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志磨遼平×コムアイ フロントマン対談「ライブは恥を晒すこと」

志磨遼平×コムアイ フロントマン対談「ライブは恥を晒すこと」

ドレスコーズ『SWEET HAPPENING ~the dresscodes 2015 “Don't Trust Ryohei Shima”JAPAN TOUR~』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也 編集:野村由芽

アーティストが人前に立つ機会といえば、もちろん最初に挙がるのが「ライブ」である。パフォーマンスに対する考え方は千差万別であり、アーティストの数だけ「ライブパフォーマンス論」があると言えよう。また、もう少し話を広げれば、テレビや雑誌、ウェブといったメディアへの露出というのも、アーティスト活動の大きな柱のひとつ。「人に見られる立場」であるアーティストは、普段どんなことを意識しているのだろうか?

そこで今回はライブパフォーマンスに定評があり、またメディアへの露出も多い二人、5月11日にライブBD&DVD『SWEET HAPPENING ~the dresscodes 2015 “Don't Trust Ryohei Shima”JAPAN TOUR~』を発売したばかりのドレスコーズの志磨遼平と、水曜日のカンパネラのコムアイを迎え、ライブパフォーマンスについて、さらには「人に見られる立場」であることについて語り合ってもらった。ソロプロジェクトとなり、ライブやツアーごとにバンドメンバーが入れ替わるドレスコーズ。基本は三人組ながら、ステージにはコムアイ一人が立つ水曜日のカンパネラ。そんなそれぞれの特殊性も含めて、二人には通じ合う部分がたくさんあったようだ。

ドレスコーズのライブには、「恥じらい」や「後悔」がすごくちらついていたんです。(コムアイ)

―ドレスコーズと水曜日のカンパネラは去年の『OTODAMA'15~音泉魂~』で共演しているんですよね。

コムアイ:水曜日のカンパネラの後がドレスコーズのステージだったんですけど、見始めたら目が離せなくなっちゃったんです。なぜかと言うと、ドレスコーズのライブには「恥じらい」や「後悔」がすごくちらついていたから。

志磨:へえー! それは面白いですね。

コムアイ:私は自分のライブは「恥」だと思っているんですよ。楽器が弾けるわけでもないし、技術が何もない中で、じゃあ何を見世物にしてるのか? って考えると、たぶん自分が見られたくないものを、自分がコントロールできない範囲で見てもらっているんじゃないかって。

コムアイ
コムアイ

―ドレスコーズのライブを見て、通じるものを感じた?

コムアイ:そうですね。ただ、志磨さんはどうかわからないけど、私はライブが未だにすごく怖いんです。PVの撮影だったら失敗しても撮り直せるけど、ライブではそれを失敗じゃないと思わせるぐらいまでもってかないといけないじゃないですか? 私は自分が普通の感覚の持ち主だってことがコンプレックスだから、今でもホントに恐ろしいことしてるなって思います。ステージに出ちゃえば気にならないんだけど、出るまではいつもやりたくないと思ってる。でもそういう人の方が面白いし、目が離せなくなるのかなって。

志磨:昔、似たようなことを思ったことがありますね。すごく歌がうまかったり、楽器を演奏できたりするのは特殊技能だから、それを人前でやって、お金をもらうのは道理にかなう。ただ歌って踊るっていうのは、特殊技能に入らないでしょ?

志磨遼平
志磨遼平

コムアイ:Perfumeみたいに踊れたら別ですけどね。決まったとこにピッて手を伸ばしたりできないからなあ。

志磨:うん。それなのにチケットを買って見に来てもらうわけで、「これ何の代金かねえ?」って考えたときに、僕も恥を見せてお金をもらっているんだと思った。例えば、感情が大きくぶれるとか、人より楽しく騒ぐとか、人が普段隠したかったり、見せたくなかったりする部分を晒すことには、お金を払ってもらう価値があるのかもなって。

コムアイ:志磨さんは動きがヒラヒラしていて、道化師のような身体だという印象があります。背が高いから、しゃがんだ瞬間に「ヒッ」って思うくらい動きが大きくて、ステージ映えするのがホントに羨ましい。私はステージのあちこちにお立ち台を作らないと、お客さんから全然見えないんですよ。インストアライブとか、お立ち台だらけですごいことになっちゃう。

