レポート

jan and naomiとGateballers濱野がドラマのように交わった

テキスト
冨手公嘉
撮影:Kana Tarumi 編集:山元翔一
jan and naomiとGateballers濱野がドラマのように交わった

ギター、ドラム、歌のみで、会場を熱気と緊張で包んだKlan Aileen

4番手に登場したのは、ポストパンク、ガレージロックなど様々なジャンルを飲み込んだ2ピースロックバンド、Klan Aileen。

Klan Aileen
Klan Aileen

Klan Aileen

1曲目に披露されたのは、最新アルバム『milk』から“心配性”。出音からノイジーなギターとつんのめるようなドラムがグルーヴを生み出し、緊張感の高い演奏で会場を包み込む。

松山亮(Klan Aileen)
松山亮(Klan Aileen)

竹山隆大(Klan Aileen)
竹山隆大(Klan Aileen)

続く“脱獄”では、松山亮(Gt,Vo)がギターリフを鳴らしながら身体の重心を左右に預けるように揺れる。そして彼らのなかでもとりわけBPMの早いトラック“Nightseeing”では、目を閉じながら張り裂けそうな歌声を炸裂させていた。

Klan Aileen

この日の白眉は、“再放送”。プロペラ音のように円環するビートと、歪んだギターリフがポリリズムで表現され、その上に松山が<躁メディア/躁メディア>というフレーズを呪詛のように繰り返し唱える。

異なるリズムが主張し合いながら渾然一体となった演奏は、さながら人力テクノ。観客は意識をここではない地平へと誘われ、思い思いに頭や身体を揺らしながら音に酔いしれていた。

Klan Aileen

最後、ドラムの竹山は松山と目を合わせて不敵な笑みを浮かべながら、“Masterbation”のアウトロに向けて高みを昇るようなドラミングを披露。口数は少なかったものの、音楽そのものが彼らのストイックな姿勢を雄弁に語っていた。

Klan Aileen

Klan Aileen

jan and naomiが作り上げた、この日限りのドラマのような瞬間

トリを飾ったのは、4月に1stフルアルバム『Fracture』をリリースしたばかりのjan and naomi。この日は、アルバムにも参加した佐藤優介(Key)とQUATTROのメンバーとしても知られる照沼光星(Dr)を迎えたバンドセットで出演。

jan and naomi
jan and naomi

jan and naomi

黒の衣装に身を包んだ高身長の2人がステージに現れるやいなや、どよめきが起こる。しかし、そんな期待を煙に巻くように「jan and naomiです、よろしくっす」というNaomi(Gt,Vo)の飾り気のないMCを合図にライブは幕を開けた。

jan and naomi

1曲目はレイドバックしたビートと2人のウィスパーボイスのハーモニーが印象的な“TIME”。Klan Aileenのステージ後も会場に残っていた緊張と熱を解していく。3曲目に披露された“(Wouldn't It Be Nice) To Fall Asleep In The Library”のアウトロでは、YESの“Heart Of The Sunrise”の印象的なリフを含んだセッションで、これまでのムードを切り裂いた。

Jan(jan and naomi)
Jan(jan and naomi)

Naomi(jan and naomi)
Naomi(jan and naomi)

改めて「jan and naomiです、よろしく』とJan(Ba,Vo)が囁き、“CSKE”、這うような低音ボイスが印象的な“Temple of Blue”を披露。会場を危険で妖艶な、デカダンな雰囲気に包んでいく。

Naomi(jan and naomi)

Jan(jan and naomi)

「今日無料でしょ? 出演したアーティストのことを応援してあげてくれよな」というNaomiのMCのあと、Gateballersの濱野夏椰を招き入れた“若き芸術家の肖像”が最後に演奏された。Naomiはドラムの照沼の膝の上で歌ったり、Janと肩を抱き合いながら1つのマイクに向かって歌っていた。

左から:Jan(jan and naomi)、濱野夏椰(Gateballers)、Naomi(jan and naomi)

jan and naomiと濱野夏椰(Gateballers)

これから活躍を期待される「若き芸術家たち」の友情も垣間見え、ロマンティックな一夜は大団円を迎えたが、彼らの音楽にまだまだ酔いしれていたいのか、会場からは終演後もしばらくアンコールを求める拍手が鳴り止まなかった。

jan and naomiと濱野夏椰(Gateballers)

jan and naomiと濱野夏椰(Gateballers)

