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型破りな編集者・箕輪厚介が語る、閃き力の鍛え方と新しい働き方

型破りな編集者・箕輪厚介が語る、閃き力の鍛え方と新しい働き方

CAMPFIRE
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子

副業の議論とかもありますけど、外で活躍していないと、これからは専業のほうも先細ってくる気がしますね。

—数多くの成功体験の一方で、編集者生活のなかで一番しんどかった時期を挙げるとすればいつになりますか?

箕輪:幻冬舎に移ったばっかりのとき(2015年)かなあ。今は量産体制が取れてるけど、編集者って仕込みが大事で、実際に本を出すまで、半年とか1年かかるわけです。

当時、ホリエモンの本が他の出版社から出てたんですけど、どれもタイトルだけみたいな本で。でも売れていて、そんな状況で会社から「お前、堀江と仲いいんだから、ヒット出せよ」って空気を勝手に感じていて。「俺が堀江さんに本を作ってもらうときは、絶対にはずせないな」って、その頃はウジウジした気持ちもありました。中途半端にやってもしかたがないと思って、ずーっと考えてたら、高城剛が「多動力」ってツイートしてて、「これだ!」って。そこに至るまでに、「堀江さんになにを書いてもらおう」って悩み続けてきたからピンときたんじゃないかな。

『多動力』のマンガ版が3月1日に出版された。『マンガで身につく 多動力』
『多動力』のマンガ版が3月1日に出版された。『マンガで身につく 多動力』(Amazonで見る

—結果的に『多動力』は大ヒットして、今では量産体制が整えられていると。

箕輪:ただ、これは佐藤さんが言ってたことで、本当にその通りだと思うんですけど、上手くいってる時点で衰退が始まってるんです。で、そこにしがみつこうとすると、本当に衰退しちゃうから、すごい企業は一番上手くいってるものを売却するなりして、違う方向に舵を切る。そうすることによって、ずっと上手くいってる会社が1%くらいあるんです。

僕が今こうやってインタビューを受けてるということは、もう僕の偉そうに語っているスタイルの衰退が始まってるということなんです。それは客観的にわかってる。だから、「エクソダス」とか「NewsPicksコミック」を立ち上げて、まったく未経験の違うところにベットしたりしているんです。

箕輪厚介

—会社に属しながら、個人でも幅広く動く。現代の働き方の提示にもなっていますよね。

箕輪:僕は20社以上のコンサルもやっていて、神社から下着からスポーツまで関わっています。そうすると、ただ本を作っているだけではわからない、切実なビジネスの上手くいかなさを相談されるわけです。そのなかで、「みんな同じことでつまずいてるな」とか、「こうやったら上手くいくな」とか、時代のつまずきと方向性がわかる。それは著者への提案にも、ビジネスモデルの構築にも、本の内容にも反映されるんです。

僕は年間で新刊を20冊近く出していて、きっと誰よりも本を作っていますけど、それでも僕がやってることの半分くらい。もう半分は新しいビジネスを考えている。さっきの飲みの話もそうですけど、新しいビジネスはないかってずっと考えているから、現場に落ちているものを拾えるんです。

やっぱり会社のなかに閉じこもってちゃダメ。右に行ったらいいか、左に行ったらいいかの判断材料は、世の中を走ってないとわからないですよ。だから、副業の議論とかもありますけど、これからは外で活躍していないと、むしろ専業のほうも先細ってくる気がしますね。

「なんでこれが売れないの? 中身はこんなに素晴らしいのに」というものがちゃんと報われるようにはなるはずです。

—さきほど話に出た「エクソダス」についても聞かせてください。「クラウドパブリッシングプログラム」として、オープンな出版を目指すとのことですが、実際はどのようなものになるのでしょうか?

箕輪:これからはすべてのビジネスが受注生産方式になる可能性があるということです。今までは大量に作って、大量にプロモーションして、大量に消費される仕組みだったのが、これからはその人に合わせた、カスタマイズされたものが必要な分だけ届く。ZOZOSUITとかがそうですよね。

テクノロジーが追いついたら、全部がオーダーメイド式になっていくのは世の中の必然の流れだと思うんです。だって、それが可能になるのであれば、そっちのほうがいいに決まってるじゃないですか? だから、本も絶対にその流れになることが、漠然とわかってる。そこで小さい経済圏の思想を持ってるCAMPFIREと組むというのも、時代の必然で。

箕輪厚介
「エクソダス」設立に関するニュースリリースを見る

—実際にエクソダスからどんな本を出版するかについては、現状いかがですか?

