Songs We Dance To

cero、古川麦、Yeah Yeah Yeahs、Rave Racersら。CINRA編集部が選ぶ今週のおすすめ楽曲

毎週更新のCINRAプレイリスト「Songs We Dance To」。ロック / ポップ、インディ、ヒップホップをはじめ、実験的なエレクトロニックミュージックからK-POPまで、ジャンルレスに選曲した楽曲群(2022年6月6日週更新)から、編集部員が特におすすめしたい楽曲を紹介します。

cero“Fuha”

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2022年に入って2曲目、前作『POLY LIFE MULTI SOUL』(2018年)から数えて4曲目となるceroの新曲。ボーカルの高城晶平のTwitterを見ると、タイトルは水木しげる世界の住人たちが発する言葉を指しているようで、「フハ」とは失望や落胆、驚きや興奮などを表すらしい。<沈む夕日を手に握りしめ / 反転した影は遠く伸びる / 楽団は演奏もせず楽器を手に / 列になって歩く>という歌い出しで強烈なディストピア風景が立ち上がり、<人新世の霊と 枯れた花のゲート><夢に爆ぜる例の警報><瞼に染み憑いた悪夢の跡><夢で起こったこと忘れた / 闇に放った言葉捨てたくて>といったラインからは、その荒廃が現実に侵食している様を描いているようで恐ろしい。テクスチャーの残滓のような音が全体を覆い、アコースティックギター、プログラミングされたシンセサウンドとビート、歌声、トロンボーンなどによるオブスキュアな音の断片群で構築されたサウンドは幻想的でもあり、ヒリヒリと迫るものがある。聴いていると「フハッ!」と現実世界への落胆と音楽的興奮のあいだで揺さぶられる。(山元翔一)

古川麦”Vacilando”

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7月6日にリリースする3rdアルバム『Xìn』より先行配信。タイトルの「Vacilando」はスペイン語で「目的地を決めないで旅をする」という意味で、コロナ禍で難しくなった「旅」をテーマにワクワクした心躍る気持ちを歌った一曲。コロナ禍に原点回帰的に聴き返したというブラジル音楽が色濃く影響している。(川浦慧)

Yeah Yeah Yeahs“Spitting Off the Edge of the World ft. Perfume Genius”

Yeah Yeah Yeahs“Spitting Off the Edge of the World ft. Perfume Genius”を聴く(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

2000年代ニューヨークを代表するロックバンドの一つ、Yeah Yeah Yeahsのじつに約9年ぶりとなる新曲。スローなビートを力強く叩くドラムと、ユーフォリックなシンセサウンドに、カレンOの力強い歌声とPerfume Geniusの柔らかい声が混ざり合う。特別な瞬間をスローモーションで再生した映画のワンシーンのような1曲で高らかに帰還を宣言した。プロデューサーは長年のコラボレーターである、TV on the Radioのデヴィッド・シーテック。Secretly Canadianから9月にリリースされるニューアルバムにも期待が高まる。(後藤美波)

chomo, Rave Racers“^_^”

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Creative Drug Store所属のラッパーJUBEEやグラフィックデザイナーGUCCIMAZEらを擁するコレクティブRave Racersが、コンピレーションアルバム『SPEED WAY 2』をリリース。“^_^”はどんぐりずのchomoによるトラックで、抜け感のあるパーカッションが心地良い前半と、トランシーな音色を主体としたハードな後半とのコントラストが印象的なダンスチューンに仕上がっている。どんぐりずでもダンサブルなアプローチを見せてきたchomoの、プロデューサーとしての実力が遺憾無く発揮された一曲だ。(山本輝洋)

このほかにも、今週は冨田ラボ、VaVa、Tohji、アイナ・ジ・エンド、Phoenix、Shygirl、Ms.Machine、Dvwnなどの新曲30曲を追加。CINRA編集部がいま聴いている曲をセレクトするプレイリスト「Songs We Dance To」は、Apple Musicで毎週水曜に更新中。



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