jan and naomiとGateballers濱野がドラマのように交わった

大阪発、兄妹ツインボーカルバンド・BROTHER SUN SISTER MOON

5月31日、CINRAと音楽アプリ「Eggs」の主催による無料音楽イベント『exPoP!!!!!』が、TSUTAYA O-nestにて開催された。

この日のトップバッターを務めたのは、兄妹ツインボーカルが魅力の男女混合4人組バンド、BROTHER SUN SISTER MOON。

BROTHER SUN SISTER MOON
BROTHER SUN SISTER MOON

惠翔兵(BROTHER SUN SISTER MOON)
惠翔兵(BROTHER SUN SISTER MOON)

惠愛由(BROTHER SUN SISTER MOON)
惠愛由(BROTHER SUN SISTER MOON)

1曲目“intro”から“Paranoid”の流れで、サイケデリックな世界を立ち上がらせ、会場の雰囲気を手中に収める。印象的なのは、惠愛由(Ba,Vo)の艶のある歌声とハイトーンで絡む惠翔兵(Gt,Vo)のコーラス。削ぎ落されたギターフレーズ、余白を残した音像は洗練されていた。

BROTHER SUN SISTER MOON
“Paranoid”を聴く(Eggsを開く

BROTHER SUN SISTER MOON

結成は2017年、大阪在住のため東京でのライブはまだ2回目というが、彼らの佇まいは堂々たるもの。この日最後に披露された“Numb”のアレンジも秀逸で、これからさらなるバンドの飛躍を予感させた。

BROTHER SUN SISTER MOON
“Numb”を聴く(Eggsを開く

BROTHER SUN SISTER MOON

BROTHER SUN SISTER MOON

まぶしい笑顔の裏にある心の内もさらけ出したロザリーナ

2番手に登場したのは、2016年に西野亮廣(キングコング)の著書『えんとつ町のプペル』(2016年、幻冬舎刊行)のテーマソングを担当したことで注目を集め、今年4月にメジャーデビューを果たしたロザリーナ。

ロザリーナ
ロザリーナ

ロザリーナ

1曲目はアップリフティングな“GOOD NIGHT MARE”。アグレッシブな演奏の上で、少しハスキーでありなら伸びやかに響く歌声は唯一無二の存在感を放っていた。

ロザリーナ

小袋成彬率いる「Tokyo Recordings」のサウンドプロデュースによるメジャーデビュー曲“タラレバ流星群”の前には、今回メジャーデビューを果たした経緯について、これまでチャンスがいくつかありながらもたち消えになった話、そこからやっと掴んだ今回のデビューへの想いなど、観客に切々と語りかける。

ロザリーナ

内省的でありながらも常に前を向こうとする詩世界に通ずる話に、会場からは温かい拍手が。そうして披露された“タラレバ流星群”は、この日いちばんの熱を帯び、フロアもそれに応えるように手を掲げていた。

ロザリーナ

ロザリーナ

サウンドもビジュアルも、強烈だったGateballers

続いて登場したのは、小山田壮平(AL,ex.andymori)と「Sparkling Records」を共同で立ち上げた濱野夏椰(Gt,Vo)が率いるGateballers。フロアには、ライブシーンでその名を轟かしている彼らを「今、観ておきたい!」という期待が充満していた。

Gateballers
Gateballers

Gateballers

濱野夏椰(Gateballers)
濱野夏椰(Gateballers)

穏やかなSEから一転、ノイジーなイントロと雄叫びから演奏がはじまると、濱野夏椰が白目を向きながらギターをかきむしり、フィードバックノイズを生み出す。衝撃的な幕開けから、相反する要素をいっしょくたにしたようなサウンドと詩情が絡み合う“「The all」=「Poem」”、ナンセンスとユーモアが絶妙な案配で顔をのぞかせる“我爱你”を立て続けに披露する。

Gateballers

それにしてもなんて気持ちよさそうに演奏をする人たちなんだろう。麦わら帽子をかぶって登場した濱野の存在感も凄まじいが、突出したプレイアビリティーにもかかわらず、どこか笑えてしまう本村拓磨(Ba)もステージ上で強烈な雰囲気を放っていた。

