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フレデリック、DATSら、映像×音楽でWWW Xをアート空間に

『TOKYO MUSIC ODYSSEY 2018』
テキスト
天野史彬
編集:山元翔一
フレデリック、DATSら、映像×音楽でWWW Xをアート空間に

フレデリック×INTの音楽と映像・演出の融合は、「コラボ」の次元を超えていた

トリを飾ったのは、フレデリック。コラボレーション相手は、音楽プロダクション「HIP LAND MUSIC」のクリエイティブディビジョン「INT」。

フレデリック
フレデリック

フレデリックと「INT」は、今年5月に開催された神戸ワールド記念ホールでのワンマン公演をはじめ、これまでにもいくつものフェスやツアーで数千人を前にコラボレーションしてきた間柄。しかしながら、現在の彼らの活動規模を考えると、WWW Xのようなキャパシティー1000人に満たない会場でこのコラボを観ることができるのは、とても貴重な機会だ。

ライブは“KITAKU BEATS”から“リリリピート”の流れでスタート。冒頭はバックスクリーンも照明も動きが少なく、「おや?」と思ったが、“ナイトステップ”辺りから一気に動き出した。曲のBPMと同じスピードで動きはじめ、曲の展開に応じて形が変わっていく。

文字通り「音」そのものと連動して動いていくバックスクリーンの映像。音楽を抽象的なイメージではなく、より具体的な芸術としてとらえるからこそのアプローチだ。どういった原理になっているのかはわからないが、バンドの演奏と映像の動きに一切の誤差が生まれないところもすごい。

フレデリック

前述したように「INT」の母体である「HIP LAND MUSIC」は、サカナクションなどが在籍する音楽プロダクションであり、フレデリックが籍を置く「MASH A&R」も、「HIP LAND」が運営に関わるプロダクションのひとつ。音楽を知り、音楽家を知る集団が運営するクリエイティブチームだからこそ、この音と映像の遺伝子レベルでの融合は生まれるのかもしれない。

フレデリック

その後も、レーザーなどを駆使した圧倒的な照明で魅せたかと思えば、メンバーの姿がリアルタイムでバックスクリーンに反映されるなど、「ライブ」という現象や価値観を活かした演出も披露。三原健司(Vo,Gt)いわく「いつものロックフェスとは毛色が違うから、やらないつもりでいた」というアンコールの“オドループ”まで、バンドの生み出す快楽的なビートと映像・照明が「コラボ」の域を超えた次元で融合した見事なステージングを披露した。

三原健司(フレデリック)
三原健司(フレデリック)

三原康司(フレデリック)
三原康司(フレデリック)

音楽と映像が混ざり合ったこの夜は、音楽の未来が照らされた夜でもあった

フレデリックのステージ中、三原健司は「音楽を聴くこと、ライブを観ること、演出を観ること――それぞれが違うことだと体感してください」とオーディエンスに向けて語った。たとえば誰かに自己紹介をするとき、「音楽が好きです」と言ったとする。言葉にすれば一言で済んでしまう話だが、でも実際は、その言葉の奥には重層的な「好き」の形があり、様々な種類の喜びの存在があるはずだ。

聴くのが好き、観るのが好き、体感するのが好き、行くのが好き、集めるのが好き、読むのが好き、考えるのが好き、語るのが好き、奏でるのが好き……どんな「好き」もあっていいし、様々な形の「好き」を内包できるから、音楽という文化は素晴らしい。どれだけ時代が変わっても、聴き手一人ひとりが、この「好き」の多様性に対して敏感であり、柔軟であり続けていれば、音楽の価値はきっとなくならない。音楽と映像が混ざり合ったこの夜は、確かに、音楽の未来が照らされた夜でもあった。

Erika(Luby Sparks)
Erika(Luby Sparks)

MONJOE(DATS)
MONJOE(DATS)

フレデリック
フレデリック

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イベント情報

『LANDSCAPE –SHIBUYA 2018–』

会場:東京都 Shibuya WWW X

出演:
フレデリック × INT
DATS × PAR
Luby Sparks × harune.h

『TOKYO MUSIC ODYSSEY 2018』

『TOKYO MUSIC ODYSSEY』とは、「都市と音楽の未来」をテーマに、スペースシャワ―TVが東京、渋谷から発信する音楽とカルチャーの祭典。時代を創るアーティスト、クリエイターと、この街に集まる多種多様な人々が出会い、共に未来を描く、都市型フェスティバルです。

プロフィール

Luby Sparks(るびー すぱーくす)

現役大学生の5名によって、2016年3月結成。7月、結成から3回目のライヴでThe Bilinda Butchers(US)、Manic Sheep(台湾)のダブル来日公演にDYGLと共に出演。同月、1stカセットシングル「Pop. 1979」をリリースし即完売。9月には、Yuck(UK)の広島での公演、その後も多くの海外バンドの来日公演に出演。2月、7インチ・シングル「Hateful Summer」をリリース。7月、UK|Derbyshireでのフェス「Indietracks Festival 2017」に日本のバンドとして唯一出演。9月20日、3曲入CD「Thursday」を一部店舗のみ限定で販売、10月14日、YUCKとのスプリット・カセット「Yuck / Luby Sparks」をリリース。2018年1月21日、The Pains Of Being Pure At HeartのWWWXの公演のサポート・アクトとして出演。Max Bloom(Yuck|ex.Cajun Dance Party)とロンドンで制作したデビューアルバム「Luby Sparks」が2018年1月24日に発売。2018年2月末で初代ヴォーカリストEmilyが脱退、新たにErikaが加入した新体制となっている。

DATS(だっつ)

2013年結成。2015年にデビューEP『DIVE』をリリース。2017年にRALLYE LABELに移籍し、タワーレコード限定シングル『Mobile』をリリース。高橋幸宏氏に「大好物な音。期待大」と賞賛された他、発売日に完売店が続出するなど注目を集める。続いて、砂原良徳氏をマスタリング・エンジニアに迎えたデビュー・アルバム『Application』をリリース。その直後に開催されたフジロックフェスティバルでは、メインステージであるレッドマーキーに出演。2018年2月10日に待望の新作EP『Message』をリリース。また、そのルックスからファッション・アイコンとしても注目を集め、ファッション誌やカルチャー誌でモデルを務める他、UNDERCOVERのパーティではillionやYogee New Wavesらと共に出演。更に、ヴォーカルのMONJOEは、数々のCM音楽を手がける他、向井太一やFIVE NEW OLDといったアーティストのプロデュースも手がけるなど活動のフィールドを大きく広げている。

フレデリック

三原健司(Vo, Gt)、三原康司(Ba)の双子の兄弟と、赤頭隆児(Gt)、高橋武(Dr)で編成されるロックバンド。ユーモアに富んだ歌詞と中毒性の高い楽曲が話題となる中、MASH A&Rオーディション初年度の特別賞を受賞。2016年、メジャー1stフルアルバム「フレデリズム」をリリースし、どのシーンにも属さない「オンリーワン」の楽曲とそのスタンスに注目が高まっている。

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