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既成概念に囚われない音楽の発信を考える。LINEのイベントレポ

LINE RECORDS
テキスト
黒田隆憲
編集:川浦慧
既成概念に囚われない音楽の発信を考える。LINEのイベントレポ

約300名が集まった、LINE RECORDSの招待制音楽イベント

LINE RECORDSが開催する、完全招待制の音楽イベント『Groovin' supported by hotel koé tokyo』が5月29日、東京・渋谷のhotel koé tokyoで開催された。

LINE RECORDSは、アジア最大のユーザー数を誇るコミュニケーションアプリ「LINE」が立ち上げた音楽レーベル。この日のイベントは、Kan Sanoによる演奏や、LINE RECORDSの事業プロデューサーである田中大輔と、音楽メディア「All Digital Music」編集長のジェイ・コウガミによるトークイベント、そして、昨年11月に行なわれた『LINEオーディション2017』で総合グランプリに輝いた、高校生3人組バンドNo titleによる新曲お披露目ライブなどが行なわれ、会場にはおよそ300名の招待客が集まった。

『Groovin' supported by hotel koé tokyo』の様子

『Groovin' supported by hotel koé tokyo』の様子

DJ moeによるオープニングの後、ステージにKan Sanoが登場。LINEの着信音をループさせ、その上に様々なコードを乗せて、響きを変化させていく“MODERN LINE(Kan Sano LINE Remix)”を披露。1曲のみの演奏だったが、どこか切なくも美しく洗練されたこの楽曲が、いつまでも耳に残った。「この曲は一度も人前で演奏したことがなかったので、今日披露できて嬉しかったです」とSano。ちなみに、音源に収録された街の雑踏は、Sano本人が渋谷交差点でフィールド録音したものだという。

Kan Sano

Kan Sano
Kan Sano

ストリーミング時代のスター不在の中、LINE RECORDSから発信できること

続いて行われたのは、田中とコウガミによるトークイベント。テーマは「今どきのアーティスト、これからのアーティスト」と、「ストリーミング時代のスターに必要なものとは?」の2つ。最初のテーマではまず田中が、「ここ数年で、アーティストのリリース展開は大きく変わってきている」と指摘。以前はレコード会社を通じてCDをリリースするのが当たり前だったが、最近はアーティスト自らがSNSを利用し、楽曲を気軽に発表できるようになったという。続けて、コウガミは次のように言う。

「ミュージシャンがSNSのアカウントを持つのはもう当然で、しかもTwitterやInstagramでリリース情報を発信するだけでなく、SoundCloudやBandcampなどの音楽共有サービスを利用して作品をファンに直接届けるなど、複数のサービスをリリースごとにどう使い分けるかがポイントになってきています。世界では、直接ファンと向き合うスタンスを大事にするアーティストが多く、そうしたファンとのコミュニケーションをとるためのSNSの使い方と、音楽を届けるための使い分けやバランスのとり方は、日本人アーティストにもより必要になってくると思います」

左から:田中大輔(LINE RECORDS事業プロデューサー)、ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長)
左から:田中大輔(LINE RECORDS事業プロデューサー)、ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長)

さらにコウガミが、米国はシカゴ出身のチャンス・ザ・ラッパーが2016年に『Coloring Book』を発表し、ストリーミング限定でのリリースによる作品としては史上初めての全米チャート入りを果たしたことや、ポスト・マローンが昨年9月に発表した“rockstar”が、週間ストリーミング再生回数の新記録を打ち立てたことを例に挙げ、そうした現象はヒップホップのみならず、他ジャンルへも伝播していることを話すと、田中はこう続けた。

「私たちLINE RECORDSも気軽に音楽を聴いてもらったり、発信したりできる場所にしたいという思いから始まっていて、『CDを出さなければ』といった既成概念にとらわれない発信の仕方を模索しています。

例えば、倉本美津留さんと主宰する童謡100周年企画『怖い童謡オーディション』や、マルコメ株式会社のイメージキャラクター・マルコメ君の『DJ MARUKOME』名義によるデビュー曲発表などもその一環です。他では絶対にやらないようなリリース展開を、これからも率先してやっていきたいですね」

田中大輔(LINE RECORDS事業プロデューサー)

2つめのテーマ「ストリーミング時代のスターに必要なもの」では、例えばレコード、CD、ダウンロードと音楽メディアが変わると、それを象徴するスターが必ず誕生していたが、日本では「ストリーミング時代のスター」がまだ不在だと、田中は言う。「ストリーミング時代のスターをLINE RECORDSから誕生させるべくアドバイスをいただけますか?」とコウガミに振ると、こう応えた。

「まず、『いい曲がある』のは大前提です。『ストリーミングであること』に縛られすぎるのはダメで、あくまでもストリーミングはツールであり手段ということを意識しつつ、アーティストや作り手側はファンや社会から何を求められているのかを作品として作り込み、その上に驚きをクリエイトすることが大切だと思います」

左から:田中大輔(LINE RECORDS事業プロデューサー)、ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長)

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イベント情報

『Groovin' supported by hotel koé tokyo』

2018年5月29日(火)
会場:hotel koé Tokyo
19:00~20:00 DJ moe (DJ time)
20:00~20:10 Kan Sano (LINE着信音を使ったリミックス披露)
20:10~20:30 LINE RECORDS 事業プロデューサー×ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長) トークショー
20:30~21:00 No title (LIVE)
21:00~22:00 DJ ダイノジ (DJ time)

リリース情報

No title
『超えて』

2018年6月25日(月)配信スタート

プロフィール

No title
No title(のーたいとる)

あんべ(Gt)、ほのか(Vo&Gt)、ポチ(ゆうと)(Piano)の三人からなる青森県三沢市出身の現役高校生バンド。2017年にLINE社が主催する『LINEオーディション2017』のバンド部門にエントリーし、ファイナリスト25組に選出。同年11月に行なわれたLINE LIVE『LINEオーディション2017 総合グランプリ発表SP!』にて総合グランプリを獲得。2018年1月23日にLINE RECORDSより「rain stops, good-bye」(におPカバー)でデビュー。楽曲プロデュースはGReeeeN等を手掛けたJIN。2018年6月25日(月)には『超えて』をリリース。『超えて』は、青森朝日放送「めざせ甲子園2018」のテーマソングに決定。また、ほのかは、ABA青森朝日放送「5代目ABA高校野球イメージガール」に就任。

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