特集 PR

古田新太が振返る劇団☆新感線40年 演劇界に吹かせたエンタメの風

古田新太が振返る劇団☆新感線40年 演劇界に吹かせたエンタメの風

時代劇専門チャンネル『ゲキ×シネ』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

ミュージカル俳優はウソのつき放題で、お得な職業

―もともとミュージカルをやりたかったとのことですが、そのきっかけはどんなことだったのでしょう?

古田:いちばん最初は、小学生のときに学校でミュージカルを見せられて……それがまあ、つまらなくて寝ていたんですけど、朝市のシーンで八百屋とか花売りが、急に歌い踊り出したんですよね。で、それを見て、「これはバカみたいだな」と思って。そんなわけないだろうと。

でも、これはお得な職業だなって思ったんです。音楽もできるし、身体を動かすこともできるし、ニセモノにもなれるじゃないですか。

―ニセモノ?

古田:舞台の上で「俺は弁護士だ」って言えば弁護士だし、医者の免許を持ってなくても、医者だって言えば医者なわけで。あと、劇場の中なのに、「ここは広い海だ」って言ったらそこは海になったり。これはもう、ウソのつき放題で最高だなって思ったんです。

あと、中学生のときに映画版の『ロッキー・ホラー・ショー』(ジム・シャーマン監督作 / 1976年日本公開)を見て「ミュージカルって、下品なことをしてもいいんだ」と思って。で、俄然そういうのがやりたいと思うようになっていきましたね。

―『ロッキー・ホラー・ショー』との出会いは、古田さんの中でかなり大きかったんですね。

古田:完全においらの原点ですね。その後、自分でやったりもしているんですけど、『ロッキー・ホラー・ショー』に出たいというよりも、『ロッキー・ホラー・ショー』みたいなものが作りたいっていう欲求があるんですよね。『ロッキー・ホラー・ショー』のパロディだと思うけど、『ONE PIECE』に出てくるイワンコフみたいなことをやりたい。

今回放送されるラインナップの中でも、おいらが主演している『髑髏城の七人』とか『五右衛門ロック』は、その延長みたいなところがありますね。

『五右衛門ロック』場面写真(©︎ヴィレッジ・劇団☆新感線)
『五右衛門ロック』場面写真(©︎ヴィレッジ・劇団☆新感線)

古田の宴会芸から始まったという、新感線の得意とする「チャンバラ」や「いのうえ歌舞伎」

―先ほど、アクションミュージカル劇団だとおっしゃっていましたが、もうひとつ大きな特徴として、時代劇を得意とする、いわゆる「チャンバラ」の要素があると思いますが、これはいつ頃から始めたのでしょう?

古田:これは、中島かずきさんが新感線に参加するようになってからだと思います。いのうえが、時代劇がやりたいと言い出して。その頃おいらは、宴会芸でよく近衛十四郎(戦前戦後に活躍した不出世の剣豪スター。故・松方弘樹、目黒祐樹の父でもある)の真似をやっていたんですよね。それを知ったいのうえが「古田はチャンバラができるから」ってことで作ったのが、『星の忍者~THE STRANGE STAR CHILD』(1986年)という作品なんです。これがのちに続いていく「いのうえ歌舞伎」の第一弾なんですよね。

『星の忍者~THE STRANGE STAR CHILD』(1986年)
『星の忍者~THE STRANGE STAR CHILD』(1986年)

古田:時代劇って、かつらとか小道具が必要になるから、お金がかかるんですよ。でも、そこにSF要素を混ぜたり宇宙人とかを出しちゃえば、そんなに小道具を用意しなくてもいいんじゃないかってなって。

―そうなったら、時代考証とかあんまり関係ないですもんね(笑)。

古田:そうそう。宇宙人対忍者とかにしてしまえば、誰も何も言わないだろうと(笑)。そこから、平安時代を舞台にして、陰陽師を出しちゃえば何でもありじゃん、みたいになってできたのが『阿修羅城の瞳~BLOOD GETS IN YOUR EYES』(1987年)です。

『阿修羅城の瞳~BLOOD GETS IN YOUR EYES』(1987年)
『阿修羅城の瞳~BLOOD GETS IN YOUR EYES』(1987年)

―宴会芸でチャンバラを披露していたとのことですが、そもそも古田さんは、どうしてそんなにチャンバラができるのですか?

古田:学生の頃からダンスはやっていたんですけど、その当時って、ジャッキー・チェンとか少林寺が流行っていたんですよ。それで、みんなで真似をしていた時代でした。

おいらは剣豪スターの近衛十四郎さんが大好きで、テレビでやってた時代劇の「ラスタチ」って言われる最後の立ち回りを完コピしていたんです。だから、剣術とか棒術とかヌンチャクとか、その頃すっげえ練習して(笑)。

―なるほど。そういう古田さんがいなかったら、新感線の舞台もいまのような感じにはなっていなかったかもしれないですね。

古田:まあ、そうでしょうね。最初の頃は、おいらが役者に殺陣を全部つけていましたから。そのあと10年ぐらい経ってから、アクションクラブが参加してくれるようになって本格的になっていきました。

古田新太
Page 2
前へ 次へ

作品情報

『髑髏城の七人~アカドクロ』
ゲキ×シネ『髑髏城の七人~アカドクロ』

2020年11月15日(日)21:00~
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:
古田新太
水野美紀
佐藤仁美
坂井真紀
橋本じゅん
佐藤正宏
山本亨
梶原善 ほか

