京都から期待の新星現る スーパーノア インタビュー

京都から突き抜ける4つの新星、スーパーノアが7月8日にファースト・アルバム『雨の惑星、ステレオの向こう』をリリースする。井戸健人(vo.gt)の紡ぐ情緒と歌心に満ちた楽曲を幹に、個性溢れるメンバーが一丸となり広げた音楽の枝葉は、アルバムという名の大樹となりこの世に息吹を上げた。エッジの立った演奏、突き抜けるドライブ感、若さみなぎり、パワー放つライブパフォーマンス、どれをとってもフレッシュ&スーパーな新世代だ。まさに今、ノアの箱船に乗って航海を始めたばかりの彼らに、バンド結成時のエピソードから現在の京都のシーンまで幅広く話を聞いた。

メンバーが共通して「いいなあ」と思っているのは、 井戸君が作ってくるメロディですね。

―今のスーパーノアの形って、結成時のコンセプトから突き詰めていったものなんですか? どんな音楽をやろうとして集まったのか教えてください。

『京都から期待の新星現る スーパーノア インタビュー
岩橋真平(bass)

岩橋:まだドラムの田中君がいなかった頃ですけど、始めはインストバンドだったんですよ。元々コンセプトというコンセプトがあって始まったわけじゃなくて、3人で「インストバンドやらへん?」みたいな感じでなんとなく集まったのが最初です。ただそれも2、3ヵ月で終わって、田中君が参加するようになってからは今の形ができました。2004年頃ですね。

赤井:バンドを結成した頃ってインストバンド全盛期みたいな頃だったよね。

岩橋:僕らにもできそうな感じがしたんですよね。ただ、なにからやっていいかはわからなくて、とりあえずインストのバンドってジャムで曲を作っていくイメージがあるじゃないですか? で、やってみたんですよ。そうしたらなぜかファンクになってしまった。みんなで「アレッ?」っていう(笑)。

―ファンク! 今のギターロック的なイメージとは違うので意外ですね。

赤井:JBやスライとか、元々黒いノリも好きだったんですが、当時の個人的なブームが音に現れてたのかもしれないですね。もっとUK寄りなものが好きだったこともあるし、その都度変わっていくので。メンバーみんなそうだと思うけど。

井戸:うん、そもそもメンバーが共通して好きな音楽ってあんまりないかもしれない。僕はヨラテンゴとかディアフーフとか好きですし。

岩橋:僕も家ではファンクやソウルをよく聴いてる。ただ、地元の京都では仲のいいバンドのライブを見にいってギターロックに触れることは多いですね。だから丸っきり離れているというわけではないというか。現にギターロックやってますしね(笑)

―メンバーそれぞれに色々なバックグランドがあって面白いですね。それがバンドとしてひとつの個性を生んでいるような気がします。

赤井:スーパーノアって、ひとつのコンセプトを突き詰めていく方向でやってこなかったんです。だからできあがったものも、その時の趣向が反映されたものにもなるし、これがかっこいいのか、そうでないのか、どうなんだろうねーというところではよく悩んでます。ただ、メンバーが共通して「いいなあ」と思っているのは、井戸君が作ってくるメロディですね。

井戸:はい、メロディはとても重要ですね。ただそれだけじゃなくて、コードも、歌詞も、どれも並行して重要だと思ってます。で、それら全部の要素を鳴らしたときにどう聴こえるか、最後はバランスだと思ってます。

みんなの「やりたい」が結集した形になって爆発したし、ファーストアルバムらしいものができたから良かったと思ってます。

―曲のベースは井戸君が作って、アレンジはみんなで詰めていくんですか?

『京都から期待の新星現る スーパーノア インタビュー
井戸健人(vo.gt)

井戸:そうですね。今回のアルバムの一曲目の「ギフト」はまさにそうです。ただ基本的に僕が曲を持っていくんですが、「ここにリフが欲しい」とだけは伝えて、「こうしてくれ」とは言ってません。

―みなさんはそれを聞いて、「こうした方がいいんじゃない?」と、意見を出し合う?