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イベント情報

『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume109』

2018年5月31日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
Klan Aileen
Gateballers
jan and naomi
ロザリーナ
BROTHER SUN SISTER MOON
料金:無料(2ドリンク別)

『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume110』

2018年6月30日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
ニトロデイ
SEVENTEEN AGAiN
Taiko Super Kicks
ZOMBIE-CHANG
Apollogic
料金:無料(2ドリンク別)

プロフィール

BROTHER SUN SISTER MOON(ぶらざー さん しすたー むーん)

2017年8月大阪にて結成。Gt,Vo惠翔兵(ex. Orca Shore)、Ba,Vo惠愛由、Gt下川孝悦、Dr岡田優佑の4人編成。インディペンデントとポップの橋を渡す楽曲と兄妹の混声コーラスが特長。現在、1st EP及びそのリードトラック『Numb』のミュージックビデオを制作中。

ロザリーナ

キュートなルックスとザラついた声。エッジの効いたサウンド。忘れられない声"ロザリーナ"その才能に触れた関係者・クリエイターたちが挙って絶賛。デビュー前の無名の新人にして、異例のタイアップ・大舞台でのパフォーマンスを獲得している。2016年、西野亮廣作の絵本『えんとつ町のプぺル』テーマ曲歌唱。2018年4月11日、『タラレバ流星群』でSONY MUSICよりメジャーデビューを果たす。

Gateballers(げーとぼーらーず)

2013年、Gt.Vo濱野夏椰・Ba本村琢磨を中心に東京にて結成。2014年11月に濱野が小山田壮平(AL,ex.andymori)らと共にレーベル「Sparkling Records」を設立。2015年7月にDr.久富奈良が加入し、現メンバーとなる。2016年3月に「Sparkling Records」より1stアルバム『Lemon songs』をリリース。その後、内村イタルをサポートメンバーに招き、4人編成として活動。2018年2月、「ツクモガミ」より2ndアルバム『「The all」=「Poem」』をリリース。3月から初の全国レコ発ツアーを開催。

Klan Aileen(くらん あいりーん)

2008年結成。2012年に『Astroride』にてアルバムデビュー。『Astroride』発表後に3人編成から、松山亮(Vo,Gt)、竹山隆大(Dr,Key)の2人編成へ、英語詩から日本語詩へとバンドのフォームを変える中で、ライヴ活動をほとんど行わずに沈黙。2015年からライヴ活動を再始動すると、2ピースとは思えない破壊的なサウンドとダイナミズムでシーンに復帰する。2016年に2ndアルバム『Klan Aileen』をMAGNIPHよりリリース。アルバム発売後にはCloud Nothings, Thurston Moore Bandなど国内外のアーティストのツアーに同行するなど、音源、そしてライヴ・パフォーマンスともに高い評価を得る。2018年5月23日に3rdアルバム『Milk』をリリース。

jan and naomi(やん あんど なおみ)

Jan Urila Sas とNaomiによるデュオ。2014年2月、1stシングル『A Portrait of the Artis as a Young Man/time』を「Hot Buttered Record」より7inchレコードで500枚限定リリース。10月に1st EP『jan,naomi are』を発表し、2015年3月には『サウンド&レコーディング・マガジン』のPremium Studio Live Vol.9「Crescente Shades」INO hidefumi+jan and naomiを配信リリース。2016年6月、2nd EP『Leeloo and Alexandra』を携え全国ツアー敢行。7月、『フジロックフェスティバル2016』に出演。2017年は、8月にロシア・ウラジオストック『V-ROXフェスティヴァル』、9月に『25th Sunset Live 2017』に出演。さらにアートやファッションとも親和性の高い彼らは、6月にMaison MIHARA YASUHIROの2018/SS ロンドン・コレクションでのライヴや、映画『Amy said』(村本大志監督・2017年9月30日公開)の映画音楽とエンディングテーマ"Black Milk"を担当するなど活躍の場をひろげている。2018年4月18日に待望のニュー・アルバムが「カッティングエッジ」からリリース。「狂気的に静かな音楽」という新たなミュージックスタイルを確立し、儚く切ないメロディーセンスでリスナーを虜にしている。

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