『クリエイターのヒミツ基地』

『クリエイターのヒミツ基地』 Volume10 関根光才(映像ディレクター)

『クリエイターのヒミツ基地』 Volume10 関根光才(映像ディレクター)

ノートPCを開けば、すぐにそこが仕事場所に

「仕事仲間の言葉ですが、『映像は水を通したほうがいい』という話があります。つまり、フィルムで撮って感光液など自然なものを通すことで、なんらかの力が宿る、と。えも言われぬ映像の良さみたいなものは、そこで生まれると思っています」

そうこだわりを語る関根さんからは、映像への並々ならぬ意欲と愛情が感じられます。同様に、仕事道具にもかなりのこだわりがあるのかと思い聞いてみると、「いや、道具にはまったく(笑)」という答えが。

海外を行き来することも多い関根さんの仕事場所は、ある日は広告会社の打ち合わせ室であり、ある時は撮影現場。ノートPCを開けばすぐにそこが仕事場所になります。そのため、カバンの中には常に仕事道具が積み込まれ、それは移動の負担にならないように必要最低限のものだけ。では、常に関根さんのそばでクリエイティブを支えているのは、どんなヒミツ道具なのでしょうか?

ステッドラー マルステクニコ

ステッドラー マルステクニコ

友達に勧められたという製図用のエンピツ。初めて使った7年前からずっと、絵コンテを描く際に使用しています。2mmの替え芯を装着して使用するシャープペンのような構造で、エンピツと同じような滑らかな描き心地なのが特徴。一日で大量に描くことが多い絵コンテには、この太さと重厚感がちょうど良く、他のエンピツではもうコンテは描けないそう。「あまりこだわりはないんですが、使い慣れた道具じゃないとうまくいかないんです。不思議と感情移入できないというか、気持ちが乗らないんですよ」

筆ペン

筆ペン

「これもこだわりはありません(笑)」と言ってから紹介してくれた、使い古した筆ペン。これも絵コンテを描く時に使用しています。「筆で描いたら雰囲気が変わるかなと思って、たまたま家にあったものを使い続けてます。多分、コンビニとかで普通に売っているもの。気分転換のつもりで使ったんですけど、意外と仕上がりがよくて気に入っちゃったんです」

ペンタブレット

ペンタブレット

エンピツや筆ペンで描いた絵コンテをスキャンし、デジタルで色を塗って具体的なイメージとして作り込むときに活躍しているのが、Intuos4です。「僕は美大を出てないから、絵の具のことは全然分からない。エンピツでラフは描けるけど、手描きじゃ色は塗れないんです。でもデジタルだと簡単にできてしまうので、ずっと活用しています。最近は自分で編集する機会も少なくなりましたが、After EffectsやFinal Cutを用いた映像編集の作業でも使っていました。細かいパスの作成はマウスではできないので、作業効率が全然違うんですよ」

会社員だった頃から小型のペンタブレットを使用しており、その手つきもかなり慣れたもの。しかし最新のIntuos4を使ってみて、描き心地の軽さやリアルさに驚いたそう。特にブラシの太さを変更できるタッチホイールや、自分の好きな機能を登録できるファンクションキーがお気に入り。常に持ち歩く、必須の仕事道具に仲間入りしそうです。

Canon 7D

Canon 7D

ヴィム・ヴェンダースのフィルム映画に憧れてこの世界に入った関根さんは、映像を撮るときは今でもフィルムと同じ35mmが基準。そのためフィルムに近いセンサーサイズの7Dを使用し、アングルチェックなどを行っています。「撮影を5Dですることもありますが、ディレクターとしてはこの7Dがメイン。今はデジタル一眼もかなり精度がいいので助かっています。最近の撮影現場で目にするのも、ほとんどそのどちらかなんですよ」

MacBook Air

MacBook Air

機動性も重要なディレクターにとって、ノートPCは必需品。映像編集など重いデータを扱う際は自宅のiMacを使い、このMacBook Airでは資料やスケジュールを管理。外出時には常に持ち歩き、どこでも仕事を進められる状態です。「歴代のPowerBookをずっと使ってきたんですけど、この軽さは本当に衝撃的でもう手放せないですね。これだけ薄いのにIllustratorやPhotoshopでの作業も割と問題がないし、とても重宝しています」

道具は必要最低限なのに、生まれる映像にはどれも「関根さんらしさ」とも言える独特の楽しさが詰まっています。もしかすると、映像への情熱や「面白いものを作りたい」という意欲こそが、もっとも重要な「ヒミツ道具」なのかもしれません。関根さんの仕事術、みなさんもぜひ参考にしてみてください。

PAGE 1 > 2

「クリエイターのヒミツ基地」連載もくじへ



フィードバック 0

新たな発見や感動を得ることはできましたか?

  • HOME
  • Article
  • 『クリエイターのヒミツ基地』 Volume10 関根光才(映像ディレクター)

Special Feature

coe──未来世代のちいさな声から兆しをつくる

ダイバーシティーやインクルージョンという言葉が浸透し、SDGsなど社会課題の解決を目指す取り組みが進む。しかし、個人のちいさな声はどうしても取りこぼされてしまいがちだ。いまこの瞬間も、たくさんの子どもや若者たちが真剣な悩みやコンプレックス、生きづらさを抱えながら、毎日を生きている。

記事一覧へ

JOB

これからの企業を彩る9つのバッヂ認証システム

グリーンカンパニー

グリーンカンパニーについて
グリーンカンパニーについて