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今は映像業界を目指すチャンス。3人の監督が語ったリアルな現場話

TMS東京映画映像学校
テキスト・編集
タナカヒロシ
撮影:伊藤弘典
今は映像業界を目指すチャンス。3人の監督が語ったリアルな現場話

リモート編集、リモートオーディション、リモート撮影――コロナ禍の制作現場

「これからの映画・映像制作はどうなっていくのか」という質問では、現在のコロナ禍におけるリアルな現場の様子が語られた。

古厩は編集スタジオにスタッフが集まれなくなってしまったために、ZoomとYouTubeを活用して、リモートで編集作業を進めたそうだ。編集自体は「けっこうできちゃった」ということで、MA(音の調整や音楽・ナレーションなどを加える作業)もリモートで挑戦してみたものの、こちらは各自の音環境が違いすぎたため断念。しかし、リモートでの編集作業は「面白い経験でした」と前向きに捉えているようだった。

榊原はZoomを使って子役のオーディションを行なったそうで、やる前は「そんなんじゃわかんないよ」と思っていたものの、やってみたら意外と問題なくできたとのこと。ただし、人前では緊張してしまうが、パソコンの前なら緊張しないタイプの子もいて、そこを見抜くことは困難だったと課題もあったそうだ。対面でオーディションできることに越したことはないが、「事情によっては今後もありかな」と、こちらもリモートの活用を前向きに捉えていた。

ササハラが企画で携わった広告では、キャストに機材を送付して、自分で撮影してもらったそうだ。その背景として、「いまは視聴者が自撮りの映像を見ることに慣れているから違和感はない」という認識があり、たまたま広告のターゲットも若い世代だったため、むしろいい方向に働いたのではないかと分析。ただし、「これが映画の制作だったら、きっと頭を悩ませていたと思う」と、今後に対する不安も口にしていた。

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短尺化が進む映像業界。映画館の「『いるしかない』というのは映画にとっては大事なこと」(古厩)

コロナ禍における現在の話をしたあとは、「10年後、自分はどうなっていると思うか?」という未来に関する質問へ。榊原は「去年くらいから海外を意識していきたいと思うようになった」、ササハラは「Netflixオリジナルを撮ってみたい」と目標を語った一方で、年長の古厩は「2人にとっては夢のある話だけど、自分は考えるのも怖い。いまの繰り返しがそのまま続いてほしい」と困惑の表情を浮かべる。

実際、ここ数年は配信系を中心に、短尺の映像が求められるように変化しているそうで、ササハラによると「学生は10秒ですら見られない人もいる」とのこと。この話を受けて古厩も、2017年にテレビ東京で放送され、Amazonプライムで先行配信された『銀と金』で監督した際に、「短尺というか、バッと盛り上がって、ズバッと終わる」内容が求められたそうで、「最初はこれでいいのかな?」と疑問を抱えつつも、非常に視聴成績がよかったという自身の体験を語っていた。

『銀と金』特報動画

その短尺化が進むなかでも、特に重要とされているのが最初の数秒。最近は1分尺の映像を作る仕事が多いというササハラは、「最初の1秒をどうするかの会議がある」という驚きの話を披露。榊原も最近作った広告のショートムービーでは、「最初の5~10秒が勝負だから」と言われたそうだ。

榊原は「映画とか自分が好きにやっていい作品のときに、それを持ち込むかは別」とは話していたが、ササハラは映画の世界でもオープニングの作り方が変わってきていると感じているとのこと。その例として、『ジョジョ・ラビット』や『ベイビー・ドライバー』といった近年の洋画に言及し、「掴みを作っているんだと思いました」と自身の見解を述べていた。

『ジョジョ・ラビット』予告編

『ベイビー・ドライバー』予告編

これに対して古厩は、映画館は先にお金を払うため基本的に最後まで見てもらえるという特徴に触れ、「『いるしかない』というのは映画にとっては大事なこと」と発言。ササハラも仕事では短尺の映像を作っているものの、「映画館に行くと気持ちいい」と、改めて映画の魅力を語っていた。

撮影や配信はTMS東京映画映像学校の生徒たちによって行なわれた
撮影や配信はTMS東京映画映像学校の生徒たちによって行なわれた
撮影や配信はTMS東京映画映像学校の生徒たちによって行なわれた(オフィシャルサイトはこちら
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学校情報

TMS 東京映画映像学校
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番組情報

『これからの時代の映像業界の働き方~次世代映画監督に聞いてみた~』
『これからの時代の映像業界の働き方~次世代映画監督に聞いてみた~』

2020年9月12日(土)19:00~21:00
料金:無料

プロフィール

古厩智之(ふるまや ともゆき)

1968年11月14日生まれ、長野県出身。日本大学在学中に撮影した『灼熱のドッジボール』が、1992年のぴあフィルムフェスティバルでグランプリを受賞。スカラシップを獲得して制作された『この窓は君のもの』で長編デビューを果たし、第35回日本映画監督協会新人賞を史上最年少で受賞。以降、『ロボコン』、『ホームレス中学生』、『武士道シックスティーン』など数多くの映画、テレビドラマなどで監督を務める。2020年7月には最新作『のぼる小寺さん』が公開。

榊原有佑(さかきばら ゆうすけ)

1986年6月30日生まれ、愛知県出身。理学療法士として三重大学附属病院に勤務後、映像制作を志して上京。UTB映像アカデミーで映像制作を学び、制作会社を経て独立。2012年より映画制作会社and picturesに所属し、2013年に短編『平穏な日々、奇蹟の陽』で初監督を務める。2016年にJリーグ・FC東京のドキュメンタリー映画『BAILE TOKYO』で長編デビュー。2018年には原案・監督・脚本・編集を務めた『栞』が北京国際映画祭に正式出品、KINOTAYO現代日本映画祭でイデム最優秀映像賞を受賞。2019年には短編『島のシーグラス』がShort Short Film Festival & Asia 2019で「ひかりTVアワード」を受賞。

ササハラハヤト(ささはら はやと)

1992年1月2日生まれ、熊本県出身。高校生の頃から自主映画を制作。テレビドラマ制作、CM制作、映画祭運営を経て2017年に独立し、映画監督・動画クリエイターとして活躍。2018年、故郷である熊本県芦北町を舞台とした映画『ふたりの空』を監督。地元企業や個人の協賛を得て、町全体を巻き込むプロジェクト「新時代の映画作り」を発足させ、ロケ地を生配信で決定したり、地元高校生と協力して映画ボランティアチームを立ち上げたりするなど、映画を通した地域活性や交流を実現する。第5回新人監督映画祭に入選。

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