特集 PR

ZAIKO取締役ローレンを動かした、日本の音楽業界に対する可能性

ZAIKO取締役ローレンを動かした、日本の音楽業界に対する可能性

ZAIKO
インタビュー・テキスト
村上広大
撮影:大畑陽子 編集:久野剛士

電子チケット販売プラットフォームとして2019年に歴史をスタートしたZAIKOだが、2020年初頭に待ち受けていたのは新型コロナウイルスの感染拡大によるライブやコンサートの中止、延期だった。それによって見込んでいた売り上げが消失する事態に陥るも、他社に先駆けてライブ配信事業に取り組むことで大きく業績を回復。ピンチをチャンスに変えることで、見事な飛躍を遂げた。

このZAIKOの創業メンバーの1人であるローレン・ローズ・コーカーは、シカゴ大学で東アジアの歴史と日本語を学んだ後、日本でキョードー東京やソニーミュージックに在籍。音楽業界の酸いも甘いも経験した後にZAIKOを起業したのだが、なぜ大手企業でのキャリアアップではなく、自ら会社を設立する道を選んだのだろうか。それを探るべく彼女に話を聞いた。

ローレン・ローズ・コーカー<br>1986年5月23日生まれ、34歳。米国イリノイ州シカゴ出身。シカゴ大学で東アジアの歴史や日本語を学び、卒業後の2008年に22歳で来日。英会話講師を経て、キョードー東京やソニーミュージックエンタテインメントで勤務。2019年1月に仲間と「ZAIKO」を設立。会社名はチケットの「在庫」から取った。同年からは内閣府知的財産戦略本部の構想委員会委員を務める。
ローレン・ローズ・コーカー
1986年5月23日生まれ、34歳。米国イリノイ州シカゴ出身。シカゴ大学で東アジアの歴史や日本語を学び、卒業後の2008年に22歳で来日。英会話講師を経て、キョードー東京やソニーミュージックエンタテインメントで勤務。2019年1月に仲間と「ZAIKO」を設立。会社名はチケットの「在庫」から取った。同年からは内閣府知的財産戦略本部の構想委員会委員を務める。

値段が付けられないからこそ、おもしろい。ZAIKO取締役が音楽業界に身を置いた理由

―まずZAIKO創業前のことについて伺いたいのですが、ローレンさんはどうしてキョードー東京でキャリアをスタートさせたのでしょうか?

ローレン:シカゴ大学卒業後に日本へ来て、しばらくは英会話の先生をやっていたんですが、もっと自分の強みを活かせる場所で働きたいと思ったのがきっかけでした。だから、最初は大きな志があったわけではなくて。でも、キョードー東京で出会った人たちによって人生がすごく楽しくなったんですよ。よく言えば個性的、悪く言えば変わった人が多かったんです(笑)。

―体験したことのない世界が広がっていたのでしょうか。

ローレン:大学生の頃は勉強しかしてなくて、今よりもっと真面目な人間だったんだけど、自分がなにをしたいのかもわからなかったんですね。日本語を勉強したのも将来のためというより、言語として学ぶのが難しいと聞いたからで。それも日本語が話せるようになったら、他人から「すごい」と思われるんじゃないかと考えたからだったんです。でも、音楽業界は他人からどう思われるかを気にしない人が多いし、それは日本だけじゃなく、世界でもそうで。今まで関わったことのない人ばかりで、それが心地よかったんです。

―それでローレンさん自身も自信をつけることができたのでしょうか?

ローレン:ほんの少しだけ。自分はそこまでクリエイティブな人間じゃないし、アーティストを目指したこともなかったんですけど、今まで出会った人とは通じなかったなにかが通じると思うことがありましたね。

あと、音楽ってロジック通りじゃないことも面白くて。そもそも音楽の価値には、人間の命と同じで値段はつけられないじゃないですか。保険会社に調べてもらったら、私たちの命はいくらか教えてくれるかもしれないけれど、それは資本主義のルール上、名目で金額がついているだけです。音楽にも、そうした数字で示せる以外の価値もあるし、そういうものがある社会とない社会を比べたら、前者のほうが絶対に世界は平和だと思うんですよ。それは私が大学生の頃までロジックの世界で生きていたからこそ、より強く感じています。

ローレン・ローズ・コーカー

―では、ソニーミュージックにはどういった経緯で入社したんですか?

ローレン:キョードー東京には2年半ほど在籍して、その後しばらくはフリーランスで活動していたのですが、あるときソニーミュージックの人から「ローレンみたいな人材を探しているよ」と言われて。そのときはOne Directionのビジネスを日本で広げていくプロジェクトが動いていたのですが、英語がネイティブで、日本語も話せて、音楽業界に詳しい人がほしかったらしいんです。私自身も、もっとレベルアップしたいと考えていたので、すぐに入社を決めました。

One Direction“Story of My Life”MV

―ソニーミュージックに入社してなにがいちばん学びになりましたか?