本村拓磨(Gateballers)
本村拓磨(Gateballers)

1曲ごとに転がるように音像を変様させては、聴き手の予想を裏切り、脳内に様々な景色を駆け巡らせる。際限ない純粋さとそれゆえの凶暴性をまとったパフォーマンスは、聴く者が心に抱いた懐かしさや切なさをなぎ倒すようでもあり、とても頼もしかった。

Gateballers

Gateballers

Gateballers

ギター、ドラム、歌のみで、会場を熱気と緊張で包んだKlan Aileen

4番手に登場したのは、ポストパンク、ガレージロックなど様々なジャンルを飲み込んだ2ピースロックバンド、Klan Aileen。

Klan Aileen
Klan Aileen

Klan Aileen

1曲目に披露されたのは、最新アルバム『milk』から“心配性”。出音からノイジーなギターとつんのめるようなドラムがグルーヴを生み出し、緊張感の高い演奏で会場を包み込む。

松山亮(Klan Aileen)
松山亮(Klan Aileen)

竹山隆大(Klan Aileen)
竹山隆大(Klan Aileen)

続く“脱獄”では、松山亮(Gt,Vo)がギターリフを鳴らしながら身体の重心を左右に預けるように揺れる。そして彼らのなかでもとりわけBPMの早いトラック“Nightseeing”では、目を閉じながら張り裂けそうな歌声を炸裂させていた。

Klan Aileen

この日の白眉は、“再放送”。プロペラ音のように円環するビートと、歪んだギターリフがポリリズムで表現され、その上に松山が<躁メディア/躁メディア>というフレーズを呪詛のように繰り返し唱える。

異なるリズムが主張し合いながら渾然一体となった演奏は、さながら人力テクノ。観客は意識をここではない地平へと誘われ、思い思いに頭や身体を揺らしながら音に酔いしれていた。

Klan Aileen

最後、ドラムの竹山は松山と目を合わせて不敵な笑みを浮かべながら、“Masterbation”のアウトロに向けて高みを昇るようなドラミングを披露。口数は少なかったものの、音楽そのものが彼らのストイックな姿勢を雄弁に語っていた。

Klan Aileen

Klan Aileen

jan and naomiが作り上げた、この日限りのドラマのような瞬間

トリを飾ったのは、4月に1stフルアルバム『Fracture』をリリースしたばかりのjan and naomi。この日は、アルバムにも参加した佐藤優介(Key)とQUATTROのメンバーとしても知られる照沼光星(Dr)を迎えたバンドセットで出演。

jan and naomi
jan and naomi

jan and naomi

黒の衣装に身を包んだ高身長の2人がステージに現れるやいなや、どよめきが起こる。しかし、そんな期待を煙に巻くように「jan and naomiです、よろしくっす」というNaomi(Gt,Vo)の飾り気のないMCを合図にライブは幕を開けた。

jan and naomi

1曲目はレイドバックしたビートと2人のウィスパーボイスのハーモニーが印象的な“TIME”。Klan Aileenのステージ後も会場に残っていた緊張と熱を解していく。3曲目に披露された“(Wouldn't It Be Nice) To Fall Asleep In The Library”のアウトロでは、YESの“Heart Of The Sunrise”の印象的なリフを含んだセッションで、これまでのムードを切り裂いた。

Jan(jan and naomi)
Jan(jan and naomi)

Naomi(jan and naomi)
Naomi(jan and naomi)

改めて「jan and naomiです、よろしく』とJan(Ba,Vo)が囁き、“CSKE”、這うような低音ボイスが印象的な“Temple of Blue”を披露。会場を危険で妖艶な、デカダンな雰囲気に包んでいく。

Naomi(jan and naomi)

Jan(jan and naomi)

「今日無料でしょ? 出演したアーティストのことを応援してあげてくれよな」というNaomiのMCのあと、Gateballersの濱野夏椰を招き入れた“若き芸術家の肖像”が最後に演奏された。Naomiはドラムの照沼の膝の上で歌ったり、Janと肩を抱き合いながら1つのマイクに向かって歌っていた。