ライブごとにバンドメンバーが入れ替わるドレスコーズ。ライブ映像作品には、元・毛皮のマリーズの越川和磨、有島コレスケ、中村達也が参加したツアーファイナルの様子が収録

「今この場の俺たちはすごいことになっている」って思うことがいいライブの条件。(志磨)

志磨:そういえば、水曜日のカンパネラを知ったきっかけが、各地のインストアでブイブイ言わせてる人がいるってニュースを見たのが最初だった気がする。

コムアイ:全然そんなことないです(笑)。でも、その場をどう使うか? というのが私たちのライブの肝なので、ライブハウスよりフェスとかの方がスパークできるし、インストアも、ゲリラライブ的な側面があって好き。水曜日のカンパネラを見に来た人だけじゃなくて、普通に買い物をしてる人もいると思うと、すごくワクワクしちゃうんですよ。

志磨:ライブハウスは装置というか、照明もしっかりしていて、「さあ、どうぞ!」って感じだよね。

コムアイ:すごくへそ曲がりなので、そうされると、「はい、歌います!」ってできないんです。

志磨:インストアやフェスは装置じゃないもんね。

左から:志磨遼平、コムアイ

―逆に、志磨さんはライブハウスに愛着があるんじゃないですか?

志磨:遊び場としてのライブハウスっていう空間はすごく好きでした。ただ、好きなバンドのライブに遊びに行って、無邪気にフロアでワーってお酒飲むのは好きだったんだけど、自分がやるとそういう感じにならないんですよね。演奏の最後って普通、「ジャーン、ドコドン」って曲が終わるじゃないですか? その後に「キャー」って歓声が上がるのがいいなっていつも思うんですけど、僕の場合、「ジャーン、ドコドン」「シーン」ってなるんです。曲間とかも、ホントに「シーン」。それはもうしょうがないことで、数年前に諦めたんです。

コムアイ:あー、私もそうだ。MCが下手っていうのもあるんだけど、人を無駄に緊張させちゃうことがあって。

志磨:それ! 「無駄に緊張させる」の一言に尽きます。だから、来てくれるみんなの先導者というか、兄貴みたいにはなれない。

コムアイ:でも、私がドレスコーズのライブを見たときはすごい盛り上がりでしたよ。みんなどんどん惹きつけられていって、最後はコールが起こっていたじゃないですか?

志磨:さっきのインストアライブの話にも通ずるけど、ライブ中にその日だけの特別な何かが起きるときって、お客さんもそこにうまく加担しているんですよね。「今この場の俺たちはすごいことになっている」ってお互いに思うことがいいライブの条件だから。

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リリース情報

ドレスコーズ『SWEET HAPPENING ~the dresscodes 2015 “Don't Trust Ryohei Shima”JAPAN TOUR~』(Blu-ray)
ドレスコーズ
『SWEET HAPPENING ~the dresscodes 2015 “Don't Trust Ryohei Shima”JAPAN TOUR~』(Blu-ray)

2016年5月11日(水)発売
価格:5,616円(税込)
KIXM-230

1. HEART OF GOLD
2. スローガン
3. ボニーとクライドは今夜も夢中
4. jiji
5. もあ
6. 愛さなくなるまでは愛してる(発売は水曜日)
7. Lily~ダンデライオン
8. それすらできない
9. トートロジー
10. あん・はっぴいえんど
11. ゴッホ
12. 愛する or die
13. 犬ロック
14. ビューティフル
15. みなさん、さようなら
16. 愛に気をつけてね
※特典映像『“LOVE & HAPPENING” D.T.R.S. JAPAN TOUR DOCUMENT』収録

ドレスコーズ『SWEET HAPPENING ~the dresscodes 2015 “Don't Trust Ryohei Shima”JAPAN TOUR~』(DVD)
ドレスコーズ
『SWEET HAPPENING ~the dresscodes 2015 “Don't Trust Ryohei Shima”JAPAN TOUR~』(DVD)

