特集 PR

Kickstarter×講談社 世界へ発信すべき日本のクリエイティビティー

Kickstarter×講談社 世界へ発信すべき日本のクリエイティビティー

Kickstarter×講談社
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
編集:宮原朋之(CINRA.NET編集部)

プロジェクトが成功しなくても、決して「失敗」ではない

―日本のクリエイターに期待するのはどのようなことでしょうか。

中田:素晴らしい作品を作っていらっしゃるので、自身の才能にもっと自信を持っていただきたいですね。と言うのは、クリエイターから「自分の作っているものが世界に通用するかどうか自信がない」という相談を受けることがとても多いんです。そこが、欧米とのマインドの違いなのかなと。

市原:Kickstarterに掲載されているプロジェクトを初めて見た時には、「世の中に問うてみるにあたりクリエイター自身の中であまり躊躇がなさそうだ」と感じさせられたものがたくさんありました(笑)。確かに、日本人のメンタリティーであれば、「これではまだ出せないかな」と躊躇してしまうことはあるかもしれません。ただ、「いまできるベストのものを世の中にリリースしてみたい」という姿勢は、今後日本でも高まっていくのではないかと思うんですよね。

中田:日本には、さっきも言ったように同じ趣味趣向を持つ人達による独自のコミュニティーがすでに形成されていて、その中で評価されることで満足してしまう方もいらっしゃるのは事実です。ただ海外には自分の作品を身近な場所に発表する場が全くなかったりするんですよ。

なので、最初から世界へ発信していくしかないという意識を持っている方が多いんです。もともと世界へ発信することを前提に活動している。もちろん、日本でも若い人たちはソーシャルメディアの使い方も熟知しているし、今後は発信の仕方も変わってくるとは思います。

事実、世界中から日本のクリエイティブは注目されています。独自のデザイン、漫画、ゲーム。とても注目されているのに、世界に向けてクリエイター自らが発信しないのはもったいないと私は思うんです。

海外では個人や企業を問わず、「こんな作品が日本にあるよ!」と紹介されることが多いにも関わらず、「なぜ日本人が自らやらないのだろう?」と。クリエイターにこそ、一番お金が入ってもらいたいですし、注目もされてほしいので、ぜひ自ら海外進出をしてもらいたいですね。

―海外進出に向けてカスタマイズするのではなく、そのままの作品を喜んでくれる人が世界中にいるのなら、発信しない手はないなと思います(笑)。

中田:例えば、天丼やラーメンなどの日本に馴染み深い料理をモチーフに使ったボードゲームを作っているクリエイターから、「これだと海外の人には分かりづらいから、欧米の料理に変えた方がいいですか?」とご質問をいただいたんです。「とんでもない!」と(笑)。日本食だからこそオリジナリティーがありますし、それを求めている海外ユーザーが本当に多い。誇りを持って発信してほしいですね。

―それはとても勇気づけられます。

中田:先程のアナログゲームのイベント『ゲームマーケット』で出会った、ヤブウチリョウコさんというクリエイターのボードゲーム『ゆらゆらペンギン』を支援させてもらったところ、集まった900名近くのバッカーのうち、750名以上が海外のバッカーだったんです。そういう動きを見ていると、日本のクリエイターはもっと世界に出ていくべきだと思うのですよね。

カードゲームとバランスゲームを組み合わせたアナログゲーム『Yura Yura Penguin』。デザイナーのヤブウチリョウコさんが2人の子供の育児をしながら、初めて世界に向けて立ち上げたプロジェクト
カードゲームとバランスゲームを組み合わせたアナログゲーム『Yura Yura Penguin』。デザイナーのヤブウチリョウコさんが2人の子供の育児をしながら、初めて世界に向けて立ち上げたプロジェクト(サイトを見る

市原:「より多くの人に届ける」ということを企業は優先しがちです。一方で、ある作品が「特定のある人たちに、ものすごく深く届ける」視点をこのパートナーシップの中から、得ていけるのではないかと思っています。

そう考えるようになったのは、コミュニティーの存在を意識するようになったからだと思います。たくさんの人が認めてくれなくとも、しっかりと深く受け入れてくれる人がいることはとても幸せなことですし、実は意外なところにそういう人がいるかもしれない。

中田:まさに。Kickstarterから発信するプロジェクトは、億単位の金額で動くものもあるので、規模的な意味で二の足を踏んでしまうクリエイターの方も多いと思います。ですが、ほとんどのプロジェクトは10万円から100万円くらいの資金を目標とする中型のプロジェクトですし、そういったプロジェクトが大きなニュースになったり、社会的に大きな影響を与えたりすることもあります。

市原: Kickstarterとの打ち合わせで、「どんなクラウドファンディングでも成功率は5割を切る」という話がとても印象に残っています。プロジェクトは全てが成功するわけではないですからね。

仮に目標金額に達しなかったとしても、そこでたくさんの学びがあり、次に生かせるのであればそれは失敗ではないし、そもそも目標金額を達成することが成功ではない、と。そういう考え方、カルチャーの捉え方を私たち日本人にもっと伝えていきたいなと考えています。

中田:Kickstarterでは成功の定義も様々で、金額が多ければいいというものでもありません。例えば目標金額が100万円だったとして、1人1万円で100人集まったとしても実際のコストが120万円かかってしまったら、20万円の赤字になってしまいます。

