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佐藤直樹インタビュー
アジールで様々な雑誌や広告を作り出す一方で、閑散とする都心の東側でギャラリーやライブを多発的に行なうプロジェクト『CENTRAL EAST TOKYO(以下、CET)』のプロデューサーでもある佐藤直樹氏。現在森美術館で開催中の『六本木クロッシング2007』にキュレーターとしても参加している。11月23日から12月2日まで開催される『CET07』のお話しを中心に、デザイナーであることを軽々と飛び越える佐藤直樹というパーソナリティに迫った。
(インタビュー&テキスト:杉浦太一 撮影:井手聡太)
1961年東京生まれ。 1994年に『WIRED 日本版』のアートディレクターとして創刊から参加し、1998年にアジール・デザインを設立。その後、数多くの雑誌、広告を手掛ける。2003年からは『CENTRAL EAST TOKYO』のプロデューサーとしても活躍中。
アジール
CENTRAL EAST TOKYO
六本木クロッシング2007
「ここで何かできるんじゃない?」っていう臭いが、やっぱりまだこの地域にはするんです
─CETを一言で表すと、どんなプロジェクトなんでしょうか?
佐藤:CETは2003年から始まっているんで今年でもう5年目になります。その間にも状況が色々と変わってきていて、今では一口に説明するのがすごく難しい、と言うかもう説明するのをあきらめちゃいました(笑)。そもそもはイデーの黒崎さんが始めた東京デザイナーズブロックから派生したプロジェクトなんですけど、当初はここ、つまり東京の中心の東側には経済的な凹みがあったんですよ。
空きビルも多かったし、不良債権化したその物件をきれいにして利回りを良くするためのお金もない。東京駅からだってすぐというくらいの立地条件なのに、この地域は経済的におかしな状態だったわけですね。そこでぼくたちがデザインやアートや建築の力を使って、この地域の価値を高めていこうじゃないかっていう動き、これがCETの始まりだったんです。空きビルが交渉次第でギャラリーやライブ会場にできたり、自分たちの見立てでリノベーションしたりできてしまうわけですから、それはもう楽しいわけですよ。

─ぼくは今でもCETにそういう印象を抱いているんですが、そこから変化があったんですか?
佐藤:表通りを歩いてみればわかると思うんですが、最近になってこの辺にも利回りの良いマンションができて、そこにお金を持っている人たちが入ってきて、っていう流れが生まれ始めたんですよ。現地の問屋街の人たちは「インディアンの土地に白人が押しかけてきたようなもんだ」って言ってますが、それくらいこの5年で変化してきているんですね。
もちろん、この動きはデザインの力によるものではないんだけど、当初の「この地域の価値を高めていく」っていうのは、別の方法で達成されてしまったわけです。それでもCETは続いているんですよね。だから、やってる方にとっても不思議な存在なんですよ、CETって(笑)。
─でも、むしろそういった経済的な問題解決っていうところ以外に、CETのバイタリティーを見いだしている人は多いと思います。
佐藤:例えば「地域再生」とか、「文化を興していこう!」っていうような社会的な考えは少なくともぼくには全くないです。そうではなくて、街に隙間が空いていたり、良いんだか悪いんだか分からないまま放っとかれているっていう、そういう状態にすごく魅力を感じているんです。色々試してみる余地があるんですよね。
これが例えば青山とか六本木のような場所だと、合理性がないと存在し得ないじゃないですか。クラブやライブハウスにしたって、どんな客層が来て、どれくらい収益が上がってっていう計画無しには絶対に建てられない。もちろん、そういうことを否定しているわけじゃないんだけど、夜になるとすぐ真っ暗になっちゃう問屋街を歩いていると、「ここで何かできるんじゃない?」っていう臭いが、やっぱりまだこの地域にはするんですよ。
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