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TAMTAM×鎮座DOPENESSの対話の流儀 毎日を機嫌よく過ごすために

TAMTAM×鎮座DOPENESSの対話の流儀 毎日を機嫌よく過ごすために

TAMTAM『We Are The Sun!』
インタビュー・テキスト
渡辺裕也
撮影:小田部伶 編集:久野剛士、山元翔一(CINRA.NET編集部)

すべてのエンターテイメントが停滞を余儀なくされた2020年。全国で外出自粛が強いられた最中に、TAMTAMはニューアルバム『We Are The Sun!』を発表した。通常のプロモーションはおろか、新作を携えたツアーもままならない中、まず彼らは新作のリードトラック“Worksong!”をリモートで再録し、“Worksong! (Home Edition)”としてリリース(同バージョンはアルバムには未収録)。さらには緊急事態宣言中の都内を舞台とした“Worksong!”のMVも制作するなどの活発な動きを展開。おもにオンラインを介した彼らのアクションは際立った存在感を放ち、このコロナ禍においても『We Are The Sun!』の魅力を着々と音楽ファンに浸透させている。

今回はそんなTAMTAMのボーカリストKuroと、“Worksong!”にゲストとしてラップを提供した鎮座DOPENESSによる対談をお届けしたい。「自分たちは自分たちのワークをやるしかない」と語るKuroと、“Worksong!”に<働きすぎ注意>というリリックを寄せていた鎮座。そんな両者の会話は、望ましい「Work」の在り方やコミュニケーションの流儀に迫る、非常に興味深いものとなった。

働きすぎ注意。みんな機嫌よく過ごしてほしい。(鎮座DOPENESS)

―まずは“Worksong!”に鎮座さんが参加した経緯から教えていただけますか?

鎮座:イベントに誘ってもらったのがきっかけだよね?

Kuro:そうです、FNCYさんをTAMTAMの企画にお誘いして。

鎮座:そしたら、俺が(出演を)飛ばしちゃったんです。逮捕されちゃって。

Kuro:(笑)。

左から:Kuro(TAMTAM)、鎮座DOPENESS
左から:Kuro(TAMTAM)、鎮座DOPENESS

鎮座:だから、俺はまずそのことを彼らに謝らなくちゃいけなかったんですけど、そしたらTAMTAMが「今度は出てくれますよね?」といってくれて。もう、こっちからしたら「もちろんです! やらせてください」って感じですよね。あ、お詫びで曲に参加したってことじゃないですよ? 大事なときにTAMTAMは俺の近くにいてくれたっていうか。そういう流れっすね。

Kuro:元々“Worksong!”はラップなしの状態で一度完成したんですけど、さらに誠実なラップが加われば最高だな、と思って。真っ先に浮かんだのが、鎮さんでした。音的な理由でいえば、鎮さんのラップって少しカリブっぽい雰囲気というか、バウンスする感じがあるじゃないですか。その感じが“Worksong!”にすごくハマりそうだなって。

鎮座:そういえば、昨日ふと思い出したんだけどさ。俺この曲で<マジで卍>っていってるでしょ? じつはあれ、「マジで満を持して」ってことなのよ。

Kuro:そうだったんだ!

TAMTAM“Worksong! Feat.鎮座DOPENESS”MV

―“Worksong!”のMVには、緊急事態宣言によって人影が消えた東京が映し出されています。あの映像は急遽撮影されたものですよね? 恐らく予定されていたMVはまた別のものだったと思うのですが。

Kuro:初回の打ち合わせで監督の玉田伸太郎さんと話していたのは「変わっていく東京の画を撮ることで、2020年現在の人の営みを記録する」ということだったんです。案出しの段階では真昼間の人が行き交うスクランブル交差点とか、新橋とか、歌舞伎町とか。でも最終的には、当時オリンピック会場がまさに建設中だったので、そういうインダストリアルな画を撮れたらいいねという方向でまとまって。

―その当初のテーマは、楽曲の内容にも関わっているのでしょうか?

Kuro:そうですね。初めは言葉通り「Work」=「仕事」として歌詞を書いていたんですけど、最終的には「人の営み」「生活していくこと」みたいに広げて捉えていました。ジャズスタンダードの“Work Song”(オリジナルはナット・アダレイで、キャノンボール・アダレイ、ニーナ・シモンらもカバーした)の現代版というか、働く人が歌うイメージだったり、これまで以上に日常に寄り添う歌詞にしようと。オリンピックの工事現場にもヘルメットして働く人や通行人がたくさんいるイメージだったんです。

―ところが、街から人がいなくなってしまったと。

Kuro:はい。でも、そもそもが「半年後には東京の景色が全く違うものになる」という発想で工事現場などの案が出たわけで。結果的にこの上なく「いまを切り取る」MVになってしまった。その意味では玉田監督の狙い通りになったんじゃないかなと思います。

―なるほど。この数か月間はミュージシャンたちがなかなか動きづらかったと思うのですが、Kuroさんたちはとても忙しく過ごされていたようですね。

Kuro:仕事しまくりでした。特に(外出自粛期間中の)序盤は動画を用意したりで、家にいるのにぜんぜん暇ではなくて。それこそ<働きすぎ注意>状態でした。(笑)

