なぜ人は作品に触ろうとするのか? ヴィック・ムニーズによる『Haptic−触覚』

「作品にはお手を触れないでください」―掲示が警告する。なぜ人は作品にさわろうとするのだろうか?そんな「触覚」についての問いをテーマにヴィック・ムニーズがキュレーションを行うグループ展が、トーキョーワンダーサイト本郷にて2009年1月12日(月・祝)まで開催中だ。

ムニーズは1961年ブラジルサンパウロ生まれ。ニューヨーク近代美術館の『アーティスト・チョイス』展の9番目のゲストキュレーターに選ばれており、ムニーズの美術史を独自に解釈するキュレーションの手腕は注目を集めている。

本展は、ブラジルから3名、日本から3名の計6名のアーティストの作品に焦点を当てる。触覚に対する2つの異なる文化を背景に、彫刻、ペインティング、インスタレーションなど異なる表現手法で発表する彼らは、手仕事と結びつきの強い技術による繊細で細やかな軌跡を感じさせ、軽やかでウィットに富んだ作風を持つ。

ムニーズはこう語っている。「制作過程が触覚的(haptic)な体験で満たされているとき、作品に残る作者の手のエネルギーは、見る者の手を絶えずいざなうかのようである。思わず触れたいと感じさせる作品は、通例また、触れることについての思索をも促す。精神と物質を統合する経験としての感覚を大切にする文化においては、芸術作品の制作と鑑賞の過程における触覚的側面は、ごく自明なものだ。」

選ばれたアーティストたちの多様な表現や、TWS本郷の空間に展開される個性のぶつかり合いを楽しんでほしい。

『Haptic−触覚』
ヴィック・ムニーズ キュレーションによるブラジル・日本アーティスト展

2008年11月22日(土)~2009年1月12日(月・祝)11:00~19:00 (入館は閉館の30分前まで)

会場:トーキョーワンダーサイト本郷

出展アーティスト:
エフライン・アルメイダ
レダ・カトゥンダ
エリカ・ヴェルズッティ
窪田美樹
宮永愛子
長井朋子

休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
年末年始(2008年12月29日~2009年1月5日)
料金:無料

主催:財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーワンダーサイト
認定:日伯交流年認定事業
後援:ブラジル大使館
協力:
Galeria Fortes Vilaça
H.P.FRANCE WINDOW GALLERY
小山登美夫ギャラリー
ミヅマアートギャラリー

関連イベント
『ヴィック・ムニーズ ビューティフル・アース』

2008年11月22日(土)~2009年3月1日(日)11:00~19:00(入館は閉館の30分前まで)

会場:トーキョーワンダーサイト渋谷

アーティスト・出演:ヴィック・ムニーズ

休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始(2008年12月29日~2009年1月5日)料金:無料

主催:財団法人東京都歴史文化財団、トーキョーワンダーサイト
認定:日伯交流年認定事業
後援:ブラジル大使館
協賛:日本航空
協力:
Galeria Fortes Vilaça
田口弘
アート・オフィス・シオバラ

(画像上:エリカ・ヴェルズッティ / Erika Verzutti 《Maria in Tokyo》2008、フェイクベジタブル、糊、フェイクブロンズ Photo: Ken Kato、画像中:窪田美樹 / Miki Kubota 《かげとり -まとわりつく内側》2008、木製家具部分、合板、パテ Photo: Ken Kato、画像下:Photo: Ken Kato)

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