レポート

小劇場エイド基金が始動。賛同人に八嶋智人、篠井英介、岩崎う大ら

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後藤美波(CINRA.NET編集部)
小劇場エイド基金が始動。賛同人に八嶋智人、篠井英介、岩崎う大ら

閉館の危機にさらされている全国の小劇場を守るため

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、閉館の危機にさらされている日本全国の小劇場を守るためのプロジェクト「小劇場エイド基金」が始動した。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府からの外出自粛要請が続くなか、2月末から要請に従って多くの小劇場が公演延期や中止の決断をしており、収入が絶たれた状態になっている。クラウドファンディングプラットフォーム・MOTION GALLERYで立ち上げられた「小劇場エイド基金」では、集まった金額から手数料などを差し引き、小劇場に均等分配するという仕組み。賛同人には八嶋智人(カムカムミニキーナ)、篠井英介、岩崎う大(劇団かもめんたる)、金子修介、水島裕、金田賢一、高橋いさを(ISAWO BOOOKSTORE)らが名を連ねる。MOTION GALLERYのページでは八嶋ら賛同人や発起人のメッセージも掲載されている。

「演劇の火を絶対に消したくない」。300席以下の小劇場を対象に、100万円の分配を行なうことを目指す

本日5月1日にDOMMUNEで記者会見が開催。司会を演出家の黒澤世莉が務め、本プロジェクトでは、300席以下の小劇場を対象に6月まで支援すること、目標金額を4,000万円に設定し、1劇場100万円の分配を目指すことなどが説明された。発足時点で全国38の劇場が支援先として参加している。

発起人の一人であるステージチャンネルの仲俊光は、現在の状況下で様々な劇団や俳優がオンライン配信などを行なっていることについて「そのたくましい姿に励まされるし、今できる範囲で表現していることは本当に素晴らしいと思う」と述べたうえで、「一方、劇場は自粛した状態でマネタイズしていくことは容易ではない」「コロナ禍が収束して劇団が公演に向けて動き出せるようになった時に、劇場が閉じているという状態になってはならない」と「小劇場エイド基金」の立ち上げにかけた思いを明かした。

また同じく発起人であるサンモールスタジオ代表の佐山泰三は「今はまったく収入ゼロの状態」と劇場主としての窮状を話し、「芝居好きが高じて劇場主をやっているが、演劇の火を絶対に消したくないんです」と述べた。

当面の予約が全てキャンセルや延期に。各地の劇場主らが語る

さらに支援先の劇場を代表して、那須佐代子(東京・シアター風姿花伝)、斎藤ちず(北海道・生活支援型文化施設コンカリーニョ)、工藤雅弘(岩手・いわてアートサポートセンター風のスタジオ)、蔭山ひさ枝(静岡・人宿町やどりぎ座)、橋本匡市(大阪・ウイングフィールド)が登場し、各劇場の置かれている苦しい状況を説明。4月から夏頃までの利用予約が全てキャンセルや延期となるなど、いずれの劇場も経済的に大きな打撃を受けている現状が改めて浮き彫りになった。

また賛同人を代表して会見に参加した日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)は、「多くの劇場があるが、その一つ一つに個性がある。僕も劇団を立ち上げてからいろんな劇場にお世話になってきて、思い出深い劇場がたくさんある。それを残していきたい。このままいけば7月くらいまでは動きがとれない状況になりかねないが、まずは使っている我々、業界にいる我々が声を上げるべきなのではないかと思っている」

「大きい劇場にはないものが小劇場にはある。300席以下の劇場では本気を出せば本気の闇、本気の太陽が作れるんです。大きな劇場ではダイナミックな演出もできるが色んな制約もある。小劇場は自由な空間で自由なことができる。それはとてもありがたいことなんです。そしてお客さんはそれを目の前で体験できる。これは小劇場に足を運んでいただかないと体験できないことです」と小劇場ならではの魅力を語った。

同じく劇団の立場から賛同人として参加した冨坂友(アガリスクテンターテイメント)は、「劇場に行って客席に座って、演劇を観るしかない環境じゃないと楽しめない演劇体験というものがあると思う。そういうもののためにも劇場という空間がなくなってほしくない」「少額でもいいし情報を拡散するだけでも結構ですので、小劇場を応援しているというアクションを示していただけたら」と呼びかけた。

「小劇場エイド基金」では6月5日まで支援を募集。支援金額に応じたリターンには、小劇場を使って公演を行なう権利や、ステージチャンネルの有料会員資格などが用意されている。

「ミニシアター・エイド基金」「ブックストア・エイド基金」も

なお映画監督の深田晃司と濱口竜介が発起人となって、同じくMOTION GALLERYで立ち上げられた、日本全国のミニシアターを守るためのプロジェクト「ミニシアター・エイド基金」ではプロジェクト開始3日にして目標額の1億円の支援を達成。4月28日には総額2億円を突破した。5月14日まで引き続き支援を受け付けている。

ミニシアター・エイド基金ビジュアル
ミニシアター・エイド基金ビジュアル(詳細はこちらから)
4月30日には全国の書店・古書店を支援するためのプロジェクト「ブックストア・エイド基金」もMOTION GALLERYでスタート。阿久津隆、内沼晋太郎、大高健志(MOTION GALLERY代表)、武田俊、花田菜々子らを中心とした有志によって発足した。こちちは6,000万円を目標金額とし、5月29日まで支援を募集中だ。

ブックストア・エイド基金ビジュアル
ブックストア・エイド基金ビジュアル(詳細はこちらから)

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