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谷崎潤一郎の短編を3監督が現代劇に 『TANIZAKI TRIBUTE』に戸次重幸ら

左上から時計回りに吉村界人、渋川清彦、戸次重幸、でんでん、片山萌美、淵上泰史、内田慈、大野いと
左上から時計回りに吉村界人、渋川清彦、戸次重幸、でんでん、片山萌美、淵上泰史、内田慈、大野いと

『谷崎潤一郎原案 / TANIZAKI TRIBUTE「神と人との間」「富美子の足」「悪魔」』が2018年に公開される。

『谷崎潤一郎原案 / TANIZAKI TRIBUTE』は、3人の異なる映画監督が映像化したい谷崎潤一郎の短編小説を選出し、それらの作品をもとに現代劇として3作の映像作品を制作するプロジェクト。内田英治監督の『神と人との間』、ウエダアツシ監督の『富美子の足』、藤井道人監督の『悪魔』から構成される。

『神と人との間』は、町医者の穂積と親友で漫画家の添田、2人が共に想いを寄せる朝子の3人を描いた作品。原作の登場人物3人は谷崎本人と谷崎の最初の妻・千代、谷崎の友人で後に千代の夫となる佐藤春夫の三角関係をモデルにしたとされている。映画では添田に朝子を譲る穂積役を渋川清彦、結婚した朝子を虐待し、サディストと化していく添田役を戸次重幸、朝子役を内田慈が演じる。

『富美子の足』は、デリヘルで見つけた富美子を愛人にし、彼女の足に強い偏愛を示す富豪の老人・塚越が主人公。富美子の足をかたどった等身大フィギュア制作を甥・野田に依頼する塚越役をでんでん、富美子役を片山萌美、野田役を淵上泰史が演じる。

『悪魔』は、アルコールに溺れる大学生の佐伯と、佐伯を惑わす下宿先の高校生・照子を描いた作品。吉村界人と大野いとが共演するほか、照子を偏愛する鈴木役で前田公輝が出演している。

なお『神と人との間』が10月25日に開幕する『第30回東京国際映画祭』日本映画スプラッシュ部門に正式出品。劇場公開に先駆けてワールドプレミア上映される。

内田英治監督のコメント

もちろん多くの日本人と同じように谷崎文学が大好きなのですが、作品以上に谷崎潤一郎本人に長年興味を抱いていました。とくに親友である作家・佐藤春夫と、谷崎の妻・千代を巻き込んだ大正の一大スキャンダル「細君譲渡事件」をいつか描きたいと思っていました。この最低で、しかし人間味溢れる三角関係をベースにした小説が「神と人との間」です。マゾヒスト的な、一方ではサディスト的なぐだぐだな恋愛。しかしそれもまた愛の形であり、谷崎にしか描けない世界観なのです。今回、谷崎作品を現代解釈するという企画において真っ先に本作をと考えたのは言うまでもありません。本作はラブストーリーでございます。それは恋愛と呼ぶにはクズすぎるかもしれませんが、やはりラブストーリーなのでございます。

ウエダアツシ監督のコメント

谷崎を読むと正直に生きる登場人物たちが愛おしくなります。その耽美的な執着は、時に肉体的なフェティシズム、時に精神的なサディズムやマゾヒズムへと辿り着きます。常人には滑稽に見えてしまうその姿ですが、そこには確固たる覚悟と美学があり、真の意味での人間らしさが感じられます。
数々の名作映画を生み出してきた谷崎文学に今、内田監督と藤井監督と共に挑戦できたことをとても嬉しく思っています。僕が監督したのは『富美子の足』。偏愛される足を持つ女と、足を偏愛する男たちの姿を描いた…要するに足フェチのお話です。片山さん、淵上さん、そして、でんでんさん―。素晴らしく個性豊かな面々と、足と向き合い、足を舐め、足に踏まれる日々を過ごしました。正直に欲望へと突き進む、狂おしくも愛おしい人間たちの姿をぜひスクリーンでご覧ください。

藤井道人監督のコメント

「悪魔」とは、人間を誘惑し、災いをもたらす存在を称してそう呼ばれています。そして、大なり小なり私たちの周りにはその「悪魔」が存在します。谷崎潤一郎の「悪魔」を初めて読んだとき、100年以上前に書かれた作品にも関わらず、今の現代社会における人間の心の暗部に置き換えることが出来る普遍性に感嘆しました。
主人公の青年は、若くて美しい女子高生の照子という「悪魔」に出会い、次第に自我が崩壊していきます。
そもそも「悪魔」とは、自分に外的危害を加える存在なのか。もしくは、自分自身の精神に巣食う存在なのか?というテーマに向き合って作りました。

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