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jizueが培ってきた「チーム力」。脱退の危機も軽やかに飛び越えた

jizueが培ってきた「チーム力」。脱退の危機も軽やかに飛び越えた

『TVアニメ「星合の空」オリジナルサウンドトラック』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:山田祥子 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)

京都発のインストバンド・jizueにとって、2019年は転機の年となった。2006年の結成以来、10年以上に渡って活動をともにしてきたドラマー・粉川心の脱退が8月に発表されたのである。バンドの中心人物である井上典政は、これまでの取材で「この4人で楽しく音楽を続けていきたい」と繰り返し語っていて、今回の決断が容易でなかったことは想像に難くない。しかし、バンドはすぐにサポートを迎え、ペースを緩めずに活動を続けている。

その活動のひとつが、10月から放送しているテレビアニメ『星合の空』のサウンドトラック。jizueが劇伴を手掛けるのはこれが初めてだが、インストバンドとしての力量を存分に発揮した素晴らしい仕上がりとなっている。井上は本作の制作に集中することで、困難な時期でも歩みを止めずに済んだという。

「ピンチはチャンス」と言葉にしてしまうのはあまりにも簡単だが、それでもバンドが危機を乗り越えることによって、新たな可能性を開花させていく事例というのは、これまでの音楽の歴史に何度もあったこと。「僕らは全然前向きですよ」という井上に、現在の率直な心境を語ってもらった。

たとえ一人になったとしても、僕は「jizue」としてやってると思う。

井上典政
井上典政

―まずは8月に発表された粉川さん脱退の経緯について話していただけますか?

井上:音楽性の違いとかではまったくなくて、同じ方向を向いて、同じテンションでやってたんですけど、一ドラマーとして、もっと表現したい部分が出てきたというか。それをそのままjizueとしてやっちゃうと迷惑をかけるかもしれないし、だからといって、その欲求を抑えてバンドを続けるのも違う。だったら、それぞれの道で、それぞれの音楽を高めていった方がいいんじゃないかって。

だから、仲が悪くなったとかでもないんです。実際粉川は抜けたあとのjizueのライブに毎回のように来てくれて、一緒に打ち上げもして、「いいバンドやな」って言ってくれてるし、アドバイスをくれたりもしてます。

―仲の良さは相変わらずなんですね。

井上:なので、他のメンバーがどう思ってるかはわからないですけど、いつかそれぞれの気持ちが落ち着いて、もう一回「一緒にやろう」ってなったら、全然やったらいいと思ってます。「もう絶対一緒にやりたくない」とは誰も思ってないと思うので。

jizue(じずー)<br>2006年結成。これまで6枚のフルアルバムを発表し、そのどれもがロングセラーを記録。ロックや、ハードコアに影響を受けた魂を揺さぶるような力強さ、ジャズの持つスウィング感、叙情的な旋律が絶妙なバランスで混ざり合ったサウンドで、地元京都を中心に人気を高め、『FUJI ROCK FESTIVAL』『GREENROOM FESTIVAL』『朝霧JAM』といった大型フェスにも出演。国内に留まらず、カナダ、インドネシア、中国、台湾など、海外にも進出し、その圧倒的な演奏力で高い評価を得ている。2017年10月、ミニアルバム『grassroots』でビクターよりメジャーデビュー。2019年12月25日に、『TVアニメ「星合の空」ORIGINAL SOUNDTRACK』をリリースする。
jizue(じずー)
2006年結成。これまで6枚のフルアルバムを発表し、そのどれもがロングセラーを記録。ロックや、ハードコアに影響を受けた魂を揺さぶるような力強さ、ジャズの持つスウィング感、叙情的な旋律が絶妙なバランスで混ざり合ったサウンドで、地元京都を中心に人気を高め、『FUJI ROCK FESTIVAL』『GREENROOM FESTIVAL』『朝霧JAM』といった大型フェスにも出演。国内に留まらず、カナダ、インドネシア、中国、台湾など、海外にも進出し、その圧倒的な演奏力で高い評価を得ている。2017年10月、ミニアルバム『grassroots』でビクターよりメジャーデビュー。2019年12月25日に、『TVアニメ「星合の空」ORIGINAL SOUNDTRACK』をリリースする。
粉川心が最後に参加したミュージックビデオ

―脱退はすぐに決まったわけではないと思うのですが、話自体はいつ頃からしていたんですか?