赤井:四人バラバラに「オレはこうしたい」ですね。だから一曲に関して、なんとなく意思の疎通が取れるようになるまで時間がかかるんです。音楽性の部分での話し合いもするんですけど、君はこう思ってるんだね? うん、わかった。という感じ。メンバーそれぞれ、こっちの方がいいんじゃないっていうことは言い合いますけど、絶対そうとは思わないということがあってもいいので。その人がやりたいようにやったらいいと思うんです。ただ、それでボツになった曲もいっぱいありますね。それを乗り越えてできたのが今回のアルバム。

井戸:曲という点でいうと、今回のアルバムはもうすこし僕がディレクションしてもよかったかなとは思うんです。でも、結果としてはみんなの「やりたい」が結集した形になって爆発したし、なによりもファーストアルバムらしいものができたから良かったと思ってます。

―まさに今までの集大成ですね。

赤井:選曲のときにもっと新しい曲もあったんですけど、それよりは最初に出すものだから、結成当初からある曲も含めて、今までの活動の全体で選んで、一枚を作りました。

何かを表現するときに、東京やから、京都やから、ということもないと思っているので。

―こうしてアルバムをリリースすることや、さまざまな繋がりで東京にもツアーで来るようになりましたよね。そこで改めて京都の音楽シーンを振り返ってみるとどうですか?

『京都から期待の新星現る スーパーノア インタビュー
赤井裕(gt)

赤井:京都は狭いので、そもそもシーンという言葉自体が成り立つかは難しいですよね。ただジャンルを問わず、いろんなバンドと仲はいいですよ。音楽自体は被ってないけど、その狭さがみんなを繋げているというか。

―繋がりという意味では、京都はみんなで何かをやってみようというマインドがあるような気がしています。たとえばボロフェスタとか。

赤井:そうですね、やっぱり学生の街だからというのが大きいかもしれないですね。僕もLimited Express Has Gone?とか、ゆーきゃんと2005年位から一緒にボロフェスタの運営に関わっています。ただ京都でこうしてボロフェスタのような動きが起こったのも、きっとくるりが東京に行ったことと影響しているのかなと。

―やっぱりくるりの存在は大きかった?

赤井:たとえば一つ、というところでありますよね。ただ、僕らは僕らで東京に行って一旗あげてやるぜ! みたいな思いはないですね。何かを表現するときに、東京やから、京都やから、ということもないと思っているので。

―ちなみに東京の音楽シーンを見てどう思いましたか?

井戸:たぶんいろんなバンドがいるから、このジャンルがどうこうとかはわからないんだけど、例えばすごいクリック練習してるんやろなーとかは感じたりしますね。

赤井:うん、魅せ方もうまいしね。

井戸:far franceとかSuiseiNoboAzもかっこいい。リハ前にコピーしたりしてましたから(笑)。でも、彼らと前に話したときは、なんかうまく話せなかったんですよね。僕、知らない人とか、好きな人の前だとうまく話せなくて……。

―井戸さんは意外にシャイなんですね。ステージ上ではすごく堂々としているのに。

井戸:人前ではなにかを発表することに抵抗はないんです。ギターを弾いて、曲を作り始めて、ステージで演奏をし始めたのもそういう気持ちがあったからだと思います。

「お客さんと戦おうっていうのは間違いなんじゃない?」って話になったときは、「僕もそう思うよ」って言いましたけど(笑)

―なるほど。ステージでの表現という意味では、先日のライブでのスーパーノアはとても面白かったですね。たとえば客席後方からクラップで(手を叩きながら)入場してくるとか。

井戸:ま、あれは失敗だったかなと思ってたんですけど(笑)。ただ、ここ何回かのライブをどういう風にやろうかとミーティングをして、その日はそう決めたんですよね。お客さんも少なかったし、後ろから入ってワッとやったらいいんじゃないかって。

田中:ステージ前にスペースができちゃうときがあるじゃないですか。あれをどうにかしたいと思ったんですよ。

井戸:そうそう、とにかく思いついたことをとにかくやってみたらええんちゃうかなって。やっぱCD売りたいし、お客さんの反応も良くしたい。CDを買ってもらえるライブってどんなんやろっていうところを考えながらやってるので。

―じゃあ、赤井さんが拳上げて「負けへんで!」と叫んだのは?

赤井:僕はライブが好きなので気持ちが盛り上がっちゃうときがあるんですよ。ただ次の日にSuiseiNoboAzの石原くんと飲んで「お客さんと戦おうっていうのは間違いなんじゃない?」って話になったときは、「僕もそう思うよ」って言いましたけど(笑)。

一同:笑

―そうそう、ウェブサイトにはドラムの田中さんが大学の新歓ライブで多目的ホールを一周と書いてありましたけど?

