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the engyの研究発表 今の時代の「芸術性と大衆性を成す音」とは

the engyの研究発表 今の時代の「芸術性と大衆性を成す音」とは

the engy『Talking about a Talk』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:垂水佳菜 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2019/10/30

京都発の4ピース、the engyがメジャーデビュー作となるミニアルバム『Talking about a Talk』を完成させた。グルーヴィな生演奏とプログラミングを融合させたトラックの上で、味のあるしゃがれ声のボーカルが感情豊かに歌う楽曲は、時流とリンクしつつも、その一歩先を提示する。すでにストリーミングで音楽ファンから高い注目を集めているが、来年あたり車のCMに起用されて、お茶の間でバンバン流れていてもおかしくはない。

そんなバンドが「おしゃれ」と形容されるのは自然な流れではあると思うが、それでもthe engyに関してはそこからどうにもはみ出しているように感じる。鍵を握るのはバンドの中心人物である山路洸至(やまじこうし)で、もともと楽器の構造が気になって音楽を始めたという、かなりの研究者タイプ。知的好奇心旺盛な一方で、「熱さ」をなにより重視する姿勢は、そのままインテリジェンスとエモーションの同居したバンドの個性に繋がっていると言えよう。CINRA.NET初インタビューで、バンドの成り立ちと山路独自の哲学に迫った。

「おしゃれバンド」みたいに呼ばれることが多くなった。ありがたいんですけど……。

―昨年リリースされたミニアルバムのタイトル『Call us whatever you want』、つまり「好きなように呼んで」というメッセージは、the engyというバンドの性格をよく表していたように思うのですが、なぜあのタイトルをつけたのでしょうか?

the engy『Call us whatever you want』(Apple Musicはこちら

山路:2017年に最初のEP(『theengy』)を自主で出して、「おしゃれバンド」みたいな呼ばれ方をすることが多くなったんです。ありがたいんですけど、自分たちとしてはそこを目指していたわけではなかったので、「そういうふうに言ってもらえるんや」って新鮮に感じて。あと、音楽業界以外の人に「バンドやってます」と言うと、絶対「どんなバンド?」って聞かれるんですよ。

―「ジャンルはなに?」とかですよね。

山路:そう、でも「どんなジャンル?」って聞かれるのが一番困るんです。結成当初から「なんて言ったらいいんやろ?」ってずっと思ってて、そうしたら、「おしゃれバンド」みたいに言われるようになって……じゃあもう、「好きに呼んでもらえればいいですよ」っていう。「そういう言い方は僕らの音楽性と違うんで」って小っちゃなことを言ってもしょうがないですし、とにかく僕らは僕らがかっこいいと思うものを作りたいだけなので。

the engy(じ えんぎー)<br>左から:山路洸至、濱田周作、藤田恭輔、境井祐人<br>京都発。山路洸至(Vo,Gt,Prog)と濱田周作(Ba)、境井祐人(Dr)、藤田恭輔(E.Gt,Cho,Key)からなるロックバンド。山路のスモーキーかつブルージーな歌声とソウル、ヒップホップ、ダンスミュージック、エレクトロニックなどあらゆるジャンルを取り込みつつ緻密に構築されたトラックメイクとロックサウンドが特徴。2019年は『Touch me』『Still there?』と配信シングルを立て続けにリリースし、Apple Music「今週のNEW ARTIST」への選出、Spotifyでは国内外複数のプレイリストに取り上げられるなど注目度を上げている。
the engy(じ えんぎー)
左から:山路洸至、濱田周作、藤田恭輔、境井祐人
京都発。山路洸至(Vo,Gt,Prog)と濱田周作(Ba)、境井祐人(Dr)、藤田恭輔(E.Gt,Cho,Key)からなるロックバンド。山路のスモーキーかつブルージーな歌声とソウル、ヒップホップ、ダンスミュージック、エレクトロニックなどあらゆるジャンルを取り込みつつ緻密に構築されたトラックメイクとロックサウンドが特徴。2019年は『Touch me』『Still there?』と配信シングルを立て続けにリリースし、Apple Music「今週のNEW ARTIST」への選出、Spotifyでは国内外複数のプレイリストに取り上げられるなど注目度を上げている。