井上:2年前くらいから、いろんな想いをはっきり言うようにはなってきていて、メンバー間でぶつかることは増えましたね。打ち上げして、ホテル帰って、そのあとまた飲むことも多いんですけど、そこで言い合うことも増えて。ただ「楽しかったな」では終わらない。

僕らをサポートしてくれる人も多くなってきた中で、ただ自分たちがやりたいことをやってるだけだと誰もサポートしてくれへんし、かといって、やりたいくないことを我慢してやるのは嫌やし。そういうことをいろいろ話してきて、1年前くらいに、はっきりと「もうこのままでは続けていかれへんかもな」という話になりました。

―メジャーデビューが2017年なので、環境の変化があった中、それぞれの考え方にも少しずつ変化があったんでしょうね。ただ、井上さんはこれまでの取材でもずっと「この4人で楽しく音楽を続けていきたい」とおっしゃっていたので、話し合いを続ける中では、やはり相当な葛藤があったと思うんです。

井上:そうですね……「このメンバーでじいちゃんになっても続けたい」ってずっと言ってて、それは今のところ叶わずですけど……でも、また何年後かに叶うかもしれないとも思ってて。だから、jizueをなくすことだけは僕は絶対嫌で、今は今の体制でできることに全力を尽くしていこうと思っています。

井上典政

―ずっと一緒に続けたいと思っていたメンバーの脱退が決まってしまっても、「解散」を考えることはなかった?

井上:1ミリもなかったです。たとえ一人になったとしても、僕は「jizue」としてやってると思う。だから、いざ脱退が決まったときは、僕はそこまで落ち込まなかったんですよ。逆に、落ち込んでダラダラやるのが一番よくないから、ある意味、開き直るしかないと思って、「次のこと、次のこと」って考えようと思って。それは今もそうなんで、そんなに落ち込む瞬間ってなかったんですよね。

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リリース情報

jizue『TVアニメ「星合の空」ORIGINAL SOUNDTRACK』
jizue
『TVアニメ「星合の空」ORIGINAL SOUNDTRACK』(CD)

2019年12月25日(水)発売
価格:2,750円(税込)
VTCL-60515

1. 水槽 TV size ver.(歌:中島 愛)
2. Ingenuity
3. W -星合の空-
4. ickle
5. slow and sure
6. heart rate
7. Tale
8. haimish
9. ice fog
10. spade
11. Moonbow
12. ungrid
13. sole male
14. ibis
15. cryptic
16. Whimsy
17. i am zany
18. Ludic
19. L.D
20. Misty color
21. about it
22. kewl
23. elf ear
24. Oath
25. temenos
26. hex
27. eclipse
28. relief
29. seaRay
30. Hail marys
31. axis
32. psychology
33. petal
34. yule log
35. Ignorance
36. nebulae
37. oxidize
38. until later
39. euphoria
40. 籠の中の僕らは TV size ver.(歌:AIKI from bless4)

プロフィール

jizue
jizue(じずー)

2006年結成。これまで6枚のフルアルバムを発表し、そのどれもがロングセラーを記録。ロックや、ハードコアに影響を受けた魂を揺さぶるような力強さ、ジャズの持つスウィング感、叙情的な旋律が絶妙なバランスで混ざり合ったサウンドで、地元京都を中心に人気を高め、『FUJI ROCK FESTIVAL』『GREENROOM FESTIVAL』『朝霧JAM』といった大型フェスにも出演。国内に留まらず、カナダ、インドネシア、中国、台湾など、海外にも進出し、その圧倒的な演奏力で高い評価を得ている。2017年10月、ミニアルバム『grassroots』でビクターよりメジャーデビュー。2018年7月、2年ぶりとなる6枚目のフルアルバム『ROOM』をリリース。2019年7月、コンセプトアルバム『gallery』をリリース。2019年10月には京都市交響楽団サポートによる初のオーケストラを開催。

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