箕輪:一般からも募集するんですけど、こっちでもいくつか仕込もうと思っています。『多動力』みたいな大玉をやろうという話もあったんですけど、もっと「少人数が超ほしい」というものを作ることに意味がある、ということになって。なので、ホリエモンは『ホトケモン』っていう、あの毒舌なホリエモンが超優しくて、いいことばっかり言う日めくりカレンダー。落合陽一は『カレーの飲み方』、家入一真は『大きな経済圏』とか……そんなネタみたいなアイデアばっかり出てます(笑)。

—それもある意味、瞬間の思いつきですね。

箕輪:みんな、フワッとだけど、「絶対にこっちだ」という認識は持ってるから。これが普通の企業の部署だと、「明日の売り上げは……」ってなるから、正しくはないけど儲かることを始めちゃう。我々は「今しかない」ってなったときに、ガッと行けるチームになっていると思いますね。

—クラウドファンディング自体についてはどのような印象をお持ちですか?

箕輪:クラウドファンディングによってなにが変わったかというと、テクノロジーがなかった時代だと1万人が熱狂しないとビジネスにならなかったものでも、500人が異常に好きだったらビジネスになるということです。ただ勘違いしてはいけないのは、テクノロジーで不都合は解消されても、夢みたいに都合のいいことが起こるわけじゃない。つまらなくて、誰も読みたくない本が売れるようになるわけじゃないんですよ。誰かが魅力を感じないとお金は集まらないわけだから、本質は変わらない。

だから、クラウドパブリッシングでも、「誰でも作家になれる」みたいなことは言えないんですよね。ただ、「なんでこれが売れないの? 中身はこんなに素晴らしいのに」というものがちゃんと報われるようにはなるはずです。

箕輪厚介

—では最後に、エンターテイメント業界で働きたいと思っている若者たちに対して、なにかメッセージをいただけますか?

箕輪:「プレイヤーであれ」ということ以外ないですね。昔は出版社に入らないと本は作れなかったし、テレビ局に入らないと番組は作れなかったけど、今は誰でもプレイヤーになれるわけじゃないですか? 幻冬舎にいると、バイトのやつが「編集者になりたいんです」とか言ってくるけど、「今すぐやれよ」って話で。

面白いと思う人にTwitterで絡んだら、「稼働ゼロだったらいいよ」って言ってもらえて、本を出版できる可能性もある。俺が今学生だったら、ホリエモンに絡んで、「今までの名言を集めて勝手に電子書籍にしていいですか? 収益は全部渡すんで」って言いますね。そうしたら「いいよ」ってなると思う。そういうことなんですよ。

—「なりたい」と言ってる時間があるなら、実際に動けと。

箕輪:「誰かが役割をくれる」みたいな考え方は、本当に意味わかんなくて。今やれよって、それだけですね。それがどんなに下手でも、やり続けていたら上達する。落合陽一的に言うと、「ポジションを取れ、手を動かせ」ってことですよ。それ以外にないです。

最近、YouTuberデビューにも挑戦している
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『箕輪編集室』
『箕輪編集室』

箕輪厚介による編集サロン。ガチで編集し、スキルも上がって人間関係も広がるコミュニティ。 紙の編集だけでなく、コミュニティプロデュースまで手掛ける。「自ら動かないものは去れ」の『多動力』の世界観をそのまま具現化した実力集団。

プロフィール

箕輪厚介(みのわ こうすけ)

幻冬舎の編集者。2010年に双葉社入社、広告営業やイベント運営などに携わった後、編集部に異動。2015年に幻冬舎に移り、編集者として働きながら、東洋経済オンラインやアドタイで自身のコラムを持ち、オンラインサロンの運営、堀江貴文大学校で特任教授も務める。2017年10月、自身の会社として波の上商店を設立。2018年1月末、CAMPFIREと幻冬舎の共同出資会社、エクソダスの取締役に就任する。

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