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MGMT、完全復活。5年ぶりの新作は、ポップとアートの理想形

MGMT『Little Dark Age』
テキスト
金子厚武
編集:山元翔一
2018/02/15
MGMT、完全復活。5年ぶりの新作は、ポップとアートの理想形

サイケポップのアンセムを生んだデビュー作から早10年

MGMTが実に5年ぶりとなる新作『Little Dark Age』を発表した。“Kids”や“Time to Pretend”といったアンセムを生み、デビュー作にして彼らを一躍シーンの寵児へと押し上げた『Oracular Spectacular』(2007年)から早10年。アンドリュー・ヴァンウィンガーデンとベン・ゴールドワッサーはAnimal CollectiveやVampire Weekendらとともに、ニューヨーク・ブルックリンを中心とするインディー / アートポップブームを牽引し、『第52回グラミー賞』の「最優秀新人賞」にもノミネート。その余波はここ日本にも及び、Czecho No Republicのようなバンドに大きな影響を与えている。

MGMT(左から:ベン・ゴールドワッサー、アンドリュー・ヴァンウィンガーデン)
MGMT(左から:ベン・ゴールドワッサー、アンドリュー・ヴァンウィンガーデン)

『Oracular Spectacular』収録曲。同曲で『第52回グラミー賞』の「最優秀ポップパフォーマンス賞デュオ/グループ」にもノミネート

1stアルバムで成功を手にした二人は、ファッションアイコンとしても知られるようになり、“Time to Pretend”で揶揄してみせた架空のロックスター像に自ら近づくこととなる。しかし、もともと彼らはThe Flaming Lipsやof Montrealといったインディーバンドをリスペクトし、アレハンドロ・ホドロフスキー監督のカルト映画『ホーリー・マウンテン』(1973年)をインスピレーション源に挙げるアート気質の持ち主。その後の歩みを見ればわかるように、彼らは決して商業主義に走ることはなかった。

『Oracular Spectacular』収録曲

2ndアルバム『Congratulations』(2010年)は、カルト的な人気を誇るSonic Boom(ex.Spacemen 3)をプロデューサーに迎えて制作。そんな作品が全米2位、全英4位とチャート上での成功を勝ち取ったのは異例のことだったと言える。3rdアルバム『MGMT』(2013年)ではさらに前衛性を強めたが、このサイケの彼岸に到達したような作品にセルフタイトルを冠したのも、「アンチコマーシャリズム」の明確なステートメントだったと捉えることができるだろう。

『Congratulations』収録曲

『MGMT』収録曲

5年ぶりの新作は、アリエル・ピンクら参加の「ポップ回帰作」

その後は一時活動を休止するも、昨年活動を再開。この度無事に到着した復活作は、多くの人が望んでいたであろう「ポップ回帰作」だ。長年に渡って共同作業を続けてきたデイヴ・フリッドマンが今回も参加し、奇妙なサウンドテクスチャーが散りばめられていることに変わりはないが、「Beats 1」(24時間ライブでオンエアしているApple Musicのラジオステーション)で初オンエアされたゴス風味のタイトルトラック“Little Dark Age”をはじめ、1980年代感たっぷりのポップな楽曲が並ぶ。

『Little Dark Age』収録曲

その背景としては、制作環境の変化が大きく関係している模様。ベンがLAへと移り住んだことにより、今回の制作はファイル交換を軸に進められ、曲が固まってきたらセッションを行なうという流れだったそうだ。結成当初のスタイルが宅録デュオだったことを思い返せば、この作業が二人のリフレッシュにつながり、より開かれたポップな作風に向かったと想像できる。

また、本作には同じブルックリンのシーンに属していたパトリック・ウィンバリー(ex.Chairlift)がプロデューサーとして全面的に参加。彼の提案によりコラボレーターも数人参加し、アリエル・ピンクやコナン・モカシン(Soft Hair)といった名前がクレジットに並んでいる。この人選からしても、彼らのアート気質なセンスがよく表れていると言えよう。

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リリース情報

MGMT『Little Dark Age』
MGMT
『Little Dark Age』(CD)

2018年2月14日(水)発売
価格:2,376円(税込)
SICP-5612

1. She Works Out Too Much
2. Little Dark Age
3. When You Die
4. Me And Michael
5. TSLMP
6. James
7. Days That Got Away
8. One Thing Left To Try
9. When You're Small
10. Hand It Over

プロフィール

MGMT
MGMT(えむじーえむてぃー)

NYブルックリンを拠点とする、元アート学生のアンドリュー・ヴァンウィンガーデンとベン・ゴールドワッサーを中心とするポップデュオ。2008年に、発表当初から高い評価を得ていたシングル“Time To Pretend”“Kids”などを収録したデビューアルバム『Oracular Spectacular』で人気が爆発。続く2010年には2ndアルバム『Congratulations』では全米2位 / 全英4位に輝き、2013年には3作目で初のセルフタイトル作『MGMT』をリリース。これまでに米『グラミー賞』「最優秀新人賞」(2010年)や英『ブリット・アワード』「最優秀インターナショナル・バンド」「最優秀インターナショナル・アルバム」(2009年/『Oracular Spectacular』)部門などでのノミネート、英『NMEアワード』「最優秀アルバム」(『Oracular Spectacular』)などの授賞歴も誇る。また、音楽だけなく、Gucciの2009年春夏のメンズコレクションでMGMTにインスピレーションを受けたコレクションが発表され、コンバース100周年キャンペーンモデルや仏ファッションブランド「プチバトー」のイメージ・キャラクターに選出されるなど、ファッション界からも高い注目を集め続けてきた。2015年から活動休止に入っていたが、2017に活動を本格的に再開。2018年2月、約5年ぶりとなる通算4作目のニューアルバム『Little Dark Age』をリリースした。『FUJI ROCK FESTIVAL '18』にも出演決定。

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