今週の編集部まとめ

毎週火曜日更新 2016年10月11日
BACKNUMBER

編集部員の、ちょっとひとこと

  • 柏井万作
    柏井万作

    ミスチルはやっぱり素晴らしかった

    『Mr.Children Hall Tour 2016 虹』@武道館を観てきたのですが、予想以上に素晴らしくて感動しました。今回のツアー、タイトルにある通り「ホール」でのライブを意識したものになっていて(とはいえ東京公演が武道館だったのはご愛嬌ということで 笑)、スタジアムで観るミスチルとは全然違う、もっと近くて、親しみやすい感じ。お客さんも含めてみんなで合唱して一体になるというより、音楽を大切にしながら、丁寧にお客さんのもとに音と言葉を届けるようなライブでした。ミスチルって、24年間も続いてる「バンド」で、それだけでも稀有な存在。長く時間を共にした者たちでしか鳴らしえない、円熟味たっぷりな合奏を堪能させていただきました。またこういうライブを観たい。

  • 野村由芽
    野村由芽

    わかりやすさとは、すぐわかることではなくて

    旅をすると、解放感に絶叫したくなる。まあそうオーバーに言わなくても、身も心も軽くなる感覚。知らない街を歩くことは、自分のなかにある境界のこちら側とあちら側とひょいっと行き来することで、その越境行為が、この気楽さにつながっているんではないかと思うのです。さて、芸術祭ラッシュの今年、弥次さん喜多さんのごとく、えいやほいさと各地に足を運んでいるわけですが、週末行ってきた『岡山芸術交流』は異色。まず、出品者のハードコアさに目を向けてほしい。『ヴェネツィア・ビエンナーレ』などにも参加するライアン・ガンダー。エスパス ルイ・ヴィトン東京でも展示中のピエール・ユイグなど、アートファンにとっては、拳を上げて「大好きだー!」って感じのラインナップではあるものの、そもそも駅前広告の出品者の名前がぜんぶ英語だし、概要を説明する余計なテキストもないし、かつてのローリングストーン誌の表紙かな……? ってぐらいの尖りっぷりなのです。しかし実際にぐるっと作品を観てまわってみると、これがすごくよかったんですよね。いずれも「コンセプチュアルアート」なので、もちろん頭を働かせる部分はあるのですが、たとえばユイグの本物の蜂を使った作品や、ジョーン・ジョナスのメランコリックなパフォーマンス映像なんかは、フィクションのイメージの強度を信じる力が胸のなかに戻ってくるようなすてきさで、そこから、日常では考えもしないような思考を呼び覚まされるのです。わたしのなかに、こんなことを想像する力が残っていたんだというぐらいに。「わかりやすさ」とは「すぐわかる」ことではない。「わかる」ことは「わからない」ことから出発し、その間を往復運動すること。その往復運動を活発にすることが、「わかりやすさ」であると言ったのは、デザイナーの寄藤文平だっただろうか。自分が開発される特別な知的体験、ぜひその身で。

  • 飯嶋藍子
    飯嶋藍子

    また富士山のふもとで

    『朝霧JAM』に参加してきました。初日はあいにくの天気でしたが、Floating PointsやTodd Terje & The Olsens、CONGO NATTYら海外勢の凄まじい熱量のステージに加え、ふもとっぱらをその世界観ひとつに包み込んだクラムボン、エモーションを爆発させたあらかじめ決められた恋人たちへ、霧をはらすように爽快なnever young beach、多幸感が噴出したceroなど、本当に素晴らしいライブばかりでした。THE SKATALITESと赤富士の組み合わせは超圧巻! また来年もここで踊り狂いたいと願わんばかりでした。

  • 宮原朋之
    宮原朋之

    それでもこのまま生活し続ける、ということ

    週末を利用して観てきたのは、震災とそれ以降の東京を舞台にした小田尚稔の演劇『是でいいのだ』。普段の何気ない生活は「あの時あの場所であんなことをしたなあ」っていうかけがえのない記憶として積み重なっていく。本作の日常的な断片を観ていると「ああ、もうそれだけで充分なんだ」と気づかされる。今ここで生活し続けることを全肯定してくれるような、とても暖かく力強い作品だった。

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Homecomings“Blue Hour”

微妙な関係、微妙な距離を前に、言わずに飲み込んだ言葉、あるいは取ってつけたような言葉……夜の終わりと始まりの深い青にはそんな言葉が無数に浮かんでは消える。<まだ夜は冷えるから 僕らは子供のまま>という奥ゆかしくもみずみずしいラインに、<僕らお互い弱虫すぎて 踏み込めないまま朝を迎える>なんて一節を思い出したりしました。(山元)

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