レビュー

オーバーグラウンドとアンダーグラウンドを往復するコラージュグラフィックアーティスト

杉浦太一
オーバーグラウンドとアンダーグラウンドを往復するコラージュグラフィックアーティスト

パっと見て、かっこいい。この「かっこよさ」を支える色彩とコラージュ。これは悲しいかな、凡人には真似できない「センス」という曖昧な言葉で片付けるしか仕方がない。彼女が操るビビットな色彩と、不規則なコラージュは、artlessやADAPTERよろしく、日本発の世界的に評価されている第一線のグラフィックデザインに位置している。

ただ、彼女の作品は「かっこいい」だけで素通りされない。第一線の手法やセンスを持ちながらも、西洋のどこか古めかしい人や風景をモチーフにすることで、「あれ、かっこいいけど、これ何だ?」という「異質さ」を見るものに感じさせるのだ。

当然、これらの西洋のモチーフは日本発ではない。グラフィックデザイン自体だって、欧米発の文化だ。でも、彼女の作品は、ノスタルジックな浮世絵なんかより、ずっと今の日本を感じさせる。「ものづくり日本」は欧米発の文化や技術をアレンジすることで育まれてきた、なんていう使い古された言い回しは御免被りたいが、カルチャーをミックスすることで、彼女の作品は、他にどこにもない輝きと驚きを見る者に与える。

※このコンテンツは旧「ピックアップアーティスト」の掲載情報を移設したものです

プロフィール

石井利佳

東京都出身/静岡県在住。フリーランスのコラージュグラフィックアーティスト、WEBデザイナー、音楽レーベル「Phaseworks」クルー、静岡産アート集団「脳内アスリート」企画・運営など幾つかのバックドアを持ちオーバーグラウンドとアンダーグラウンドを往復する日々を過ごす。常に音楽が傍にあり、心の琴線に触れる音ならば全て食し、Photoshopを通して心象風景にアウトプットすることをライフワークとする。

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