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固まる前に叩き壊す カゲロウインタビュー

固まる前に叩き壊す カゲロウインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2012/01/11
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一般的に、バンドとは固定されたメンバーが、特定の音楽性に沿って活動をするものである。カゲロウに関しても「サックス、ピアノ、ベース、ドラムという編成で、パンキッシュかつフリーキーなジャズを鳴らすインストバンド」とレジュメすることは可能だが、メンバーが海外留学に行ってしまったり、そもそもの入口がジャズではなかったりと、固定概念では収まらないところが魅力のバンドとも言える。それもそのはず、「ボーカルの引き立て役に回ることにストレスを感じていた」という中心人物でベーシストの白水悠を筆頭とした、枠に捉われることを嫌うメンバーの集合体、それがカゲロウなのだから。新作『III』では、メロウなナンバーから実験的な長尺曲までを収録し、これまでの作品よりもグッと幅を広げた作風を提示しているが、「固まる前に叩き壊す」ことを前提としているかのような彼らにとって、今作の方向性は自然なものであったに違いない。アルバム発売後には「回数無制限のアウトストア・ライブ」という、これまた枠から外れまくったイベントを予定しているメンバー3人に、その活動原理を聞いた。

形に固執してやりたいことができないよりは、形はどうであれやりたいことをやるっていう方が心地いいんですよね。

―カゲロウはジャズを基調にしたインストバンドなので、リズム隊がすごく重要なバンドだと思いますが、ドラムの貴之さんはアメリカに留学中なんですよね? しかも2回目の。

白水(Ba):そう、ドラムの勉強をしに行ってましたね。いまは日本に帰ってきましたけど。

―メンバーがパッとアメリカに行ってしまうって、定期的な活動をしているバンドとしては珍しいケースだと思うんですけど、それに対して抵抗はありませんでしたか?

白水:確かに、他にあんまり聞かないですよね(笑)。でもまあ、サックスのるっぱさんにしてもピアノのチエちゃんにしても、もちろん僕もそうですけど、みんなそれぞれの人生があって、今は3人の人生が交わってるときなんだって思うんです。そういう考え方だから、貴之が場所を移してやりたいことがあるならそれはそれでありだと思ってて。

Ruppa:半年とか離れるんだったら、違うドラマーとやった作品をも作ってみようかなって。止めて待つよりは、動いて迎え入れる方が性に合ってたんでしょうね。

白水:もちろん貴之のファンの方は思い入れもあるだろうし、「貴之さんじゃないと」っていう声も耳に入らないわけじゃないんですけど、正直それは…「残念でした」って思うしかない。

―バンドのお客さんはそこを求めがちですけど、そればっかりはしょうがないですもんね。

白水悠
白水悠

白水:うん、お客さんの言ってることがわからないとかじゃなくて、わかった上で「残念でした」っていう。今回のアルバムはドラマーが3人参加してて、それが一般的な「バンド像」と照らし合わせて変な具合になってるのはもちろんわかってるんです。でも、形に固執してやりたいことができないよりは、形はどうであれやりたいことをやるっていう方が心地いいんですよね。


―そういう型にはまらない姿勢って、カゲロウの音楽性にも反映されていますよね。ジャズだけど、すごいパンクな側面もあるっていう。

白水:もともと僕はパンクばっかやってたんすよ。それが大学の軽音楽部でジャズみたいなビートに出会って、「ズッタンズッタン(パンク)よりチーチッキチーチッキ(ジャズ)の方がクールじゃん!」と思って。

―それ、割と単純ですね!(笑)

白水:周りにジャズっぽいことなんてやってる人がいなかったんですよ(笑)。それに当時、EGO-WRAPPIN’が出てきたりとか、(元THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの)チバ(ユウスケ)さんがスカパラとやってたりして、ああいうのかっこいいじゃんって思ってたんです。それでサックスとピアノ入れたら、「こういう編成のバンドって他にいないんじゃね?(俺の周りでは)」って思って…(笑)。

―でも、そういう音楽を続けているうちに…

白水:そうそう、世の中にこんなにいっぱいいるとは思わんかったです(笑)。

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リリース情報

カゲロウ『KAGEROIII』
カゲロウ
『KAGEROIII』

2012年1月11日発売
価格:2,520円(税込)
RAGGED JAM RECORDS / MEDIA FACTORY / RAGC-004

1. GAS
2. LIBERTINE SPECIAL
3. sheepless, but feel alright
4. HYSTERIA
5. YELLOW
6. ONE DAY
7. PAINKILLER
8. MIST
9. BLACK MIG
10. a bird in the cage
11. FRISBY AND THE MAD DOG
12. DRILL LINER

イベント情報

『KAGEROIII Release Tour「HYSTERIC GAS」』

2012年1月28日(土)
会場:東京都 渋谷 PLUG

2012年2月4日(土)
会場:愛知県 名古屋 CLUB UPSET

2012年2月18日(土)
会場:宮城県 仙台 JUNK BOX

2012年2月25日(土)
会場:東京都 恵比寿 Batica(タワーレコード購入者特典ライブ)

プロフィール

カゲロウ

白水悠(Ba)、佐々木“Ruppa”瑠(Sax)、菊池智恵子(Piano)Drummer:鈴木貴之/野中隼人(The end roll)/松下マサナオ(YASEI COLLECTIVE)。ジャズカルテット編成の常識を覆す攻撃的な轟音とパンクスピリット溢れるライブパフォーマンスを武器に、活動当初から都内アンダーグラウンドシーンを席巻。ジャズ、パンク、ハードコアシーンを股にかける異端児として、国内外問わず注目を集めている。

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