レビュー

『惡の華』は終わらない、しのさきあさこ(宇宙人)&ASA-CHANG(ASA-CHANG&巡礼)&押見修造による企画会議

さわやか
2013/09/20
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『惡の華』は終わらない、しのさきあさこ(宇宙人)&ASA-CHANG(ASA-CHANG&巡礼)&押見修造による企画会議

去る8月21日と9月11日、「『惡の華』の新オリジナル楽曲制作会議」がニコニコ生放送で2回にわたって生中継された。出演者は同作の漫画原作者である押見修造、オープニング曲を担当したバンド「宇宙人」のしのさきあさこ、そしてすさまじい存在感を発揮したエンディング曲“花 -a last flower-”を手がけたASA-CHANG&巡礼のASA-CHANGだ。

『惡の華』は今年4月から6月まで放映されていたアニメで、思春期の痛みと不気味な影を肉感的な手触りのロトスコープという映像手法で描き、コアなアニメファンから一般人まで多くの視聴者を驚愕させた前代未聞の作品だ。今回はその『惡の華』のキーパーソンが一堂に会して新たな企てを始めたということで、ニコ生では多くの視聴者が動向を見守った。


今回の企画は、司会を務めたニッポン放送アナウンサー・吉田尚記のラジオ番組『ミュ〜コミ+プラス』に、しのさきとASA-CHANGが出演したことがきっかけ。しのさきがASA-CHANGの大ファンだっという縁もあり、番組内で共作しようという話が盛り上がったため、ニコ生で制作過程を見せながら共同制作に挑むことになったという。

制作会議の第一回は8月21日に行われ、そこでは楽曲のテーマや役割分担、曲調のイメージなどが議論されていった。なぜかニコ動で爆発的な人気となった同作の脇役「山田」のモデルとなった人物について押見がエピソードを紹介するなど、リラックスした雰囲気で放送された。ニコ生を見ている視聴者からの意見をどんどん採り入れていくのがネットならではといったところで、たとえば「賛美歌」という視聴者からのコメントにしのさきがインスパイアされる場面も。

ASA-CHANGの普段の作曲スタイルは、歌詞を構想しつつ同時にリズム譜を書いていくという独特のものなので、今回の共作では、まずはしのさきが原型を作ってからASA-CHANGがアレンジを試みるという方針に落ち着いた。ASA-CHANGは「しのさきさんが先に球を投げて、自分はそれをある意味、解体するかもしれない」「押見先生の声も楽曲内に入れたい」などのアイデアを語り、早くも全く予想のつかない曲になることが予想される。「面白いけど枠に収まるんだろうか……」というニコ生コメントの心配をよそに、押見は「枠とか別にいいんじゃないっすか!」とゴーサインを出す。最終的に楽曲のテーマは、アニメ以降の世界、つまり原作の第4巻以降に描かれている三人のドロドロした人間関係にフォーカスすることに決まった。

押見修造
押見修造

第二回の制作会議では前回それぞれに課されていた宿題が披露された。まず、押見がオリジナルイラストラフを公開。鉛筆で書かれたラフ画に全員が歓声をあげる。さらに押見は「カラーイメージもある」と、クレヨン画や水彩画を披露。画面が埋め尽くされる程のコメントが視聴者から寄せられ、中には「その画買った!」というコメントまで投稿された。

次に、第一回で話し合われた方針にしたがって楽曲の制作過程が紹介された。この時点で宇宙人が楽曲のベース部分を既に9割がた完成させており、さっそく押見と吉田アナは1台のiPodのイヤホンを仲良く1つずつ耳に当てて仮トラックを聴取。二人とも「すごい! かっこいい!」と絶賛し、例の「賛美歌」パートについても「これは……!」と驚きの声を上げる。

左:押見修造、右:吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)
右:吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)

歌詞は既に完成しており、しのさきは「今回はエモーショナルな感じを出さないといけないと思ったので、歌詞を書きながらすごく凶暴な気持ちになった」と、『惡の華』という作品に似つかわしい物騒な発言をする。しのさきから渡された楽曲を最初に聴いたとき、ASA-CHANGは「すごいもの聴いちゃったな」と感じたことを告白し、その楽曲に自分らしさを加えていくのに、どうするべきか思案している最中だという。

左:ASA-CHANG、右:しのさきあさこ(宇宙人)
左:ASA-CHANG、右:しのさきあさこ(宇宙人)

しのさき曰く「歌詞を書いたときの凶暴な自分を取り戻せない」として、曲名は未定だったが、ニコ生の利点を生かしてその場でタイトルを募集することに。歌詞を画面に映しながら視聴者に楽曲イメージを膨らませてもらい、タイトル候補を動画のコメント欄に投稿してもらった。「奈落の夢」「螺旋の塔」「白昼夢」「白昼の螺旋」「奈落の残像」などのアイデアが次々に投稿され、さらに出演者がイメージについて議論を進めるにつれて視聴者のタイトル案も洗練されていく。押見は「この曲はおどろおどろしいタイトルが似つかわしいように見えるかもしれないけど、実際に聴いてみると前向きな感じすらする。だからそういうタイトルのほうがいい」とコメントした。

『惡の華』の新オリジナル楽曲制作会議の様子

結局、タイトルは決まりきらず、視聴者からもらったアイデアをいったん預かって次回の制作発表会まで検討することに。次回は押見が今回ラフ案を紹介したジャケットイラストも仕上がり、いよいよ楽曲の完成となる。さらに、完成した楽曲が配信限定で販売されることも急遽決定された。果たしてどんな楽曲が完成するのか? 10月6日制作発表会で、その全貌が明らかになる。

リリース情報

『惡の華』新オリジナル楽曲配信決定

※10月6日(日)「第三回『惡の華』新オリジナル楽曲制作発表会生放送」で配信日時発表

宇宙人
『惡の華』(CD)

2013年5月22日発売
価格:1,200円(税込)
KICM-1453

1. 惡の華
2. 砂漠の鎮魂歌
3. 惡の華(歌無し)
4. 砂漠の鎮魂歌(歌無し)

V.A.
『「惡の華」コンセプトE.P.「惡の花譜」』

2013年6月26日発売
価格:1,800円(税込)
KICS-1916

1. 花 - a last flower
2. 惡の華 - 仲村佐和
3. 惡の華 - 春日高男
4. 惡の華 - 佐伯奈々子
5. 惡の華 - 群馬県桐生市
6. 花 - a last flower
7. 惡の華 - 仲村佐和
8. 惡の華 - 春日高男
9. 惡の華 - 佐伯奈々子
10. 惡の華 - 群馬県桐生市
11. 光蘚(Base Ball Bear)

『惡の華』第3巻(Blu-ray+CD)

2013年10月2日発売
価格:6,300円(税込)

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