秘密ロッカーのヒミツ大捜索

秘密ロッカーのヒミツ大捜索 第4話:不法侵入中に、HIROKIさん(Dragon Ash)へインタビュー

不法侵入中に、HIROKIさん(Dragon Ash)へインタビュー

じゃあ今度さ、CINRAの音楽イベントに出しちゃおうよ、秘密ロッカー。そこで会えばいいじゃん。

あのHIROKI氏の意見を却下するだなんて、やはり秘密ロッカーの面々は只者じゃないようだ。しかし、それもバンドとHIROKI氏がお互いを信頼しあっている証なのだろう。それにしても秘密ロッカーのこととなると、いつものコワモテから一転、少年のように目を輝かせて話すHIROKI氏。次の作品について話を振ると、ついつい口を滑らせて、終わったばかりというレコーディングの様子を語ってくれた。これはスクープGETだ!

タナカ

―次の作品はどんな風に持っていきたいですか?

HIROKI

HIROKI:実はもうレコーディングしたんだよ。これ、まだ言っちゃいけないのかな? ……まぁ、いいや。でも、この1年の成長ぶりはすごかったね。スタジオもスタッフも全部前作と一緒なんだけど、こんなにも変わるものなんだ! って。断然よくなってるよ。今回はヘッドフォンもしたしね(笑)。

タナカ

―スタジオもスタッフも一緒なのによくなったということは、単純にメンバーのスキルが上がったということですよね。

HIROKI
HIROKI

HIROKI:メンバーはそれに何も気づいてないけどね(笑)。あと、楽器隊はもちろんだけど、アッコの成長もすごかったな。たぶん、いろんな人たちと関わるようになって、何かが変わったんだろうね。自分のためだけに歌ってない感じがすごい出てきた。歌で感動させるためには、これってすごい重要なんだよ。俺もミックスしながらグッと来ちゃったりしてね。

タナカ

―それは楽しみですね!

HIROKI

HIROKI:あと、アッコといえば、レコーディングに行ったらやたら足が大きくなってて。「どうしたの?」って訊いたら、「靴下を重ね履きしました」って言うから、2枚履きすると体が温まって歌いやすくなるのかなと思ったら、「7枚履いてます」って(笑)。2枚履いてみたら気持ちよかったらしくて、3枚履いたらもっとよくなって、4枚履いて、5枚履いて……で、7枚がベストだったらしい。あと、絶えずツナ缶を食ってたね。油で喉を潤してるんだろうけど、ツナ缶食うヤツなんて初めて見たよ。まぁ、そのおかげなのか、セカンドは声質が変わったんじゃないかってくらい、いい声が出てたね。でもね、アッコは本当に歌がうまい。パンクバンドのボーカルとは思えないくらいピッチとかリズムもいいんだよ。ギターのチューニングもズレてたりするんだけど(笑)、アッコだけはピッチが合ってる。

タナカ

―ほんと、おかしなバンドですね。

ギター
HIROKI

HIROKI:歌から始まる曲とか、だいたいカウントを入れといて、あとでカウントの部分だけカットするんだけど、アイツらカウントもなしにいきなり歌ってパチっと合うんだよ。俺、「カウント入れなくていいの?」って言ったら、「CDにカウント入っちゃうじゃないですか!」って(笑)。ホントは後から消せるんだけど、それができちゃうアイツらはすごいと思ったわ。あんなバッチリ合うバンドは見たことないから。

ヘッドフォンやカウントの話といい、靴下やツナ缶の話といい、文明の「ブ」の字も感じさせないエピソードの数々だが、秘密ロッカーの音楽が持つ近頃のバンドからは感じられない生々しさは、彼らのこうした野生児っぷりも関係していそうだ。むしろ、ここまで既存のルールに侵されていない彼らが、今後どのような進化をしていくのか。HIROKI氏も彼らの可能性に大きな期待を抱いているようだ。

HIROKI

HIROKI:いままではデカい会場でライブすることが多かったから、小さいライブハウスまで見るタイミングが少なかったんだけど、秘密ロッカーと関わるようになったおかげで、アンダーグラウンドに面白い人たちがいっぱいいることが改めてわかったんだよね。そういうシーンがもうちょっと盛り上がって、それなりにメンバーが音楽に専念できる環境を作れたらいいなって思うんだけど、秘密ロッカーにはその先陣切って欲しいとまでは言わないまでも、そういうのもアリなんだなっていう存在になってほしいんだよね。そうすれば必然的にシーン全体も盛り上がってくるだろうし。でも、アイツらはまわりが盛り上がってきても、浮き足立たずに我が道を進んでいるのがいい。やっぱり、こんだけありきたりな音楽ばっかりの中で、時代性関係ないヤツがすごいパワーでやらないと変わらないから。そういう意味ですごく可能性を感じてるんだよ。

こうして、自身のキャリアから秘密ロッカーへの想いまでを熱く語ってくれたHIROKI氏。気づけばタモ氏の家に着いてから3時間が経過していた。相変わらず帰ってくる気配のないタモ氏。HIROKI氏の貴重な話に夢中で、もはやタモ氏のことを忘れかけていたが、今日はタモ氏に会うためにここまで来たのだ。しかし、(勝手に開けた冷蔵庫の)ビールを飲んで、ほどよく酔いもまわってきたHIROKI氏は、急に立ち上がって一言。

HIROKI

HIROKI:じゃ、俺そろそろ帰るわ。

タナカ

―えーっ! 待ってくださいよHIROKIさん! タモさんが帰ってくるまで待とうって言ったのHIROKIさんじゃないですか!

HIROKI

HIROKI:だって、もう待つの飽きたし。じゃあ今度さ、CINRAの音楽イベントに出しちゃおうよ、秘密ロッカー。そこで会えばいいじゃん。

タナカ

―えー! いきなりイベント出演決定!?

HIROKI

HIROKI:アイツらに言っておくからさ。じゃあねー!

あっ……これでタモさんが帰ってきたら、僕は完全に不法侵入者だ! しかし、散らかした部屋をそのままにして帰るわけにもいかず、急いで後片付けをしてHIROKI氏の後を追ったものの、とき既に遅し。都内の闇にHIROKI氏は消えてしまったのである……次回、どうなっちゃうの!?
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