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フォーリミ『YON EXPO』。密着取材で紐解く新フェーズと本質

04 Limited Sazabys『YON EXPO』
テキスト・編集
矢島大地(CINRA.NET編集部)
撮影:ヤオタケシ、Viola Kam(V'z Twinkle)
フォーリミ『YON EXPO』。密着取材で紐解く新フェーズと本質

さいたまスーパーアリーナでの単独公演。でもライブだけじゃない催しだらけの1日

04 Limited Sazabys(以下、フォーリミ)が9月29日にさいたまスーパーアリーナで開催した『YON EXPO』。

『EXPO』の名が表している通り、アミューズメントスペース、写真展、タイアップしたコンテンツとのコラボブースなど、フォーリミを形成しているもの全部を一気に展覧した上でライブを行うコンセプチュアルな1日である。彼らにとって最大キャパでのライブであること以上にこの日の取材で凝視したかったのは、会場規模云々の話ではない「フォーリミのネクストステップ」がどこにあるのかだ。最新シングル『SEED』のインタビューの際、GENは「目標が、規模云々ではないところになってきた。これからは、自分たちの活動をどうカルチャーにしていけるか。だから、次に向かうべき目標が規模云々ではなくなってきた」と語ってくれたが、逆に言えば、フォーリミがどこに軸足を置いていくのかがようやく明確になっているのが今だからこそ、これまでとは違う「フォーリミを時代の中で確立すること」に対する試行錯誤が生まれているのである。

04 Limited Sazabys『SEED』を聴く(Apple Musicはこちら

写真左:YON PAVILION / 写真右:過去作のアートワークに登場したマスコットキャラクターたちも集結
写真左:YON PAVILION / 写真右:過去作のアートワークに登場したマスコットキャラクターたちも集結

1990年代から連なる英詞のメロディックパンクを鳴らしてデビューし、日本詞主体の歌へシフトすると同時に歌自体をリズムとして機能させるようになり、ソリッドさが求められてきた日本のメロディックパンクにしなやかなイマジネーションを持ち込んで定型を突き破った。それに従って2010年代のギターロックもラップミュージックもモータウンポップスも消化して幅広いジャンルへ攻め込んできたのがフォーリミだ。

しかし逆に言えば、憧れ続けたパンクのシーンから浮いた個性(GENの声質もそうだし、アナログからデジタルへとリスニング環境が変容していく様をリアルタイムで体験した年代特有のミクスチャーな音楽的趣向もそうだ)を自覚し、元々なかった自分たちの居場所を作るために音楽性も立ち位置も広げ続けたのがフォーリミだと言えるだろう。その上で、2018年にリリースした『SOIL』が過去最もアグレッシブなパンクロックを背骨にしていたことから窺えたのは、フォーリミがようやく自分たちがどこからきて何を鳴らすべきバンドなのかを提示できた「確信を持っての里帰り」だった。

04 Limited Sazabys『SOIL』を聴く(Apple Musicはこちら

04 Limited Sazabys(ふぉー りみてっど さざびーず)<br>GEN(Vo,Ba)、HIROKAZ(Gt)、RYU-TA(Gt,Cho)、KOUHEI(Dr,Cho)による4ピースロックバンド。2008年、名古屋にて結成。2015年4月に1stフルアルバム『CAVU』でメジャーデビューし、2016年にはバンド主催の野外フェス『YON FES 2016』を地元・愛知県で初開催。2018年には結成10周年を迎え、東名阪アリーナツアーを行なった。同年10月10日には3rdフルアルバム『SOIL』を発表し、2019年9月4日にシングル『SEED』を缶の形態でリリースした。9月29日にはさいたまスーパーアリーナでの単独公演『YON EXPO』を開催。
04 Limited Sazabys(ふぉー りみてっど さざびーず)
GEN(Vo,Ba)、HIROKAZ(Gt)、RYU-TA(Gt,Cho)、KOUHEI(Dr,Cho)による4ピースロックバンド。2008年、名古屋にて結成。2015年4月に1stフルアルバム『CAVU』でメジャーデビューし、2016年にはバンド主催の野外フェス『YON FES 2016』を地元・愛知県で初開催。2018年には結成10周年を迎え、東名阪アリーナツアーを行なった。同年10月10日には3rdフルアルバム『SOIL』を発表し、2019年9月4日にシングル『SEED』を缶の形態でリリースした。9月29日にはさいたまスーパーアリーナでの単独公演『YON EXPO』を開催。

