MIYAVIが一足早く実現。スマホが同期する次世代の新体感ライブ

スマートフォンアプリと連携したMIYAVIの対バンプロジェクト

木村拓哉主演の映画『無限の住人』の主題歌として書き下ろした“Live to Die Another Day -存在証明-”を含むベストアルバム『DAY 2』のリリースを皮切りに、デビュー15周年を記念し、さまざまな活動を見せるMIYAVI。彼がベスト盤のリリースの次に行ったのは、都内15本の対バンライブ『NEO TOKYO 15』だった。

THE ORAL CIGARETTES、GLIM SPANKY、氣志團、ゆるめるモ!、などなど、ジャンルもキャリアも異なるアーティスト全17組を次々に迎えるこのライブシリーズ。それは、6度目のワールドツアーを終えたばかりであるMIYAVIの「最新型」のライブを見ることができる、またとない機会である。6月6日赤坂BLITZにて行われた、その5本目となる金子ノブアキとの対バンライブをレポートしたい。

開演間際、スマートフォンのアプリの起動を促す場内アナウンスが入る。今回の対バンシリーズのために用意された「NEO TOKYOアプリ」だ。アプリを立ち上げると、MIYAVIの足跡を辿るダイジェストムービーが再生され、続けてMIYAVI本人によるメッセージ動画が流れる。

開演前のライブ会場内、アプリからはMIYAVIの足跡を辿るダイジェストムービーが再生される
開演前のライブ会場内、アプリからはMIYAVIの足跡を辿るダイジェストムービーが再生される

「テクノロジーとコンテンツ、その両輪が噛み合って初めて化学反応が起こる」(MIYAVI)

このライブ中に活用することになるアプリを始め、演出に関わる技術を全面的にバックアップするのは、ドコモ。今回のMIYAVIのライブ公演でテクノロジーによる新しいライブ体験を提示してみせることを目指したという。

ドコモ担当者:今年ドコモが25周年を迎えるにあたり、重点的に取り組んでいるジャンルのひとつがエンタメ分野になります。端末や、これから普及していくであろう技術を活用して、どんな新しいエンタメ体験が提供できるのか。

それはお客様にとってはもちろん、アーティストにとっても、自らの表現の幅を広げていくためのヒントになるのではないか。そういう思いのもと、先鋭的なライブパフォーマンスを披露し続けているMIYAVIさんと共に、本プロジェクトをスタートしました。

開演前のライブ会場内、アプリからMIYAVI本人によるメッセージ動画が流れ出す
開演前のライブ会場内、アプリからMIYAVI本人によるメッセージ動画が流れ出す

MIYAVIは、今回のツアーに寄せて、次のようにコメントしている。

MIYAVI:ドコモさんから、お客さんとドキドキワクワクする新しい体験を共有したいという思いを伺いました。その部分にアーティスト / エンターテイナーとして共鳴し、ご一緒させてもらうことになりました。

今回のライブでは、テクノロジーだけでもコンテンツだけもなく、その両輪が噛み合って、初めて化学反応が起こると思います。そういう意味で、ドコモの持つテクノロジーとMIYAVIの音、そしてライブの瞬間のパッションとのリンクが、いちばん重要になってくると感じています。

スマートフォンがサイリウム代わりに

この日、最初にステージに登場したのは、金子ノブアキだった。MIYAVIと同い年であり、互いに刺激を受け合う仲間でもあるという金子が、ボーカル / ドラム、ギター、マニピュレーター / シンセサイザーという3人編成で繰り出す、鬼気迫る演奏。それは、ときに激しく、ときに静謐な金子ノブアキのインナーワールドを描き出していく。さらに中盤では、注目のパフォーマンス集団enraが演出する映像が、演奏と同期した形でステージ背後のスクリーンに映し出されていた。

そして、いよいよMIYAVIがステージに登場。それを受けて「NEO TOKYOアプリ」が再び動き始める。MIYAVI(Vo&G)、BOBO(Dr)、DJ JOHNNY(DJ)という、こちらも3人編成で登場した彼らは、ダイナミックなスラップ奏法が冴え渡る“What's My Name?”から、この日のライブをスタートさせた。

