今週の編集部まとめ
毎週火曜日更新 2016年9月26日- BACKNUMBER
編集部員の、ちょっとひとこと
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Anderson .Paak初来日公演@WWW X
今月渋谷にオープンしたWWW Xのオープン企画が豪華で素晴らしいのですが、ようやく遊びに行けました。今年1月に「今週のイチオシ!」コーナーでも紹介したAnderson .Paak(アンダーソン・パック)の初来日公演。よくぞ呼んでくれた! と思った人も多かったはずで、チケットもすぐに売れ切れたそう。そんなわけで、ライブスタート時からお客さんのテンションが非常に高く、パックも乗せられてすごく楽しそう。歌もラップも演奏も自在にこなすので、クレバーな音楽家っぽい人なのかなと思っていたら、すごくやんちゃないいお兄ちゃんで最高でした(笑)。そしてオープンしたてのWWW X、早くもいい音出ていました。音がいいとホント、ライブを見る楽しみが増しますね。
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旅で好きになったいろいろなこと
週末は、YCAM(山口情報芸術センター)にお呼ばれいただき、爆音上映の設備で映画『バンコクナイツ』を観てきました。爆音上映といえば、今はなき吉祥寺のバウスシアターが思い出されますが、YCAMのプロジェクトも同じくboid樋口さんが関わり、舞台の上にも下にもスピーカーをしこむという圧倒的こだわりっぷり。翌日は秋芳洞やカルスト大地という、小学校の教科書で見たきりの景色で時を超えたり、唐戸市場でとれとれののどぐろや本まぐろに身体がとろけたり。流れる空気は始終やわらかく、好きな街が増えたのでした。
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唯一無二ってこういうこと
人や物、感情までもがものすごい速さで行き交う東京では、個人的に、音楽を聴くことすら億劫になる瞬間もあるのですが、週末はWWW Xのオープニングシリーズに足を運んで心地よくぶっ飛ばされてきた。観たのはOGRE YOU ASSHOLE。その日は、「クアドロフォニックサウンドシステム」という、下手前方、上手前方、上手後方、下手後方に設置されたスピーカーから音が降り注ぐという特殊な音響システムを導入した特別な公演。序盤から11月にリリースされるアルバム『ハンドルを放す前に』の収録曲が惜しげもなく披露され、新作への期待は煽られまくり、中盤以降は定番曲からレア曲まで入り乱れ、終始音の渦に呑まれた2時間だった。そもそも、OGRE YOU ASSHOLEというバンドを一言で語るのはとても難しいのですが、なんだか彼らの音楽は「現象」のようだなと思った一日でした。主義主張を押しつけるのでもなく、何か特定の感情を喚起させるわけでもない。最初からそこにあってただ巻き起る何か…のような。本当に替えのきかないバンドだと思う。(photo by 山川哲矢)