特集 PR

2000年生まれ、Ran。変化することへの戸惑いと肯定

2000年生まれ、Ran。変化することへの戸惑いと肯定

Ran『無垢』
インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
編集:タナカヒロシ、矢澤拓 撮影:田中一人
2020/08/12

2000年生まれのシンガーソングライター、Ranのデビューアルバム『無垢』には、<僕は僕を誇れない><今日も息させてください>など、自己肯定感の低い言葉が数多く並ぶ。しかし、彼女と話している限りは、それほど闇を抱えているようには見えないし、「かわいいアイドルの曲も大好きなんですよ」と笑顔さえ見せる。

彼女は今回のアルバム収録曲“蘇生”の中で<今日も外面は笑っていて心の中では泣いていました>と歌うが、昨今の世の中において、表では明るく振る舞っていても、ひとたびSNSに場を移せば、ネガティブな感情を吐き出している人も少なくないのではないだろうか。SNSは苦手と言う彼女にとっては、きっと発表の場が楽曲というだけで、そうした人たちと似た感情を抱えているのだと思う。

7月のインタビュー当時、19歳のRanが、自身を肯定できない理由、そして曲作りの過程で生まれた変化を語る。

Ran(らん)<br>2000年8月9日生まれ、福岡県出身。2019年9月にwatabokuのデザインによる“ご飯の食べ方”のMカード付きTシャツを発売し、正式デビュー前から話題に。2020年8月5日に、岩崎慧(セカイイチ)、永井聖一、村田有希生(U-re:x)、Louis&福田智樹をアレンジャーに迎えたデビューミニアルバム『無垢』をリリース。
Ran(らん)
2000年8月9日生まれ、福岡県出身。2019年9月にwatabokuのデザインによる“ご飯の食べ方”のMカード付きTシャツを発売し、正式デビュー前から話題に。2020年8月5日に、岩崎慧(セカイイチ)、永井聖一、村田有希生(U-re:x)、Louis&福田智樹をアレンジャーに迎えたデビューミニアルバム『無垢』をリリース。

「他人のいいところって、わかりやすく頭に入ってくると思うんですけど、自分を見たときには、誇れるものが見当たらない」

―デビュー作の『無垢』を聴かせていただいたんですけど、失礼ながら生きづらそうだなと思いまして。

Ran:そうですね(苦笑)。最近は落ち着いてきたと思っているんですけど……。

―Ranさんの書いた歌詞を読んで、ものすごく自己肯定感が低いなと思ったんです。誰かに否定されたとか、そういう体験が基になっているんですか?

Ran:直接言われたことはないんですけど、人と話していると、誰かを貶めるような言葉が嫌でも耳に入ってくるじゃないですか。SNSでも、よくわからない人から心ない言葉が送られてきたり。そういうのって、気にしないようにしても、頭の中には必ず残るもので。もともと自分のここがいいとか、こういうところが私ですとか言えない性格だから、それがわかっているからこそ、「ああ、そうですよね」「言われなくてもわかってるよ」ってなっちゃうんですよね。

Ran

―たとえば“黒い息”に<僕は僕を誇れない>という歌詞がありますけど、どうしてこういう言葉が出てきたんですか?

Ran:他人のいいところって、わかりやすく頭に入ってくると思うんですけど、自分を見たときには、誇れるものが見当たらないというか。そういう他人への憧れと自分のギャップ、距離感みたいなものが、誇れなさに繋がっているんだと思います。

Ran“黒い息”を聴くApple Musicはこちら

―自分の音楽は誇れることではない?

Ran:誇れることではないと思います。胸張って自分の曲を聴いてくださいとは言えるけど、自分の思っていること、感じたことを歌にして、吐き出すことで自分が救われるから、音楽活動をしていること自体を誇っているわけじゃないというか。

―“蘇生”では<今日も息させてください>と歌ってますけど、こういうことは日々感じているんですか?