『京都から期待の新星現る スーパーノア インタビュー
田中俊輔(drums)

田中:曲の最後にジャジャジャーンっていうときあるじゃないですか。みんなにはその間、演奏を引っ張ってもらっておいて、僕はドラムを置いてホールを一周。戻ってきて最後にジャーンみたいな、ことをやったり……って、もうアレ消しといていいから(笑)。

赤井:学生運動のひとつだよね(笑)。

一同:爆笑

バンドをやっていないと知り合うこともなかったんだなと思うと、すごくうれしいし、そこが原動力になってます。

―僕は先日のライブを見て、みんな本当にライブが好きなんだろうなーっていう気持ちを感じられたし、なによりも全員でパワーを放っているところがすごくよかったと思うんです。やっぱり原動力はライブですか?

赤井:そうですね。きっかけは二回目の磔磔(タクタク)でのライブですね。磔磔って言ったら京都では歴史のある有名なライブハウスなんですけど、その日はなぜか手違いでワンマンになっちゃったんですよ。

―二回目でワンマンですか!?

岩橋:でも持ち時間は30分。8時前に終了みたいな(笑)

赤井:そのときすごく楽しかったんです。見にきてくれたのは友達が多かったんですけど、ちゃんと聞いてくれたし、うれしくて舞い上がっちゃって。今思えば、そこでの勘違いが原動力かもしれないですね。

岩橋:それもあるけど、僕は東京にも名古屋にも福岡にも、いろんなところに応援してくれる人ができて、バンドをやっている友達とか、知り合いも増えて、これはバンドをやっていないと知り合うこともなかったんだなと思うと、すごくうれしいし、そこが原動力になってます。

―ありがとうございました。では最後に、スーパーノアのこれからのことを教えてください。

井戸:スーパーノアってこういうバンドやっていう自己紹介的なファーストアルバムができたので、是非色んな人に聞いて欲しいと思っています。

田中:僕も気持ちは同じです。

岩橋:アルバムもすごい自信作なんだけど、まずはライブを見て欲しいです。アルバムができたからといって、そこで完結するものじゃないので、それがとっかかりになってライブに来てくれるようになったらすごくうれしいです。

赤井:うん。アルバムも聞いて欲しいし、ライブも来て欲しい。思いは一緒。共通部分は少ないけど、そこだけは共通してます!(笑)

リリース情報
スーパーノア
『雨の惑星、ステレオの向こう』

2009年7月8日発売
価格:1,890円(税込)
colla disc / M.D.L! CLA-60033

1. ギフト
2. 渡り鳥
3. 雨の惑星、ステレオの向こう
4. 夕立アンカー
5. プレイヤーピアノ
6. 少年A#
7. 最後の車窓から

イベント情報
スーパーノア レコ発イン・トーキョー
『ゲット・ビハインド・ミー!!!バビロン・トーキョー!!!』

2009年7月31日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:新宿Motion

出演:
スーパーノア
SuiseiNoboAz
ふくろうず
Conti
bossston cruising mania
ゆーきゃんwith奥村祥人(henrytennis)
クラモトイッセイ(アゴーレーカルキン)
永尾蕗子
and more

料金:前売2,000円 当日2,300円(1ドリンク別)

『BOROFESTA × スーパーノアレコ発』

2009年8月16日(日)OPEN / START 14:00
会場:京都神宮丸太町 CLUB METRO

出演:
スーパーノア
DE DE MOUSE
nhhmbase
HALFBY
audio safari
nuito
とうめいロボ
ゆーきゃん
chori
Sugar's Campaign
tofubeats
seo makoto
and more

総合司会:MC土龍

料金:前売2,500円 当日2,800円(1ドリンク別)

プロフィール
スーパーノア

井戸健人(vo.gt)赤井裕(gt)岩橋真平(bass)田中俊輔(drums)の4人編成により京都にて結成。地元名物イベント「ボロフェスタ」にレギュラー的に出演する若手有望株。NATSUMEN、曽我部恵一バンド、ギターウルフ、カーネーション、FLUIDらと共演をはじめ真っ向勝負。数枚の自主制作音源を発表後、2009年7月8日、バンド結成時からの集大成となる待望のファースト・アルバム『雨の惑星、ステレオの向こう』をリリースする。

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