―その人が「おしゃれバンド」って思ったら、別にそれを否定するつもりはなくて、そう呼びたかったら呼んでくれてもいいと。

山路:これまでの人生で「おしゃれ」って言われることが少なかったので、全然嫌ではないですし、ありがたいです(笑)。ただ、僕らがバンドを組んだ動機って、「こういう曲をやりたい」とか「こういうバンドをしたい」ではなくて、「とにかくいい曲が作りたい」という、ただそれだけを考えていたんです。

―では、山路くんの思う「いい曲」の基準とは?

山路:そうですね……聴いた人が確実になにかを食らう曲、ということかもしれないです。僕、熱いミュージシャンが好きで、MOROHAの大ファンなんですよ。去年『ボロフェスタ』で同じ日に出たんですけど、会場全体で僕が一番泣いてましたもん(笑)。とにかく刺さって、抜けなくなる。そういう曲が自分の中の「いい曲」なので、自分の作る曲もすべてそうなればいいなって。

山路洸至
山路洸至

―確かに、the engyの曲からも「熱さ」を感じます。

山路:熱さを持ってないアーティストはつまらないと思うんです。でも「熱さ」にもいろいろあって、たとえばアリシア・キーズにはアリシア・キーズの熱さがあるし、toeにはtoeの熱さがある。それらを比べて「どっちの方が熱い」とかはないですけど、いい曲の尺度として、どんな形であれ、「熱さ」は欠かせないと思いますね。

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リリース情報

the engy『Talking about a Talk』
the engy
『Talking about a Talk』初回限定盤(CD)

2019年10月30日(水)発売
価格:2,530円(税込)
VICL-65257

1. At all
2. Still there?
3. Sick enough to dance
4. In my head
5. Touch me
6. Hey
7. I told you how
8. Have a little talk
9. Sick enough to dance [Pf ver.](ボーナストラック)

the engy
『Talking about a Talk』通常盤(CD)

2019年10月30日(水)発売
価格:2,200円(税込)
VICL-65258

1. At all
2. Still there?
3. Sick enough to dance
4. In my head
5. Touch me
6. Hey
7. I told you how
8. Have a little talk

イベント情報

『ONEMAN LIVE「Talking about a Talk」』

2019年11月25日(月)
会場:東京都 渋谷 WWW

2019年12月3日(火)
会場:大阪府 心斎橋 Pangea

『「Talking about a Talk」インストアLIVE』

2019年11月16日(土)
会場:東京都 タワーレコード新宿店7F イベントスペース

2019年11月17日(日)
会場:大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスペース

2019年11月23日(土)
会場:京都府 タワーレコード京都店 イベントスペース

プロフィール

the engy
the engy(じ えんぎー)

京都発。山路洸至(Vo,Gt,Prog)と濱田周作(Ba)、境井祐人(Dr)、藤田恭輔(E.Gt,Cho,Key)の4人からなるロックバンド。山路のスモーキーかつブルージーな歌声とソウル、ヒップホップ、ダンスミュージック、エレクトロニックなどあらゆるジャンルを取り込みつつ緻密に構築されたトラックメイクとロックサウンドが特徴。
2017年5月に自主制作盤1st EP『theengy』を発売。未流通の自主制作盤ながら耳の早いバイヤーがYouTubeなどで楽曲をキャッチし、コアな専門店やアパレル店などで取り扱いされ関西を中心にジワジワと存在感を増しいく。2019年には『Touch me』(6月12日配信)、『Still there?』(8月28日配信)と配信シングルを立て続けにリリースし、Apple Music「今週のNEW ARTIST」への選出、Spotifyでは国内外複数のプレイリストに取り上げられるなど更に注目度を上げている。

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