2016年5月11日(水)発売
価格:4,104円(税込)
KIBM-563

1. HEART OF GOLD
2. スローガン
3. ボニーとクライドは今夜も夢中
4. jiji
5. もあ
6. 愛さなくなるまでは愛してる(発売は水曜日)
7. Lily~ダンデライオン
8. それすらできない
9. トートロジー
10. あん・はっぴいえんど
11. ゴッホ
12. 愛する or die
13. 犬ロック
14. ビューティフル
15. みなさん、さようなら
16. 愛に気をつけてね

イベント情報

ドレスコーズ
『Barbate Rock 5th Anniversary ~Hige Mirage~Powered by QUATTRO MIRAGE』

2016年5月26日(木)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
出演:
ドレスコーズ
大森靖子
料金:4,500円(ドリンク別)

2016年5月27日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO
出演:
ドレスコーズ
大森靖子
料金:4,500円(ドリンク別)

リリース情報

水曜日のカンパネラ
『UMA』初回限定盤(CD)

2016年6月22日(水)発売
※オリジナルTシャツ付

水曜日のカンパネラ
『UMA』通常盤(CD)

2016年6月22日(水)発売

イベント情報

水曜日のカンパネラ
『未確認ツアー』

2016年6月25日(土)
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST

2016年7月2日(土)
会場:福岡県 嘉穂劇場

2016年7月6日(水)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE24

2016年7月9日(土)
会場:岡山県 YEBISU YA PRO

2016年7月10日(日)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2016年7月16日(土)
会場:愛知県 名古屋 DIAMOND HALL

2016年7月18日(月・祝)
会場:京都府 萬福寺

料金:各公演 前売3,800円(ドリンク別)
※福岡、京都公演のみドリンクなし
※京都公演は別途拝観料が必要

プロフィール

ドレスコーズ
ドレスコーズ

毛皮のマリーズのボーカルとして2011年まで活動、翌2012年1月1日にドレスコーズ結成。同年7月にシングル『Trash』(映画『苦役列車』主題歌)でデビュー。12月に1stアルバム『the dresscodes』、2013年8月には2ndシングル『トートロジー』(フジテレビ系アニメ『トリコ』エンディング主題歌)、同年11月に2ndアルバム『バンド・デシネ』を発表。2014年4月、キングレコード(EVIL LINE RECORDS)へ移籍。日比谷野音でのワンマン公演を成功させたのち、9月にリリースされた1st E.P.『Hippies E.P.』をもってバンド編成での活動終了を発表。以後、志磨遼平のソロプロジェクトとなる。12月10日、現体制になって初のアルバム『1』をリリース。2015年10月、4thアルバム『オーディション』をリリースした。2016年5月11日に、LIVE Blu-ray&DVD作品となる『SWEET HAPPENING ~the dresscodes 2015 “Don’t Trust Ryohei Shima”JAPAN TOUR~』をリリース予定。

水曜日のカンパネラ
水曜日のカンパネラ(すいようびのかんぱねら)

2012年の夏、初のデモ音源“オズ”“空海”をYouTubeに配信し始動。「水曜日のカンパネラ」の語源は、水曜日に打合せが多かったから……と言う理由と、それ以外にも、様々な説がある。当初グループを予定して名付けられていたが、現在ステージとしてはコムアイのみが担当。「サウンドプロデュース」にKenmochi Hidefumi、その他、「何でも屋」のDir.Fなどが、活動を支えるメンバーとして所属。以降、ボーカルのコムアイを中心とした、暢気でマイペースな音楽や様々な活動がスタートしている。2016年6月22日、ワーナーミュージック・ジャパンからのメジャーデビュー第一作目となるニューアルバム『UMA』をリリース予定。

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RYOHEI KUBOTA “RISING”

ぼくのりりっくのぼうよみ、小山薫堂らからも注目される19歳のハンドパン奏者・久保田リョウヘイの“RISING”のPV。自然に溶け込むような佇まいから生み出される、まるみのある幽玄的なサウンドと情熱的なビートに身をもたげたくなる。演奏はYouTubeを見て独学で学んだらしい。圧巻です。(飯嶋)