ピクシブ、ハラスメントを認め謝罪。トランスジェンダー女性社員が「SOGIハラ」受けたとして提訴

ピクシブ、社員に対するハラスメントを事実と認める

イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブは5月30日、同社に勤める社員が上司から「ハラスメントを受けた」として提訴したとの報道を受け、声明を発表した。

報道各社によると、原告はトランスジェンダー女性の社員で、男性上司から性自認に関するハラスメントやセクハラを受けたとして、損害賠償を求めている。

ピクシブは声明で、「この度、弊社におけるハラスメントに関する提訴が行われるとの報道がございました。皆様にはご心配とご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません」と謝罪。

「ハラスメント行為については、性別・性自認・性的指向等に関わらず、万人に対して許されない行為であると認識しております。このような事態を引き起こしてしまったことを会社として極めて重く受け止めております」と綴ったうえで、従業員によるハラスメント行為があったことを事実と認めた。

同社によると、当該従業員を懲戒処分としており、被害者の申告を受けて加害者の降格・減給の処分、被害者への接近禁止などを命じているという。

また、ハラスメント防止策について、「外部の専門家を招いた全社員参加必須のハラスメントに関する研修の実施、管理職に対しての別途追加での研修の実施、外部専門家を交えたハラスメント相談窓口の整備」などを定期的に行なっているとも説明した。

訴訟については、「今後係争に入る可能性のある案件のため、本件については皆様への詳細なご説明がかないませんことをご理解くださいますようお願い申し上げます」とコメントしている。

「ハラスメントを受けた」として社員が提訴していた

弁護士ドットコム」など報道各社によると、東京地方裁判所に提訴したのは、男性として出生し、現在は女性として社会生活を送るトランスジェンダーの社員。「NHKニュース」によると、女性は男性上司から性自認に関する「SOGIハラスメント」やセクシュアルハラスメントを受けたと主張。男性上司とピクシブに対し、あわせて慰謝料約555万円の賠償を求めている。

性自認に関するハラスメントは、「SOGIハラスメント」といわれている。「SOGI」とは、恋愛感情や性的な関心がどの性別に向いているか、向いていないかという「性的指向(Sexual Orientation)」と、自分の性別をどう認識しているかという「性自認(Gender Identity)」の頭文字を取った言葉だ。性的マイノリティーだけでなく、すべての人に関係する属性や特徴でもある。

当事者や支援者らが構成する「なくそう!SOGIハラ」実行委員会では、「SOGIハラスメント」として、「差別的な言動や嘲笑、差別的な呼称」「いじめ・無視・暴力」「望まない性別での生活の強要」「不当な異動や解雇、不当な入学拒否や転校強制」「誰かのSOGIについて許可なく公表すること(アウティング)」などが挙げられている。

(メイン画像:Shutterstock)



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