Kuro(くろ)<br>東京を中心に活動するフィール・グッドなバンド「TAMTAM」のボーカル。メンバーは、Kuro(Vocal、Trumpet、Synthesizer)、高橋アフィ(Drums、Manipulate)、ユースケ(Guitar)、石垣陽菜(Bass)。2019年7月にFUJI ROCK FESTIVAL'19に7年ぶり2度目の出演を果たし、同年5月にはバンド初のカナダ3都市4公演を成功させた。Kuroは2019年にソロアルバムを発表、フィーチャリング楽曲など、活動の幅を広げている。
Kuro(くろ)
東京を中心に活動するフィール・グッドなバンド「TAMTAM」のボーカル。メンバーは、Kuro(Vocal、Trumpet、Synthesizer)、高橋アフィ(Drums、Manipulate)、ユースケ(Guitar)、石垣陽菜(Bass)。2019年7月にFUJI ROCK FESTIVAL'19に7年ぶり2度目の出演を果たし、同年5月にはバンド初のカナダ3都市4公演を成功させた。Kuroは2019年にソロアルバムを発表、フィーチャリング楽曲など、活動の幅を広げている。

自粛期間中にTAMTAMがアップした、“Worksong! (Home Edition) #StayAtHome #WithMe”MV

―アルバムのリリースに伴って、コロナ禍でもやるべきことは山積していたと。

Kuro:そうですね、コロナ禍でもリリースしようと決めたので。私たちはここ数年事務所なしのインディペンデントで活動していることもあって、こういう状況でも自分たちで判断できる割合が大きい方だと思います。レコード会社もインディだし。大きな組織と関わりのある友達のミュージシャンたちは、多くがリリース延期を余儀なくされていたと思います。これはどっちがいいという話でもないんですけど。

鎮座:人によってはまわりとのさまざまな約束があったりするからね。動きたくてもなかなか動けないっていう。

Kuro:TAMTAMの場合は宅録動画を企画したり、緊急事態事態宣言中も自分たちなりに楽しんでワークしていたつもりです。メンバーとは長い友人関係でもあるので、半分は遊び心で動くというか。

―鎮座さんはいかがでしたか?

鎮座:うちはテレビがないんで、とりあえずVHS・DVDプレーヤーを買い直したっすね。あとはスーファミ(任天堂「スーパーファミコン」の略)でセーラームーンのゲーム(発売元:エンジェル)を買って、それがきっかけでアニメの『美少女戦士セーラームーン』(テレビ朝日系)もまた見返したり。

―(笑)。

鎮座:まあ、要は楽しく過ごしてたってことです。てか、俺は楽しくしか過ごさないし。時間の過ごし方は人それぞれだからね。“Worksong!”で俺が<働きすぎ注意>といったのもそういうこと。要は働き過ぎると、仕事以外のことがなにも検討できなくなっちゃうんだよね。本当は1日の過ごし方なんて毎日違ってていいはずなんだけど、働いてばかりいると、つい「仕事とはこうあるべきだ」みたいなマインドになりがちじゃん?

鎮座DOPENESSが緊急事態宣言期間に発表した『ワンチャレ』

Kuro:「何時から何時までは仕事」みたいなルーティンとか?

鎮座:そうそう。でも、人にはそれぞれのバイオリズムがあるはずだからね。人ってそこが崩されると自信を喪失しちゃって、他人を否定したりしがち。だから、働きすぎ注意。みんな機嫌よく過ごしてほしい。いちばん最高なのは、働いてると意識せずに働けてる状態だよね。

鎮座DOPENESS(ちんざ どーぷねす)<br>1981年生まれ、東京出身のラッパー。2004年より活動開始。独特な声質と巧みなスキルを駆使したラップで、フリースタイルMCバトルのシーンから頭角を現す。ソロ活動のみならず、ZEN-LA-ROCK、G.RINAとともにユニット「FNCY」のメンバーとしても活躍中。
鎮座DOPENESS(ちんざ どーぷねす)
1981年生まれ、東京出身のラッパー。2004年より活動開始。独特な声質と巧みなスキルを駆使したラップで、フリースタイルMCバトルのシーンから頭角を現す。ソロ活動のみならず、ZEN-LA-ROCK、G.RINAとともにユニット「FNCY」のメンバーとしても活躍中。
FNCY“REP ME”MV

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リリース情報

TAMTAM
『We Are The Sun!』(CD)

2020年6月3日(水)発売
価格:2,640円(税込)
PCD-24940

1. Worksong! Feat. 鎮座DOPENESS
2. Neo Utopian
3. Aroma (Joy Of Life)
4. Sun Child
5. Flamingos
6. Dahlia Feat. Yuima Enya
7. Beautiful Bad Dream
8. Tattoo
9. Lovers
10. Summer Ghost

プロフィール

Kuro(くろ)

東京を中心に活動するフィール・グッドなバンド「TAMTAM」のボーカル。メンバーは、Kuro(Vocal、Trumpet、Synthesizer)、高橋アフィ(Drums、Manipulate)、ユースケ(Guitar)、石垣陽菜(Bass)。2019年7月にFUJI ROCK FESTIVAL'19に7年ぶり2度目の出演を果たし、同年5月にはバンド初のカナダ3都市4公演を成功させた。Kuroは2019年にソロアルバムを発表、フィーチャリング楽曲など、活動の幅を広げている。

鎮座DOPENESS(ちんざ どーぷねす)

1981年生まれ、東京出身のラッパー。2004年より活動開始。独特な声質と巧みなスキルを駆使したラップで、フリースタイルMCバトルのシーンから頭角を現す。ソロ活動のみならず、ZEN-LA-ROCK、G.RINAとともにユニット「FNCY」のメンバーとしても活躍中。

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