©ヴィレッヂ・劇団☆新感線

『髑髏城の七人~Season鳥』
ゲキ×シネ『髑髏城の七人~Season鳥』

チャンネル初
2020年11月22日(日)21:00~
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:
阿部サダヲ
森山未來
早乙女太一
松雪泰子
粟根まこと
福田転球
少路勇介
清水葉月
梶原善
池田成志 ほか

©TBS/ヴィレッヂ

『五右衛門ロック』
ゲキ×シネ『五右衛門ロック』

2020年12月20日(日)21:00~
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太
松雪泰子
森山未來
江口洋介
川平慈英
濱田マリ
橋本じゅん
高田聖子
粟根まこと
北大路欣也 ほか

©ヴィレッヂ・劇団☆新感線

『阿修羅城の瞳2003』
ゲキ×シネ『阿修羅城の瞳2003』

2020年12月27日(日)21:00~
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:
市川染五郎(現・松本幸四郎)
天海祐希
夏木マリ
高田聖子
橋本じゅん
小市慢太郎
近藤芳正
伊原剛志 ほか

©ヴィレッヂ・劇団☆新感線

『SHIROH』
ゲキ×シネ『SHIROH』

2021年1月~放映予定
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:
中川晃教
上川隆也
高橋由美子
杏子
大塚ちひろ(現・大塚千弘)
高田聖子
橋本じゅん
植本潤(現・植本純米)
粟根まこと
吉野圭吾
泉見洋平
池田成志
秋山菜津子
江守徹 ほか

©東宝/ヴィレッヂ

『乱鶯』
ゲキ×シネ『乱鶯』

2021年1月~放映予定
作:倉持裕
演出:いのうえひでのり
出演:
古田新太
稲森いずみ
大東駿介
清水くるみ
橋本じゅん
高田聖子
粟根まこと
山本 亨
大谷亮介 ほか

©松竹/ヴィレッヂ

プロフィール

古田新太(ふるた あらた)

1965年、兵庫県生れ。1984年、大阪芸術大学在学中に参加。「劇団☆新感線」の看板役者である。独自の存在感と確かな演技力で、幅広く活躍をしている。出演作としては、映画「ヒノマルソウル∼舞台裏の英雄たち∼」(近日公開)、「空白」(21年公開予定)、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春SP」「小吉の女房2」(21年4月)、「関ジャム完全燃SHOW」レギュラー出演中、舞台 ねずみの三銃士「獣道一直線‼」、YELLOW⚡新感線「月影花之丞大逆転」(21年2月~)、他。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

岩井勇気(ハライチ)『ひねくれとか言われても俺はただ自分が進みたい道を選んでるだけ』

ドリームマッチでの『醤油の魔人 塩の魔人』、ラジオで突如披露した推しキャラケロッピをテーマにしたEDM調楽曲『ダメダメケロッピ』など、音楽的な才能に注目が集まる岩井勇気。今回はミツカン「こなべっち」とタッグを組み、自らがマイクを取ってラップに挑戦。しかもこの動画、岩井がこれまでラジオや書籍の中で言及してきた、珪藻土のバスマットや、海苔、メゾネットタイプの部屋、クラウス・ノミなどのネタが詰まっていて、まさか岩井さんの自宅なのでは……? と隅々まで見てしまう。つぎはぜひ、自作のトラックとリリックによる曲が披露されることを待っています。(川浦)

  1. テイラー・スウィフトと因縁のインディロック 田中宗一郎らが語る 1

    テイラー・スウィフトと因縁のインディロック 田中宗一郎らが語る

  2. 川井憲次に聞く押井守との共同制作。説明不可能な音楽探求の日々 2

    川井憲次に聞く押井守との共同制作。説明不可能な音楽探求の日々

  3. 三浦春馬主演『天外者』ウェブ限定動画「約束編」「決意編」「友情編」公開 3

    三浦春馬主演『天外者』ウェブ限定動画「約束編」「決意編」「友情編」公開

  4. 平手友梨奈が表紙を飾る『装苑』詳細発表 「クラシカルかつ幻想的ムード」 4

    平手友梨奈が表紙を飾る『装苑』詳細発表 「クラシカルかつ幻想的ムード」

  5. 菅田将暉“虹”PVで古川琴音と夫婦役、監督は呉美保 5

    菅田将暉“虹”PVで古川琴音と夫婦役、監督は呉美保

  6. 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』論評 自立と解放への戦い描く 6

    『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』論評 自立と解放への戦い描く

  7. のんがブルーハーツをカバー マルコメ×『私をくいとめて』コラボ企画始動 7

    のんがブルーハーツをカバー マルコメ×『私をくいとめて』コラボ企画始動

  8. 石崎ひゅーい×森山未來対談 本当の戦いは勝ち負けの物差しの先で 8

    石崎ひゅーい×森山未來対談 本当の戦いは勝ち負けの物差しの先で

  9. 高橋一生が今年のグラコロソングを歌う、マクドナルド新テレビCM 9

    高橋一生が今年のグラコロソングを歌う、マクドナルド新テレビCM

  10. PUNPEEが2つの配信ライブで提示したもの、メール取材も実施 10

    PUNPEEが2つの配信ライブで提示したもの、メール取材も実施