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絢香が今こそ語る、「歌」への想い。音楽が人に与えてくれるもの

絢香が今こそ語る、「歌」への想い。音楽が人に与えてくれるもの

絢香『遊音倶楽部~2nd grade~』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2020/05/13

J-POPは聴く人に寄り添っている音楽だなと思います。

―今回のカバーアルバムも、「ライブで聴いて欲しい」という気持ちを込めながら作ったとTwitterなどでおっしゃっていて。それも難しい状況なのは悔しい想いもあるかと思うのですが、逆に今だからこそ「こんなふうに聴いて欲しい」という気持ちはありますか?

絢香:カバーアルバムって、すごく手に取ってもらいやすいと思うんですよ。よく知っている名曲がたくさん入っているだけで、入口のハードルが下がるというか。なので、私のファンの方に聴いていただきたいのはもちろんですが、それ以外の人たちにとっても、おうちで過ごすときに聴いてもらったり、「ああ、この曲ってやっぱりいい曲だなあ」なんて自分の思い出とオーバーラップさせながら気持ちを盛り上げたり、日々の暮らしの中で楽しんでもらえたら嬉しいですね。

レベッカ“フレンズ”の絢香によるカバー

―今回、石若駿さんをはじめ下の世代のミュージシャンも参加されていますが、一緒にやってみていかがでしたか?

絢香:石若さんは、アレンジャーの河野圭さんが紹介してくれたんですけど、本当に素晴らしい演奏だったしセッションもとても楽しかったです。

私は18歳でデビューしているので、どこの現場に行っても最年少だったのに、最近は自分よりも年下のミュージシャンがどんどん出てきていて、「そうだ、私ももうすぐデビューして15年経つんだもんなぁ」って(笑)。びっくりしつつもやっぱり嬉しいんですよね。この先もこういう出会いがまだまだたくさんあって、いろんな刺激をもらえるのかと思うと楽しみで仕方ないです。

一番右が、石若駿(参考記事:石若駿という世界基準の才能。常田大希らの手紙から魅力に迫る

―先ほど、7年前の『遊音倶楽部~1st grade~』よりも今作は「攻めた」とおっしゃっていましたが、特にそう思うのはどの曲ですか?

絢香:まず選曲でいうと、アルバム1曲目に入っているMr.Childrenの“everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~”。Mr.Childrenさんの曲を並べて聴いて、改めて思いましたが、とにかく名曲だらけ。アルバム1枚じゃ収まらないくらいカバーしたい曲があるんですけど、中でもこの曲は「絢香が歌いそう」と思われる枠の中にないと思うんです。

言葉のチョイス、歌詞のメッセージ性、メロディの構成など、自分の中からは絶対に出てこない要素が山盛りでしたね。だからこそチャレンジしてみたかったんですが、実際に歌ってみたら新しい発見もたくさんあって、すごく楽しかったです。

絢香“everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~”を聴く(Apple Musicはこちら

―個人的には“フレンズ”の変貌っぷりが印象に残りました。

絢香:レベッカの“フレンズ”は、学生の頃からカラオケでよく歌っていた大好きな曲。なので今回カバーするのであれば、ストリングスがアレンジの軸となり、リズムを構築しているものにしたいという構想が最初からあったんです。それを河野さんにお伝えして作っていただきました。

今回、選曲する上で「自分が歌うなら、こんなアレンジにしたい」といったイメージがある程度見えるかどうかは重要でした。いい曲、歌いたい曲は山ほどあるので、その中から絞り込んでいく上での大きな基準になっていましたね。

絢香“フレンズ”を聴く(Apple Musicはこちら

―五輪真弓さんの“恋人よ”も、ストリングスアレンジがとても美しくて感動的です。

絢香:河野さんからアレンジのデモ音源を受け取ったときは、本当に痺れましたね。オリジナルの外せない要素はちゃんと生かしたまま、今、私が“恋人よ”を歌うなら? というところをうまくアレンジで表現してくださって、とても嬉しかったです。そして本当にすごい曲だなと。3分でこれだけの世界観が詰め込まれていて、まるで1本の映画を観たような気持ちになる曲は、なかなかないと思います。歌っていて改めて感動しました。

それと、実際に歌ってみて気がついたのは、歌い出しの深く潜るようなキーの低さ。自分のオリジナル曲ではなかなか使うレンジではなかったので、自分の声がこんな「色」になることがとても新鮮でした。いつか、オリジナルでもこの「色合い」を使ってみたいと思ったし、得たものがすごく大きかった曲のひとつです。

絢香“恋人よ”を聴く(Apple Musicはこちら

―“恋人よ”がリリースされたのは1980年、“ルージュの伝言”も1975年と、絢香さんが生まれる前の曲ですが、その一方でサカナクションの“『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』”(2011年)のような、絢香さんがデビューしたあとにリリースされた曲も今作には入っています。歌ってみて、同じ「J-POP」でも歌詞の乗せ方やメロディの抑揚、リズム感など、時代ごとの違いは感じましたか?

