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映画『異端の鳥』に谷川俊太郎、奈良美智、古舘寛治、小島秀夫らコメント

『異端の鳥』 ©2019 ALL RIGHTS RESERVED SILVER SCREEN ČESKÁ TELEVIZE EDUARD & MILADA KUCERA DIRECTORY FILMS ROZHLAS A TELEVÍZIA SLOVENSKA CERTICON GROUP INNOGY PUBRES RICHARD KAUCKÝ
『異端の鳥』 ©2019 ALL RIGHTS RESERVED SILVER SCREEN ČESKÁ TELEVIZE EDUARD & MILADA KUCERA DIRECTORY FILMS ROZHLAS A TELEVÍZIA SLOVENSKA CERTICON GROUP INNOGY PUBRES RICHARD KAUCKÝ

映画『異端の鳥』に寄せられた著名人コメントが公開された。

ホロコーストの生き残りであるポーランドの作家で謎の自殺を遂げたイェジー・コシンスキが1965年に発表した作品『ペインティッド・バード』を映画化する同作は、第二次大戦中にナチスのホロコーストから逃れるために、たった1人で田舎に疎開した少年が差別と迫害に抗いながら生き抜く姿と、異物である少年を徹底的に攻撃する「普通の人々」を描いた作品。舞台となる国や場所を特定されないように人工言語「スラヴィック・エスペラント語」が採用された。全編モノクローム35ミリフィルムで撮影。

コメントを寄せたのは、谷川俊太郎、小川洋子、奈良美智、古舘寛治、深緑野分、李相日、濱野ちひろ、ピーター・バラカン、小島秀夫、松尾貴史、桜庭一樹。

谷川俊太郎のコメント

見終わって私の言葉はしばし仮死状態に陥りました。
でもこの映画にひそむ沈黙から言葉はふたたびよみがえるでしょう。

小川洋子のコメント

邪悪を射抜く少年のまなざしに、魂を奪われ、ただ立ち尽くすしかない。

奈良美智のコメント

生き物の本質に善悪の基準なんてないだろう。
生き残るために「人間性」は空虚な言葉になって、非情で残虐な世界に埋没していく。
それでも、人が生き続ける限り、忘却の彼方から言葉が生き返る瞬間を、僕らは最後に目撃するだろう。

古舘寛治のコメント

映画館のスクリーンで観るべき映画。その映像美の中に目を背けてはいけない「人間の正体」がある。

深緑野分のコメント

戦争が人間を変えるのではなく、元々人間が残忍だから戦争も虐殺も起きるのだ。筆舌に尽くしがたい醜悪さを突きつける、東欧の芸術作品らしい陰惨で濃厚な魔術的物語。

李相日のコメント

美しく完璧なショットが炙り出すのは、人の皮を被った動物の姿。
この映画でしか味わえない圧倒的な余韻がある。

濱野ちひろのコメント

生き延びることそれ自体が理不尽であるような最悪な状況。
不条理と狂気にまみれた少年の日々を直視させる映像美が憎い。

ピーター・バラカンのコメント

戦争が引き起こす人間性の破綻、その連続から目を背けたくなりつつも、美しい白黒の映像美と主人公の少年による無言のリアルな演技で最後まで釘付けになりました。

小島秀夫のコメント

これまで最も不快な戦争体験は「炎628」だったが、本作はそれに匹敵する。時代に流されていく孤独な少年の流刑。いつかは幸せになれると、微かな期待をしつつの169分は、見事に裏切られる。少年の無垢を彩る美しいモノクロ映像と、戦火の吐瀉物や血痰とのコントラストが続く。ところが、不思議なことに後半には戦争色に全てが染まる。戦時下、どこにも光はなく、色もない。灰色に染めあげられていく無垢なる“モノクロームの少年”。もう子供でも大人でも戦士でもない。彼こそが“戦争”そのものなのだ。

松尾貴史のコメント

凄まじい映像と物語。
普通の人たちの内なる差別、悪意、残虐、あらゆる「業」が、少年にここまでの仕打ちをするのか。長尺を忘れて、心の中で叫び続けた。この機会を逃さずに。

桜庭一樹のコメント

川本三郎先生の書評で原作小説を知り、読みました。恐ろしい物語ですが、“知っている地獄”のような不思議な懐かしさを感じました。映画と小説の両輪で理解を深めてほしい作品です。

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