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54-71インタビュー with 小林英樹(contrarede)

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54-71インタビュー with 小林英樹(contrarede)

54-71インタビュー with 小林英樹(contrarede)をdel.icio.usに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加 54-71インタビュー with 小林英樹(contrarede)をlivedoorクリップに追加 54-71インタビュー with 小林英樹(contrarede)をlivedoorクリップに追加 (2008/09/09)

5年という余りにも長い沈黙に終止符を打ち、遂に新作『I'm not fine,thank you.And you?』をリリースする54-71。ギターリスト脱退劇の後、約3年間ボーカルレスのインストバンドとして活動し、最終的には新しいギターリストを迎え元の編成での新作レコーディング。ちょっとした回り道にも思えるこの5年について、シリアスな話しになるかと思いきや、リーダーこと川口賢太郎氏の口からは意外な発言が! 個人経営の名レコードショップ「some of us」を閉店後、54-71と共に音楽レーベルcontrarede(コントラリード)を設立した小林英樹氏にも加わって頂き、54-71とcontraredeの展望を伺った。

(インタビュー:柏井万作 撮影:柏木ゆか)

PROFILE

1995年結成。独自のパンク・ロックを構築し、battlesや向井秀徳(NUMBERGIRL活動当時)を含む国内外の音楽人を魅了。J-POPとはかけ離れたサウンドながらメジャーレーベルと契約するなど、孤高の存在へと昇りつめる。2004年にギターリストが脱退した後、3人編成のインストバンドとして活動。2007年に高田拓哉がギターリストとして加入してすぐ、シカゴへと飛び巨匠スティーヴ・アルビニのもとで新作『I'm not fine,thank you.And you?』をレコーディング。自身を中心とするレーベル「contrarede」を設立し今作のリリースに至る。
54-71
MySpace 54-71
contrarede
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「神様」っていうのが、人間の一番の発明でも
突き詰めて考えてみたら、笑えたんです

─5年ぶりとなる待望の新作『I'm not fine,thank you.And you?』、随分と不機嫌そうなタイトルですよね。やはり鬱憤が溜まっていたのでしょうか?

リーダー:いや、全然不機嫌じゃなかったですよ。むしろこんな健全な時期は他にないくらいでした。「I'm not fine」にしたのは完全にユーモアですよ。海外ツアーに行ったり向こうのバンドを呼んだりした時に外人と挨拶するじゃないですか、「how are you?」って。おれは本当に天邪鬼だから、「I'm not fine」って言っちゃうんです。でもそうすると、みんな笑ってくれるんですよ。

─じゃあこの5年間は特にキツい時期ではなかったと?

リーダー:決められて何かをやる必要もなかったし、全然苦しい時期ではなかったですね。美談にすることもできる期間だけど、実際楽しかったから。

小林:自転車ばかり乗ってたもんね。

─そうなんですか?

54-71インタビュー with 小林英樹(contrarede)

リーダー:「カルマ落し」って呼んでたんですけど、ふと遠くに行きたくなるとそのまま自転車で行ってみたり。特に意味なんてなくて、完全にウケ狙いのネタみたいなもんですよ。遠くまで行って誰かに電話して、「今●●にいるんだよね〜」っていうとウケるじゃないですか。

─めちゃくちゃ自由人ですね(笑)。この5年間、宗教の経典を読み漁っていたという噂も耳にしましたが…?

リーダー:音楽のことを知りたいと思っていたんですけど、そもそも人間について知らないと音楽なんて分かるわけ無いと思って、世界中の宗教の経典を読み出したんです。それから、人間のことが余計に分からなくなりました。でもまあ、経典は面白かったですけどね。音楽よりクリエイティブでした。

─クリエイティブ、ですか?

リーダー:クリエイティブですよ。キリスト教とかイスラム教では、右の頬をはたかれたら左の頬を出しなさいと教えられているわけだけど、普通は出したくないじゃないですか?

─痛いのは嫌ですね。

リーダー:ところがよくよく聖書を読んでみると、頬を出しなさいと言ったキリスト自身が別のところでは大暴れしてるんですよ。でも、キリストのそういう矛盾は誰も指摘しないで、ピースフルな部分だけを取り上げている。それって何かおかしいじゃないですか。そう思って経典を読んでたら、だんだん宗教のあら探しになってしまって。結局は宗教も人間が作ったものだということがよく分りましたね。

─なるほど。確かに宗教だって誰かしらが作ったものですもんね。

リーダー:そうそう。だからなぜ宗教に走ったかというか、いや、宗教の調査に走ったかというと、「神様」っていうのが人間の一番の発明だと思ったんですよね。まあ音楽も人間の発明ですけど、突き詰めて考えてみたら、最終的にどっちも笑えたんですよ。神様も音楽も。

─なんで笑えたんですか?

リーダー:神様って何をやっても許されるじゃないですか。特に旧約聖書の神様なんてジャイアンみたいなもんですから(笑)。でも音楽も似たようなもので、よく「音楽の神様」がいてどうのこうのみたいな話にもなる。それがすごく不思議で、何も無いのに何でそこまで真剣になれるんだ?って考えたら、ものすごく笑えたんですよ。

たとえば音楽関係の方と話していると、みんな知識もあるからまことしやかに音楽論を語るわけですけど、とにかく面白い話をする人がいない。考えてみると結局、音楽も人間が作っているわけだから、作っている人間を無視して音楽の話だけしても面白いはずがないんですよ。それはただの絵空事を話してるわけだから。音楽が勝手にできるわけじゃなくて、人間が音楽をやろうと思って初めて音楽ができる。だから「人間」の方が重要だし、「所詮は音楽」とも思えるようになりましたね。


54-71インタビュー with 小林英樹(contrarede)

もともと自由だったはずなのに、
いつの間にか自分で枠を作ってしまっていた

─じゃあこの5年間で、音楽の価値がいい意味でフラットになりました?

リーダー:ああ、そうですね。完璧に。でも、だからといって自分たちの音楽性に何か反映されたわけではないです。ただ、音楽に接するのが楽になりましたね。

─それまでは苦しかったんですか?

リーダー:なんだかわからないけど、追い詰められている感じはありましたね。54-71を始めて軌道にも乗ったから、まじめにやんなきゃいけないと思ってストイックぶっていたんだけど、そうじゃねえなって思ったんですよ。

─それは54-71にとって随分大きな変化ではないですか? 54-71といえばまさに「ストイック命」だと思っていましたし、あのタイトなリズムなんてストイックの真骨頂ですよね。

リーダー:ああ、もうダメっすね。疲れちゃった。メンバー自身がそういう頭になってるから、曲を作ってても「いやうちのバンドとしてはさ〜」なんて話になるんですけど、「なんだよそれ?」って思うようになりましたね。

─いい意味でこだわりがなくなった?

リーダー:そうですね。もともと自由だったはずなのに、いつの間にか自分で枠を作ってしまっていた。「所詮は音楽」と思えたことで、その辺は本当に自由になりました。

2/3ページ:音楽の作り方を茶化した歌詞を書いた理由とは?

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特集vol.38

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