楽曲と同期する形で、明滅、振動を繰り返す観客のスマートフォン。今回のライブでは、目の前で演奏している楽曲のタイトル表示など情報面のサポートはもちろん、要所要所で画面の色がいっせいに切り替わり、さながらサイリウムのような役割を果たすなど、スマートフォンの使用が積極的に推奨された、ユニークなライブ演出となっていた。

MIYAVIの演奏に同期して発光する観客のスマートフォン
MIYAVIの演奏に同期して発光する観客のスマートフォン

今ある環境で、未来のエンタメ体験を疑似再現するには

この会場で用いたアプリ「NEO TOKYO」を実現させるためには、いくつかの技術的な困難があったという。そもそも現在のライブハウスには、スマートフォンとの連携をスムーズにするためのWi-Fi環境が、ほとんど整っていないのだ。それもそのはず、現在のライブハウスや映画館は、スマートフォンの使用を前提に作られておらず、むしろ電源を切ることを推奨するような状況にある。

そこで今回ドコモは、ひとつの奇策に打って出る。敢えて通信を使わず、当日会場で流される「非可聴音(人間の耳には聴こえない周波数)」に反応して、アプリが稼働するようにしたのだ。

ドコモ担当者:現在は4Gと言われる第4世代の通信規格なのですが、2020年を目処に商用化を目指している5Gという通信規格があります。それが実現すると、高速大容量はもちろんのこと、同時多接続が可能になる等飛躍的に進化を遂げる可能性がある。

遅延なくスマートフォンが動作するようなことも可能となるでしょう。今回の施策は、今後新たなエンタメ体験を、既存技術で体験できる場所といえます。

赤坂BLITZでの公演の様子
赤坂BLITZでの公演の様子

明滅するスマートフォンがステージパフォーマンスを引き立てる

実際のライブでのスマートフォンを用いた演出手法には、MIYAVIとドコモの両者のあいだで、さまざまな意見のやりとりがあったという。

ドコモ担当者:どうしても我々の技術部隊は、今現在可能な技術からどんな演出ができるかを考えてしまいがちです。けれども、アーティストは――当たり前ですが、「こういうことをやりたいから、こういう機能を作れないか?」というように、自由な発想から我々にいろいろなアイデアをぶつけてくるわけです。

アーティスト自身のステージや演奏が良くなるためには、どうスマホを使うのがいちばん良いのか。何ができるかではなく、何をやりたいかが大事なんです。その発想の違いには、我々もかなり刺激を受けるところがありました。

赤坂BLITZでの公演の様子
赤坂BLITZでの公演の様子

要所要所で、スマートフォンの使用を促しながら、臨場感溢れるダイナミックな演奏を響かせるMIYAVI。そこにあるのは激しさだけでない。中盤に披露された“Live to Die Another Day -存在証明-”では、「斬り合いの刹那」を表現すると同時に、悠久の時を感じさせる壮大なメロディーを弾き上げてみせた。

MIYAVIのライブパフォーマンスの振り幅とスケール感は、近年さらに大きなものとなっている。そして、その演奏を引き立てるように観客たちのスマートフォンが明滅する様は、あまり見たことのない幻想的な空間を生み出していた。

「世界中のファンの皆と同じステージを共有する。そんな日も遠くない」(MIYAVI)

現在もライブごとに、スタッフとのミーティングを行い、技術面での微調整を続けているという今回のスマホ連動のライブツアー。MIYAVI自身は今回の試みに、現在どんな手応えや感想を持っているのだろうか。

MIYAVI:スラップに合わせてスマートフォンが連動して光ったり、スマートフォンから流れるオーケストレーションと一緒に演奏したり、来てくれるファンの皆と一緒に、インタラクティブにライブを共に創れる部分が最大の魅力だと思います。アプリを起動させる非可聴音という解決策や、キャリアへの申請含め、各所スタッフの皆さんも、日々奮闘してくれました。

今後はもっと魅せるショーにしていきたいと思っていて、そのうえでテクノロジーとの融合は、非常に興味深いです。それこそ東京やロサンゼルスにいながら、世界中のファンの皆と同じステージを共有する。そんな日も遠くないと感じています。

赤坂BLITZでの公演の様子
赤坂BLITZでの公演の様子

アーティストと観客がともに新しい体験を作っていく未来

今回のライブツアーではMIYAVIサイドの要望もあり、実際会場に来られない人のためのアプリ「ライブVR」も用意されている。このアプリを使用すれば、4K VR映像とマルチアングル映像を、リアルタイムで受信することができる。

