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『うれしくって抱きあうよ』YUKIインタビュー
穏やかな優しさ、純粋な楽しさ、音楽が世界に放てる無限の喜びを振りまくように、現在のYUKIは歌っている。アルバム『うれしくって抱きあうよ』には、1曲目の“朝が来る”からラストの“夜が来る”まで、まるで人生の中の1日を大切に楽しみつくすような楽曲が並ぶ。ジャズの生々しさや、ビッグ・バンドのゴージャスなサウンドや、AOR的なアプローチなどバラエティ豊かに、自らを音の中で解放しながら、生き生きとした命そのものの輝きを表現しているような作品なのだ。それは明らかに今の日本の音楽シーンにおいて、とても貴重で刺激的なものだと思う。
(インタビュー・テキスト:上野三樹)
1993年、JUDY AND MARYのヴォーカリストとしてデビュー。バンド解散後の2002年2月よりソロ活動を開始。先鋭的なサウンドや前衛的なビジュアルで独自の世界観を確立し、これまでに『PRISMIC』『commune』『joy』『Wave』の4枚のアルバムをリリース。独特の歌声、歌詞、ライブパフォーマンスからアートワークに至るまで、全てにおいて研ぎ澄まされた表現は、あらゆる方面から常に注目を集めている。2010年3月、5thアルバム『うれしくって抱きあうよ』をリリース。
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感動とともに涙が流れるような感覚を、体じゅうが感じたがっていた
―『うれしくって抱きあうよ』、素晴らしいアルバムです。
YUKI:ありがとうございます。今回は作っている時から、すごく満足感があって。1曲1曲、出来上がる度に「間違ってない方向に行ってる、自分の思い描く音と寸分違わぬ音が鳴ってる! うれしい」という気持ちで作ってきました。

―今のYUKIさんは、自分の為でなく特定の誰かの為でもなく、ほんとに自然に何かに導かれるかのように歌われている感じがしたんですけど。前作『Wave』以降、どんな変化があったんですか。
YUKI:ひとつ確実にあるのは、自分の普段の生活の中で何か素晴らしいもの、建築や美術や音楽といった素晴らしい芸術に触れた時に感じる、「今、生きているこの喜びをどうしよう」という思い。こういう時に何かモノが生まれるのではないか、というような思いに打ちひしがれて、感動とともに涙が流れるような、そういう感じを、もう体じゅうが感じたがっていたんです。
やっぱり女性なので、体のホルモンバランスによる変化も大きいと思うんですけど、女性のそうした自然な原理というか、そういうものに対して、なるべく逆らわずにいたいんですね。前作の『Wave』も、それに逆らわずに出来たものだったんですけど、今回はその波の中でも「生きていることを目一杯享受して、人生をまっとうしたい」というか「この太陽の下で目一杯遊んでやる!」みたいな気持ち……それが、この2年間、今もずっと続いているんですけど、あるんですよね。
―制作としては、一昨年に「New Rhythm Tour」を終えてから本格的にスタートされたそうですね。
YUKI:はい。ツアーがあり、その後に怒濤の曲作り期間があり、子供を授かって少しお休みをして、またレコーディングを続けるんですけど、かなりお腹が大きくなる時期までやっていました。その時に、素直な気持ちで音楽を作るということを止めなかったんですよね。「何だこれ、楽しい!」「何だこれ、いい曲だ!」「こんな言葉が出てきた!」って、何でも自分の力に変えながら作っていきました。



