Hi-STANDARDをはじめとする憧れの存在たちとも次々に競演し、『AIR JAM』にも出演、東名阪アリーナツアーも成功。そうして夢を叶え続けたからこその里帰りと集大成を同時に鳴らしたのが『SOIL』だったし、それは、アリーナツアーを経たからこそ「人と熱を交感できるライブハウスの距離感で音を鳴らすのがフォーリミだ」と宣誓する作品だったとも位置付けられる(実際にそう語ってくれた)。

それで言うと、『YON EXPO』は「ライブハウスで闘うと宣誓したバンドとしての番外編」だと言えるだろう。敢えて自分たちの立ち位置をはみ出すトライをすることで新たな目標を自分自身で確認するような1日なのだと思った。だから、1日丸ごと密着してフォーリミの本質と次へのヒントを僕も共に得たかったのだ。

朝7時34分。さいたまスーパーアリーナ周辺を歩いてみると、早朝にも関わらず驚くほどファンが多く集まっている。ライブ自体のオープンは16時半。上述した多くの催しが行われる『YON PAVILION』も10時開始なので、まだまだ時間がある。そこにいた男性に「かなり早いですね」と声をかけてみると、「6時半に来ました! なんせ、ラーメンを絶対に食べたいので!」という回答が。……ラーメン?

このラーメンとは、RYU-TA(Gt)が開発・完全監修を務めたオリジナルラーメン「麺や おがた」(おがた、はRYU-TAの苗字・小縣から)のことだ。今年4月のフォーリミ主催フェス『YON FES』で初めて出店されたが、それがこの日も用意され、メインゲート前に巨大な看板を掲げている。4月の『YON FES』では予想以上の風が吹いたこともあって寸胴(スープを温める大きな鍋)の温度が下がって客への提供が遅れ、そのラーメンを食べられなかった人が多発したことをRYU-TAが悔いていたことを思い出す。いわば、RYU-TA店長のリベンジも、4月にラーメンを食べられなかった人のリベンジも懸けられた日なのである。

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リリース情報

04 Limited Sazabys『YON EXPO』
04 Limited Sazabys
『YON EXPO』(Blu-ray)

2020年1月22日(水)発売
価格:6,380円(税込)
COXA-1186

内容:
・YON EXPO @2019.9.29 さいたまスーパーアリーナ
・DOCUMENT OF “YON EXPO”
・Special Photo Book

1. Now here, No where
2. Warp
3. Kitchen
4. Cycle
5. message
6. My HERO
7. fiction
8. Montage
9. Chicken race
10. midnight cruising
11. Galapagos
12. me?
13. swim
14. labyrinth
15. hello
16. Shine
17. Utopia
18. Alien
19. discord
20. Horizon21.Puzzle
22. Letter
23. milk
24. Feel
25. monolith

encore
26. Squall
27. Remember
28. Give me

プロフィール

04 Limited Sazabys
04 Limited Sazabys(ふぉー りみてっど さざびーず)

GEN(Vo,Ba)、HIROKAZ(Gt)、RYU-TA(Gt,Cho)、KOUHEI(Dr,Cho)による4ピースロックバンド。2008年、名古屋にて結成。2015年4月に1stフルアルバム『CAVU』でメジャーデビューし、2016年にはバンド主催の野外フェス『YON FES 2016』を地元・愛知県で初開催。2018年には結成10周年を迎え、東名阪アリーナツアーを行なった。同年10月10日には3rdフルアルバム『SOIL』を発表し、2019年9月4日にシングル『SEED』を缶の形態でリリースした。9月29日にはさいたまスーパーアリーナでの単独公演『YON EXPO』を開催。

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