ライブ終了後には、4K VRのアーカイブをはじめ、合計10会場のダイジェストアーカイブ映像を配信。場所を選ばず、これまで以上に鮮明な映像で、MIYAVIのライブを楽しむことができるという。

いずれにせよ、ライブのリアルタイム配信やVR映像も含めて、ライブとスマホを連動させる試みは、まだまだ始まったばかりだ。来るべき5G時代に向けて、このMIYAVIとドコモによるプロジェクトが先駆けとなり、今後さらなる施策がさまざまな場所で行われていくことだろう。

そこで大事なのは、その中心にはあくまでも、臨場感溢れるダイナミックなパフォーマンスを披露する、アーティストがいるということだ。先のMIYAVIの言葉ではないが、「何ができるかではなく、そこで何をやりたいのか」。そこには当然、アーティストの思いのみならず、それを見ている観客たちの思いも、反映されていくだろう。

サイト情報
MIYAVI×ドコモ スペシャルサイト

世界で活躍するギタリストMIYAVIのデビュー15周年を記念した「NTT DOCOMO presents MIYAVI 15th Anniversary Live“NEO TOKYO 15”」ツアー。15本の対バンライブを、これまで体験したことのない迫力の映像とスマホでのLIVE演出で体感できる。

ライブをさらに楽しめる観客向けアプリ「NEO TOKYO」と、ライブの熱気を会場外でもバーチャルに体感できるアプリ「ライブVR」のDLもこちらより

イベント情報

2017年5月21日(日)
会場:東京都 赤坂BLITZ
出演:
MIYAVI
THE ORAL CIGARETTES

2017年5月25日(木)
会場:東京都 代官山 UNIT
出演:
MIYAVI
GLIM SPANKY

2017年5月26日(金)
会場:東京都 お台場 Zepp DiverCity
出演:
MIYAVI
氣志團
ゆるめるモ!

2017年5月28日(日)
会場:東京都 下北沢GARDEN
MIYAVI
LOCAL CONNECT

2017年6月6日(火)
会場:東京都 赤坂BLITZ
出演:
MIYAVI
金子ノブアキ

2017年6月10日(土)
会場:東京都 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
出演:
MIYAVI
coldrain

2017年6月11日(日)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM
出演:
MIYAVI
04 Limited Sazabys
魔法少女になり隊

2017年6月12日(月)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM
出演:
MIYAVI
SiM

2017年6月15日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST
出演:
MIYAVI
Crossfaith

2017年6月21日(水)
会場:東京都 渋谷 clubasia
出演:
MIYAVI
Crystal Lake

2017年6月22日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-WEST
MIYAVI
OKAMOTO'S

2017年6月24日(土)
会場:東京都 渋谷 WWW
出演:
MIYAVI
Charisma.com

2017年6月25日(日)
会場:東京都 渋谷 WWW X
出演:
MIYAVI
ちゃんみな

2017年6月27日(火)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO
出演:
MIYAVI
ACIDMAN

2017年6月29日(木)
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST
出演:
MIYAVI
三浦大知

プロフィール
MIYAVI
MIYAVI (みやび)

アーティスト / ギタリスト。エレクトリックギターをピックを使わずに全て指で弾くという独自の“スラップ奏法”でギタリストとして世界中から注目を集め、これまでに約30カ国300公演以上のライブと共に、6度のワールドツアーを成功させている。2015年にグラミー受賞チーム「ドリュー&シャノン」をプロデューサーに迎え全編ナッシュビルとL.A.でレコーディングされたアルバム『The Others』をリリース。2016年に8月にはLenny Skolnikをプロデューサーに迎え『Fire Bird』をリリース。また、アンジェリーナ・ジョリー監督映画「Unbroken」(2016年2月 日本公開)では俳優としてハリウッドデビューも果たした他、映画『Mission: Impossible -Rogue Nation』日本版テーマソングのアレンジ制作、SMAPへの楽曲提供をはじめ様々なアーティスト作品へ参加するなど、国内外のアーティスト/クリエイターから高い評価を受けている。常に世界に向けて挑戦を続ける「サムライ・ギタリスト」であり、ワールドワイドに活躍する今後最も期待のおける日本人アーティストの一人である。



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