会田誠の個展『もう俺には何も期待するな』、自身初の監督作品を上映

2014.01.23 Thu

美術家・会田誠の個展『もう俺には何も期待するな』が、1月29日から東京・市ヶ谷のミヅマアートギャラリーで開催される。

1990年代初頭のデビューから、美少女や戦争、サラリーマンなどを題材に、日本の近現代社会をシニカルに捉えた鮮烈な作品を発表し続けてきた会田。2012年11月から東京・六本木の森美術館で開催された『会田誠展：天才でごめんなさい』では約49万人を動員し、20年以上に及ぶ会田の活動を総括的に振り返ったことも記憶に新しい。また、2013年には新潟市が創設した『第8回安吾賞』にも選出された。

『もう俺には何も期待するな』は、会田にとって初の監督作品となる映像作品をメインに構成される。映像『土人＠男木島』では、過疎化が進んでしまった小さな島に謎の先住民が現れたという設定で物語が進行し、島を訪れた架空のクイズ番組のレポーターがクイズを出題するという形式で先住民たちの生活を浮き彫りにする様子が捉えられている。

先住民役にはアウトドア好きの若手アーティストが起用されており、会田は「大人の夏休みに行き当たりバッタリで撮った映像。アートと思って肩肘張らず、楽しんで見てもらいたい」とコメントしている。映像は約50分で、11:00から1時間ごとに上映される。なお、ギャラリー奥のスペースでは、挿絵をはじめとするこの1年で会田が手掛けた仕事が展示される。