旬な焼き菓子を食べるなら。東京の注目ベイクショップ紹介

クッキー、マドレーヌ、パウンドケーキ……。日持ちするため手土産としても重宝される焼き菓子は、一般的にはナッツやドライフルーツ、茶葉、スパイスなどドライ食材を使用したものがおなじみですが、昨今、生のフルーツや野菜を使った焼き菓子を作るお店も増えてきています。そこで今回注目したいのが、生のフルーツや野菜を使った、「旬を感じられる」焼き菓子を提供するベイクショップ。可愛らしくも美しい、今を感じる、焼き菓子の世界へどうぞ。

営業は、水・金・日曜の3日のみ。初台の人気焼き菓子店『Sunday Bake Shop』

京王新線初台駅から徒歩約7分。『Sunday Bake Shop(サンデーベイクショップ)』は、決して交通至便とは言えない立地ながらも、常に客足の絶えない人気店です。

オーナーの嶋崎かづ子さんは、鎌倉のジャム専門店『ロミ・ユニ コンフィチュール』などを展開する、いがらしろみさんとのお菓子ユニット「ビスキュイティエ」としても活動していましたが、解散後、フリーのおかし屋さんに。2009年、現在の店舗がある場所の近くに、小さな工房兼店舗を構えたのが『Sunday Bake Shop』の始まりです。もともとは、ケータリングやイベントをメインにしていたため、店名の通り店舗販売は日曜のみでした。

2014年に現在の場所へ移転すると、小さなカフェスペースを設け、イートインも可能に。現在では水・金・日曜の週3日間の営業に拡大しています。

旬を感じる焼き菓子が最も多く並ぶのは日曜日。大きくカットされた桃やパイナップル、イチジクなどの季節のフルーツや、ナッツなどがごろごろと入り、食感も楽しめます。

日曜は店の外まで行列ができるので、嶋崎さんは一日中お菓子を焼き続けるそう。お店のインスタグラムで焼き上がりを伝えているので、来店前に必ずチェックを。

日曜日より規模は小さめですが、水曜日は限定でパンケーキが登場。旬のフルーツを使った手作りジャムが数種類用意されているので、自由にトッピングできます。

金曜日は、コーヒーをテーマにした日。バリスタが選んだコーヒー豆の風味に合わせてメニューを組み立てるため、コーヒーと焼き菓子のペアリングを楽しめます。嶋崎さん曰く「コーヒーを飲んでみて、香りがヘーゼルナッツっぽいかな、レモンのニュアンスがあるかな、みたいに特徴をつかみながら、お菓子の食材を決めていきます」とのこと。

「ストーンフルーツのひらたいケーキ」(400円)は、ココナッツ入りのケーキの上に、桃とネクタリンがたっぷり。仕上げにシロップをかけるので、しっとりとした食感です。

「ネクタリンのアーモンドケーキ」(400円)は、旬のネクタリンと、アーモンドの入った焼き菓子。甘酸っぱいネクタリンの果実感に、アーモンドの香ばしさがアクセント。

お店のアイコン的存在の、「にゃんころうショートブレッド」は500円。 ちなみに、ポップの個性的な字とイラストも嶋崎さんによるもので、手描きのかわいらしさにほっこり。曜日によって変わるメニューを味わいに、早起きして出かけてみてはいかがでしょう。

店舗情報
Sunday Bake Shop
住所:東京都渋谷区本町1-58-7
営業時間:日9:00~19:00、水7:30~17:30、金7:30~19:00(金曜日のコーヒー屋さん)
定休日:月・火・木・土曜日
電話番号:非公開
最寄り駅:初台駅
Webサイト:https://sundaybakeshop.jp/

ギフトにもぴったり。渋谷と代官山の間にある『The Bake』

JR渋谷駅南口から、桜丘町を通って代官山方面へ。その途中、鶯谷町に入ったあたりにこぢんまりと佇むのが、『The Bake』。ニューヨークをイメージしたという店内に入ると、焼き菓子とケーキ、パンなどが並びます。