ローレン:ソニーには6年ほど在籍していたのですが、私の在籍していた部署のボスのマネジメントスタイルがとにかく面白くて、一人ひとりが自分のベストな環境で働けるようにしてくれましたね。普通のマネジメントは、ああしなさい、こうしなさいが基本だと思うんですけれど、そういうこともなくて。本当にのびのびと働けたし、いい意味で会社を利用してなりたい自分になれる空気感が漂っていました。

ソニーという会社自体も働いた人が辞めて違う会社に入っても、ソニーにいたことがずっと誇りに思ってもらえるような企業を作り続けています。ソニーにいるのは一生でちょっとだけでも、ソニーにいたことが社員一人ひとりの人生のプラスになるような会社を目指していました。

そして、ソニーはとにかく人が多い。何百、何千と社員がいるから、この人に会いたいと思ったらすぐにつながることができました。加えて、みんななにかしらのエキスパートだから、私が相談をしたらどんなに忙しくてもアドバイスをくれます。そういうソニーファミリー的な助け合いの精神がすごくあって、会社を辞めてからそのネットワークが消えて、今は特にすごいことだったと思います。

―そうしたスピリットはZAIKOにも継承されているのでしょうか?

ローレン:まだ実現できているかはわからないですが、そういう会社でありたいとは考えています。もしかしたら家族よりも多くの時間を共有することになるわけだし、自分の人生を賭けることにもなるので、それぞれの人生にとって価値のあるものにしていきたいですよね。

Page 1
次へ

サービス情報

ZAIKO
ZAIKO

イベント主催者及びデジタルメディア企業向けのホワイトレーベル型チケット販売プラットフォーム

プロフィール

ローレン・ローズ・コーカー

1986年5月23日生まれ、34歳。米国イリノイ州シカゴ出身。バラク・オバマ元大統領らを輩出した名門シカゴ大で東アジアの歴史や日本語などを学び、卒業後の2008年に22歳で来日。英会話講師を経て、キョードー東京やソニー・ミュージックエンタテインメントで勤務。19年1月に仲間と「ZAIKO」を設立。会社名はチケットの「在庫」から取った。同年からは内閣府知的財産戦略本部の構想委員会委員を務める。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

あらかじめ決められた恋人たちへ“日々feat.アフロ”

何かを我慢することに慣れすぎて忘れてしまいそうになっている「感情」を、たった10分でこじ開けてしまう魔法のようなミュージックビデオ。現在地を確かめながらも、徐々に感情を回転させていくアフロの言葉とあら恋の音。人を傷つけるのではなく、慈しみ輝かせるためのエモーションが天井知らずの勢いで駆け上がっていった先に待ち構えている景色が、普段とは違ったものに見える。これが芸術の力だと言わんばかりに、潔く堂々と振り切っていて気持ちがいい。柴田剛監督のもと、タイコウクニヨシの写真と佐伯龍蔵の映像にも注目。(柏井)

  1. ゆずが気づいた「歌いたい」という感情。覚悟を決めて未来に進む 1

    ゆずが気づいた「歌いたい」という感情。覚悟を決めて未来に進む

  2. 中村佳穂が語る『竜とそばかすの姫』 シェアされ伝播する歌の姿 2

    中村佳穂が語る『竜とそばかすの姫』 シェアされ伝播する歌の姿

  3. KERAが見てきた東京のインディ・アングラ音楽シーンを振り返る 3

    KERAが見てきた東京のインディ・アングラ音楽シーンを振り返る

  4. A_oから青い心を持つ全ての人へ 自由に、自分の力で生きること 4

    A_oから青い心を持つ全ての人へ 自由に、自分の力で生きること

  5. 『プロミシング・ヤング・ウーマン』が映し出す、「女性の現実」 5

    『プロミシング・ヤング・ウーマン』が映し出す、「女性の現実」

  6. Daichi Yamamotoと高校生のラップ談義。音楽の自由を10代に学ぶ 6

    Daichi Yamamotoと高校生のラップ談義。音楽の自由を10代に学ぶ

  7. トム・ヨークによるRadiohead“Creep”のリミックスが公式リリース 7

    トム・ヨークによるRadiohead“Creep”のリミックスが公式リリース

  8. ケリー・ライカート特集パンフに蓮實重彦、夏目知幸ら ototoiのグッズも 8

    ケリー・ライカート特集パンフに蓮實重彦、夏目知幸ら ototoiのグッズも

  9. 狂気と恐怖、男2人の権力闘争。『ライトハウス』監督インタビュー 9

    狂気と恐怖、男2人の権力闘争。『ライトハウス』監督インタビュー

  10. アーティストをやめる、苦渋の決断が生んだ現代芸術チーム「目」 10

    アーティストをやめる、苦渋の決断が生んだ現代芸術チーム「目」