でも、そこで90人しか集まらなかった場合、プロジェクトとしては不成功ですが90人のファンは見つかっているんです。なので、次はコストを抑える努力をしてより多くの人に届くようにするか、90人のファンに向けてよりディープに改善していくか考え直すことができるわけです。

『Help Mary Rebuild Her Brand from the Ashes!』 / アトリエが火事になってしまったファッションデザイナーが救済を求めるプロジェクト。残念ながらプロジェクトは不成功だったようだ
『Help Mary Rebuild Her Brand from the Ashes!』 / アトリエが火事になってしまったファッションデザイナーが救済を求めるプロジェクト。残念ながらプロジェクトは不成功だったようだ(サイトを見る

―たった1度のプロジェクトで終わらせるのではなく、もっと長いスパンでクリエイティブを磨いていく心構えが必要なのかもしれないですね。

中田:初めてのクリエイターに推奨しているのは、まずは小さく始めてみること。Kickstarterは「オールオアナッシング」なので、もし目標金額が達成できなくても手数料は発生しませんし、気軽に再チャレンジもできます。そこでまた試行錯誤をして、いずれ成功するプロジェクトへと成長していくことも可能なのではないかと思いますね。

―確かに、「ある程度、準備ができてから発表しよう」とずっと温めているものがあれば、まずは気軽にやってみるのが大切ですね。

中田:そうなんです。やはり海外のクリエイターと比べると、日本のクリエイターは作り込んでからプロジェクトを発表しようとする人が多くて。

それはもちろん素晴らしいことですし、バッカーにとっても嬉しいことなのですが、そこまで構えなくても大丈夫。まずは気軽にチャレンジできる場所であることを広めていきたいですね。

Page 3
前へ

サイト情報

KickstarterNavi

世界初・最大のクラウドファンディング「キックスターター」公式ナビ

書籍情報

『キックスターターガイドブック入門編』
『キックスターターガイドブック入門編』

2017年12月25日(月)発売
著者:キックスターターガイドブック製作委員会
価格:1,320円(税込)
発行:講談社

プロフィール

中田美樹(なかた みき)

Kickstarter 日本担当の Outreach Lead としてブルックリン本社に勤務。バイカルチュアルなエキスパートとして映像制作(ニューヨーク)、広告制作(東京)、スタートアップ企業(東京)の業務に携わり、現在に至る。

市原真樹(いちはら しんじ)

講談社にてモーニング編集部、ヤングマガジン編集部などで漫画編集者として努めたのち、人事業務を経て経営企画部署へ。現在はKickstarter社とのパートナーシップ対応チームに属する。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

『角舘健悟 × 青葉市子 Live at Waseda Scotthall』

2020年、全4回にわたって行われてきた対談連載企画『角舘健悟の未知との遭遇』。青葉市子と遭遇し、教会に迷い込んだ2人の秘密のセッションの様子が公開された。本連載の趣旨でもあり、2人を繋いだYogee New Wavesの”Summer of Love”と、青葉市子の”みなしごの雨”を披露。クリスマスの夜にどうぞ。(川浦)

  1. 新しい学校のリーダーズが世界へ。「自分らしさ」を探る旅路 1

    新しい学校のリーダーズが世界へ。「自分らしさ」を探る旅路

  2. ROTH BART BARON三船との対話 日本の音楽に宿るルーツを巡って 2

    ROTH BART BARON三船との対話 日本の音楽に宿るルーツを巡って

  3. 長瀬智也×宮藤官九郎『俺の家の話』 キャストや見どころ紹介 3

    長瀬智也×宮藤官九郎『俺の家の話』 キャストや見どころ紹介

  4. Perfumeがリーバイス「Levi's RED」新キャンペーンに起用、特別映像公開 4

    Perfumeがリーバイス「Levi's RED」新キャンペーンに起用、特別映像公開

  5. 西野七瀬が教師役で登場 神木隆之介、松本穂香ら出演au「高杉くん」新CM 5

    西野七瀬が教師役で登場 神木隆之介、松本穂香ら出演au「高杉くん」新CM

  6. カシオ「BABY-G」×ピカチュウのコラボモデル「BA-110PKC」販売 6

    カシオ「BABY-G」×ピカチュウのコラボモデル「BA-110PKC」販売

  7. 成人が「12歳の少女」としてSNS登録 性的搾取の実態追う記録映画『SNS』 7

    成人が「12歳の少女」としてSNS登録 性的搾取の実態追う記録映画『SNS』

  8. 『映画秘宝』年間映画ベスト&トホホ10に斎藤工、のん、宇多丸ら153人参加 8

    『映画秘宝』年間映画ベスト&トホホ10に斎藤工、のん、宇多丸ら153人参加

  9. 綾野剛主演『ホムンクルス』場面写真一挙公開 成田凌、岸井ゆきのらの姿も 9

    綾野剛主演『ホムンクルス』場面写真一挙公開 成田凌、岸井ゆきのらの姿も

  10. 川崎鷹也が語る、世間に見つかるまでの葛藤と、根底にある「愛」 10

    川崎鷹也が語る、世間に見つかるまでの葛藤と、根底にある「愛」