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勅使川原三郎×佐東利穂子の新作デュエット公演『読書 本を読む女』6月上演

勅使川原三郎の新作公演『読書 本を読む女』が6月24日から東京・両国のシアターXで上演される。

2013年以来、シアターXでの公演を定期的に行なっている勅使川原三郎。同劇場は勅使川原にとってより自由な創作ができる場所の1つとのことで、その特徴について「一般的な機構の劇場のイメージとは異なる、個性的な、まるで大きさがあらゆるサイズに変わる部屋のような空間。創作上の細やかな仕事を可能にさせ、創作に集中することができる」と明かしている。

勅使川原の読書体験と身体感覚にもとづいた同作は、勅使川原と佐東利穂子のデュエット作品。2018年11月の『アップデイトダンス』公演で初演された佐東利穂子のためのソロ作品を改作した作品となり、佐東演じる「本を読む女」が様々な文学作品、物語から抜き出されたいくつかの断片を誦じ、やがて本の中へと没入していく様をダンスで表現する。勅使川原は出演に加えて、構成、振付、演出、美術、照明、衣装を担当。

勅使川原三郎のコメント

アパラタスで創作した『読書』は、読書する者について考察したダンスであり、当初は佐東利穂子のソロ作品として上演しました。オーストリアの作家、ロベルト・ムージルの『特性のない男』を朗読する佐東の声を基調に、想像をかき立てる様々な音楽を用い、部屋の中で読書する者、その読むという行為を客観的に捉えてダンスとして表現したものです。今回、新たにデュエット作品として上演するにあたっては、読書する者に起こることを、より主体的に捉えていこうと考えています。
閉じられた本の中は暗く、空気のない状態であるけれども、一度開けば、開かれたそのページには光が差し、文字が目に触れる。実際に声で発することがないとしても、言葉は自身の声、あるいは登場人物の声として響き、音響が身体の内に広がっていく。身体は次第に前のめりになり、本の中に没入し、落ちていくような感覚をおぼえる。その身体は本の中に浮遊し、徘徊し、俯瞰し、会話する──。
ところが、読書する者が本から離れ、言葉が途切れ、その響きがなくなると、自由を削がれたかのようにその身体は固まり、息苦しくなる。現実の時間感覚に捕われ、支配されてしまう。つまり、読書の中にいる時より、現実のほうが不自由になってしまう。しかし、その状況は逆転し得る。読書している時の感覚が、読書をしていない時に再現されれば、現実はどんどん豊かになっていく──。そうも考えるのです。

佐東利穂子のコメント

劇場にはその場所ごとに個性、特徴があるけれど、近頃はずっとアパラタスでの活動を続けていただけに、シアターXの空間で公演をすることをとても楽しみにしていました。というのも、ここは創作に集中しやすい場所であるとともに、舞台と客席との距離が近く、そこを行き来することで作品の題材をあらためて見直したり、新鮮な気持ちで見たり触れたりすることが、比較的容易にできる場所なのです。
今回の公演で『読書』を上演することが決まった時、この作品とこの劇場とが空間的にとても合うと感じました。けれど、新たな『読書』の構想が見えてくると、場所にまつわる事柄に留まらない、何かが湧き上がってくるのではないかという期待感が高まったのです。

『勅使川原三郎 新作公演「読書 本を読む女」』ビジュアル
『勅使川原三郎 新作公演「読書 本を読む女」』ビジュアル
『読書』2018年(カラス・アパラタス)より
『読書』2018年(カラス・アパラタス)より
『読書』2018年(カラス・アパラタス)より
『読書』2018年(カラス・アパラタス)より
『読書』2018年(カラス・アパラタス)より
『読書』2018年(カラス・アパラタス)より
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