オーナーの西田通子さんは、個人経営のパティスリーや、アパレルブランドが手がけるレストランのデザート部門などを経験したのちに、独立。「以前勤めていたお店で感じた違和感をひとつひとつ潰していって、自分の理想とするお店を作ろうと思い、開業を決意しました。代官山に勤めていて土地勘があったので、このエリアで物件を探したんです」と、西田さんは言います。

ショーケースには、グルテンフリーのキャロットケーキや、オーソドックスなモンブラン、シュークリームなどがずらりと並びます。メニュー展開に関しては、「フランス菓子、アメリカ菓子など型にはまらずに、かといって奇をてらわずに、地域の方に寄り添うようなお菓子づくりを心がけています。自分たちがおいしいと思うお菓子を提供したい」とのこと。

下の写真手前は、「鳴門金時と紅あずまのスイートポテト」(350円)。奥は、「栗と南瓜とチョコレートのシューケーキ」(520円)。春にはさくらのシフォンケーキ、夏の終わり頃には広島県産の無農薬イチジクを使ったマフィンやタルトなど、季節限定の焼き菓子も登場します。

小ぶりな焼き菓子は、250円前後から展開。2019年1月には店の内装をリニューアルし、それに合わせて焼き菓子をメインとしたお店に生まれ変わる予定とのこと。

ちなみに、ギフト用に購入する人も多く、ハロウィンやクリスマスといったイベント時期には、限定のオリジナルギフトボックスも登場します。自分へのご褒美はもちろん、ちょっとしたお土産にもぴったりの焼き菓子店です。

今後の展望について伺うと、「人の身体はもちろん、環境にも優しいお菓子を作っていきたい。ヴィーガンなども取り入れる予定ですが、片寄りすぎず、さまざまな人にとって選択肢のある店でありたいです」と、西田さんは話してくれました。

店舗情報
The Bake
住所:東京都渋谷区鶯谷町7-6磯田ビル1F
営業時間:11:00~20:00
定休日:無休
電話番号:03-5428-3933
最寄り駅:渋谷駅
Webサイト:http://www.thebake.jp/

ローカルに愛される、西小山の小さな焼き菓子専門店『キュイソン・ルカ』

最後に紹介するのは、東急電鉄目黒線の西小山駅前から続く、すずらん通り商店街を抜けた先にある焼き菓子専門店『キュイソン・ルカ(cuisson-lucca)』。

もとは雑貨店だったという物件を改装し、2013年にオープン。ペンキ塗りやタイル貼り、天井のぶち抜きなどは、オーナーの野澤克正さんが自らのDIYで造りあげました。

オランダのイカ釣り漁船のライトや、インドで使われていた大きなテーブル、チーク材でできたオーダーメイドのディスプレイ什器など、一見バラバラなアイテムですが、世界観が統一されてまとまった空間の印象を受けます。

焼き菓子は手頃な価格設定で、120円くらいから並びます。秋の時期に登場する、「リスのヘーゼルナッツクッキー」(240円)は、見た目も可愛らしい逸品。

そのほかにも週末限定で、フレッシュフルーツを使用したタルトやパイが登場。 取材日には(360円)が店頭に並んでいました。

お土産やギフト用には、京都の老舗紙器メーカーによる『BOX&NEEDLE(ボックスアンドニードル)』でオーダーしたギフトボックスもあるのが嬉しいところ。

そんな『キュイソン・ルカ』を運営する、オーナーの野澤さんは元サラリーマンという、異色の経歴の持ち主。「もともと風力発電所の発電機を販売する営業をしていたのですが、仕事の規模が大きすぎて、自分の仕事が誰にどう役立っているのか、実態がわからなくなって。今は近所に住んでいる小さい女の子が、小脇に財布を抱えてお菓子を買いに来てくれることがあったり、どんな人に届いているのか実感できる。なにより、お客さんに『ありがとう』と言われるのが嬉しいですね」と話してくれました。

店舗情報
キュイソン・ルカ
住所:東京都品川区小山5-25-10 平岡マンション1C
営業時間:10:00~20:00
定休日:火曜日
電話番号:03-6421-5535
最寄り駅:西小山駅
Webサイト:https://www.instagram.com/cuissonlucca/


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