絢香:感じました。他にもサウンドだったりリバーブのかけ方だったり、原曲を並べて聴いたときに違いが感じられたのはすごく面白かったです。

でも、結局のところ「時代に関係なく、いいものはいい」という本質に戻るというか。それも歌っていて思い知らされましたし、いい曲を作って残していくことの大切さにも気づかされました。それこそ“ルージュの伝言”は、『魔女の宅急便』(1989年公開、宮崎駿監督)を通してみんなが耳にしたことのある曲ですが、私の娘も大好きですし、私の母も歌える。世代を超えて愛され続けているのはすごいことだなって。私もそういう曲を歌っていきたいと改めて思わせてもらいましたね。

絢香“『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』”を聴く(Apple Musicはこちら

絢香“ルージュの伝言”を聴く(Apple Musicはこちら

―絢香さんは10代の頃からTHE BEATLESに憧れ、ゴスペルなども歌ってきた上で、J-POPのど真ん中に10年以上いらっしゃるわけじゃないですか。洋楽と比べたときに、J-POPならではの特徴、魅力はどんなところだと思いますか?

絢香:私は洋楽も大好きで、日常の中でも洋楽を聴くことの方が圧倒的に多いんですよ。だけど、こうやってJ-POPだけを集中して聴く期間が長くあると、やっぱり洋楽にはない「懐かしさ」を感じるというか。J-POPは特に聴く人に寄り添っている音楽だなと思います。日本人の琴線を揺さぶるなにかがあるのでしょうね。

絢香
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リリース情報

絢香『遊音倶楽部~2nd grade~』
絢香
『遊音倶楽部~2nd grade~』(CD+DVD)

2020年5月13日(水)発売
価格:4,180円(税込)
AKCO-90069/B

[CD]
1. everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~(Mr.Children)
2. ルージュの伝言(荒井由実)
3. ヒロイン(back number)
4. Love Love Love(平井堅)
5. フレンズ(レベッカ)
6. 糸(中島みゆき)
7. 恋人よ(五輪真弓)
8. アポロ(ポルノグラフィティ)
9. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』(サカナクション)
10. 明日晴れるかな(桑田佳祐)

[DVD]
1. 「フレンズ」Music Video
2. 「フレンズ」絢香 Special Acoustic Performance ver.
3. 「ヒロイン」絢香 Special Acoustic Performance ver.
4. Making Video - Recording
5. Making Video - Music Video

絢香『遊音倶楽部~2nd grade~』
絢香
『遊音倶楽部~2nd grade~』(CD)

2020年5月13日(水)発売
価格:3,300円(税込)
AKCO-90070

1. everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~(Mr.Children)
2. ルージュの伝言(荒井由実)
3. ヒロイン(back number)
4. Love Love Love(平井堅)
5. フレンズ(レベッカ)
6. 糸(中島みゆき)
7. 恋人よ(五輪真弓)
8. アポロ(ポルノグラフィティ)
9. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』(サカナクション)
10. 明日晴れるかな(桑田佳祐)

絢香『遊音倶楽部~2nd grade~』ファンクラブ限定盤
絢香
『遊音倶楽部~2nd grade~』ファンクラブ限定盤(CD+DVD+オリジナルグッズ)

2020年5月13日(水)発売
価格:5,500円(税込)
AKC1-90071/B
※リストバンド付き

[CD]
1. everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~(Mr.Children)
2. ルージュの伝言(荒井由実)
3. ヒロイン(back number)
4. Love Love Love(平井堅)
5. フレンズ(レベッカ)
6. 糸(中島みゆき)
7. 恋人よ(五輪真弓)
8. アポロ(ポルノグラフィティ)
9. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』(サカナクション)
10. 明日晴れるかな(桑田佳祐)
11. ボーナストラック

[DVD]
1. 「フレンズ」Music Video
2. 「フレンズ」絢香 Special Acoustic Performance ver.
3. 「ヒロイン」絢香 Special Acoustic Performance ver.
4. Making Video - Recording
5. Making Video - Music Video

プロフィール

絢香
絢香(あやか)

大阪府出身。1987年12月18日生まれ。2006年2月、『I believe』でデビュー。『第39回日本有線大賞』最優秀新人賞、『第48回日本レコード大賞』最優秀新人賞、『第49回日本レコード大賞』金賞を受賞。2009年12月31日の『NHK紅白歌合戦』出演をもって、歌手活動を休止。2011年10月、自主レーベル「A stAtion」を設立し活動再開することを発表。これまでに7度『NHK紅白歌合戦』に出場している。2013年9月に初のカバーアルバム『遊音倶楽部~1st grade~』を発売。2018年11月、5枚目のオリジナルアルバム『30 y/o』をリリース。そして2020年5月13日には、カバーアルバム第2弾『遊音倶楽部~2nd grade~』の発売が決定している。

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