、そのくらいの勢いで吉本のビルに住み着いている40歳代くらいの女性がいるんですよ。それが石塚さん。僕よりも芸歴が上なんですよ。

―70歳なんて言うから……。吉本、ちょっと異常な世界すぎるなと、引きましたよ。

昴生:だから、うそです(笑)。たしかに女性の作家は少ないですけどね。でも男の人もそれぞれで、たしかに張り合う人もいるけど、僕らについてくれた作家さんたち歴代めっちゃ信頼の厚い人でした。最初についてくれた人は、忙しいなかでもライブを観に来てくれて、人気も最下位なのに「このままでいてください」と言ってくれて。励みになりました。

昴生

―最近だと女性の作家志望者も増えているんじゃないですか?

泰葉:入ってくる子はいるんですけど、やっぱり現実と理想のギャップがありますからね。あと忙しいときは本当に忙しい。ネタの打ち合わせに朝まで付き合うこともあるし、書く以外のプラスαが多いです。でも、そうやって一緒に作ること、芸人さんに喜んでもらえることに手応えを感じられる人は絶対に向いてる仕事です。まあ、忙しくて友だちは減りますけど。私、本当に友だちが昴生さんの奥さんしかいない(笑)。

昴生:家に返って嫁が電話してて「誰と電話してんの?」って聞いたら泰葉とかよくある。

泰葉:昴生さんの奥さん、変な時間に起きてるんですよね。

亜生:これは絶対書いておいてもらいたい。兄ちゃんの奥さんは、いつでも起きてる。寝ない(笑)。

昴生:ほんま寝ない。

左から:亜生、山田泰葉、昴生
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サービス情報

よしもとライターズアカデミーウエスト

開講日:2019年10月(初年度は基礎コースのみ、半年間)
受験資格:学歴・年齢不問
受験内容:5枚程度のレポート提出 / 面接
入学特典:吉本運営劇場への立ち入りの許可(要申請)
在籍期間:2年制

プロフィール

ミキ

兄弟である兄の昴生・弟の亜生で、2012年に結成されたコンビ。関西を中心に活動していたが2019年4月より東京へ活動拠点を移す。

山田泰葉(やまだ やすは)

兵庫県出身。かわら長介塾15期生。卒業後、5upよしもとで先輩作家のイベントの手伝いをしながら、TVラジオ、イベントなど幅広く構成担当。

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