Ran:毎秒のように感じているかと言われたら、そんなことはないんですけど、そういう感情があるから曲を作り始めたというのはあって。マイナスの感情というか、わかりやすく言うと病んでいるときに曲を書きたくなるんです。

Ran“蘇生”MV

―病んでいるときのほうが曲ができる?

Ran:できます(笑)。やっぱり楽しい曲より悲しい曲のほうが共感されやすいなと思うんです。自分もそうやって悲しい音楽を聴いて共感しながら生きてきたので。暗い曲を聴いているときのほうが逆に落ち着くというか、暗い曲を聴くことに心地よさを見出しているのかもしれないです。

Ran
Page 1
次へ

リリース情報

Ran
『無垢』(CD)

2020年8月5日(水)発売
価格:1,650円(税込)
EGGS-046

1. 黒い息
2. 蘇生
3. 悲劇ごっこ
4. 靡かない
5. 環
6. ご飯の食べ方

プロフィール

Ran(らん)

2000年8月9日生まれ、福岡県出身。中学3年時にボーカルスクールへ通い始め、同時にギターとソングライティングを始める。2019年9月にwatabokuのデザインによる“ご飯の食べ方”のMカード付きTシャツを発売。正式デビュー前から話題となり、東京・福岡を中心に7大学からオファーを受け学園祭にも出演。2020年2月より音楽配信アプリ「Eggs」にて楽曲をアップロード。8月5日にデビューミニアルバム『無垢』をリリース。tvk『関内デビル』内のレギュラーコーナー「Ranのあなたの思い出、歌にします」、FM福岡『Ran Reflection Radio』にレギュラー出演中。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

BIM“Wink”

BIMの新作『NOT BUSY』より“Wink”の映像が公開。ゆるめに結んだネクタイは軽妙洒脱でも、背伸びはしない。どこか冴えない繰り返しのなかで<だって俺らの本番はきっとこれから>と、吹っ切れなさもそのままラップして次へ。BIMの現在進行形のかっこよさと人懐っこさがトレースされたようなGIFアニメが最高にチャーミング。(山元)

  1. 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 時代を先取りした画期的作品 1

    『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 時代を先取りした画期的作品

  2. 坂口恭平の権力への抵抗。音楽は記憶を思い出させ人を治療する 2

    坂口恭平の権力への抵抗。音楽は記憶を思い出させ人を治療する

  3. 能町みね子が『ヨコトリ』で考えた、わからない物事との対峙 3

    能町みね子が『ヨコトリ』で考えた、わからない物事との対峙

  4. 『鬼滅の刃』劇場版公開記念集英社連合企画、20誌それぞれにオリジナル付録 4

    『鬼滅の刃』劇場版公開記念集英社連合企画、20誌それぞれにオリジナル付録

  5. ラブリーサマーちゃん、真摯さを胸に語る ノイジーな世界に調和を 5

    ラブリーサマーちゃん、真摯さを胸に語る ノイジーな世界に調和を

  6. King Gnuが日本初の「レッドブル・アーティスト」に 「Go Louder」始動 6

    King Gnuが日本初の「レッドブル・アーティスト」に 「Go Louder」始動

  7. 柳楽優弥、三浦春馬、有村架純が戦時下の若者役 映画『太陽の子』来年公開 7

    柳楽優弥、三浦春馬、有村架純が戦時下の若者役 映画『太陽の子』来年公開

  8. 勝井祐二と山本精一が語る 踊るという文化とROVOが瀕する転換点 8

    勝井祐二と山本精一が語る 踊るという文化とROVOが瀕する転換点

  9. 暮らしと仕事と遊びとアート。すべてを越えて繋がる東東京の生活 9

    暮らしと仕事と遊びとアート。すべてを越えて繋がる東東京の生活

  10. 小栗旬×星野源、野木亜紀子脚本の映画『罪の声』場面写真一挙公開 10

    小栗旬×星野源、野木亜紀子脚本の映画『罪の声』場面写真一挙公開