左から:Jan(jan and naomi)、濱野夏椰(Gateballers)、Naomi(jan and naomi)

jan and naomiと濱野夏椰(Gateballers)

これから活躍を期待される「若き芸術家たち」の友情も垣間見え、ロマンティックな一夜は大団円を迎えたが、彼らの音楽にまだまだ酔いしれていたいのか、会場からは終演後もしばらくアンコールを求める拍手が鳴り止まなかった。

jan and naomiと濱野夏椰(Gateballers)

jan and naomiと濱野夏椰(Gateballers)

イベント情報
『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume109』

2018年5月31日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
Klan Aileen
Gateballers
jan and naomi
ロザリーナ
BROTHER SUN SISTER MOON
料金:無料(2ドリンク別)

『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume110』

2018年6月30日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
ニトロデイ
SEVENTEEN AGAiN
Taiko Super Kicks
ZOMBIE-CHANG
Apollogic
料金:無料(2ドリンク別)

プロフィール
BROTHER SUN SISTER MOON (ぶらざー さん しすたー むーん)

2017年8月大阪にて結成。Gt,Vo惠翔兵(ex. Orca Shore)、Ba,Vo惠愛由、Gt下川孝悦、Dr岡田優佑の4人編成。インディペンデントとポップの橋を渡す楽曲と兄妹の混声コーラスが特長。現在、1st EP及びそのリードトラック『Numb』のミュージックビデオを制作中。

ロザリーナ

キュートなルックスとザラついた声。エッジの効いたサウンド。忘れられない声"ロザリーナ"その才能に触れた関係者・クリエイターたちが挙って絶賛。デビュー前の無名の新人にして、異例のタイアップ・大舞台でのパフォーマンスを獲得している。2016年、西野亮廣作の絵本『えんとつ町のプぺル』テーマ曲歌唱。2018年4月11日、『タラレバ流星群』でSONY MUSICよりメジャーデビューを果たす。

Gateballers (げーとぼーらーず)

2013年、Gt.Vo濱野夏椰・Ba本村琢磨を中心に東京にて結成。2014年11月に濱野が小山田壮平(AL,ex.andymori)らと共にレーベル「Sparkling Records」を設立。2015年7月にDr.久富奈良が加入し、現メンバーとなる。2016年3月に「Sparkling Records」より1stアルバム『Lemon songs』をリリース。その後、内村イタルをサポートメンバーに招き、4人編成として活動。2018年2月、「ツクモガミ」より2ndアルバム『「The all」=「Poem」』をリリース。3月から初の全国レコ発ツアーを開催。

Klan Aileen (くらん あいりーん)

2008年結成。2012年に『Astroride』にてアルバムデビュー。『Astroride』発表後に3人編成から、松山亮(Vo,Gt)、竹山隆大(Dr,Key)の2人編成へ、英語詩から日本語詩へとバンドのフォームを変える中で、ライヴ活動をほとんど行わずに沈黙。2015年からライヴ活動を再始動すると、2ピースとは思えない破壊的なサウンドとダイナミズムでシーンに復帰する。2016年に2ndアルバム『Klan Aileen』をMAGNIPHよりリリース。アルバム発売後にはCloud Nothings, Thurston Moore Bandなど国内外のアーティストのツアーに同行するなど、音源、そしてライヴ・パフォーマンスともに高い評価を得る。2018年5月23日に3rdアルバム『Milk』をリリース。

jan and naomi (やん あんど なおみ)

Jan Urila Sas とNaomiによるデュオ。2014年2月、1stシングル『A Portrait of the Artis as a Young Man/time』を「Hot Buttered Record」より7inchレコードで500枚限定リリース。10月に1st EP『jan,naomi are』を発表し、2015年3月には『サウンド&レコーディング・マガジン』のPremium Studio Live Vol.9「Crescente Shades」INO hidefumi+jan and naomiを配信リリース。2016年6月、2nd EP『Leeloo and Alexandra』を携え全国ツアー敢行。7月、『フジロックフェスティバル2016』に出演。2017年は、8月にロシア・ウラジオストック『V-ROXフェスティヴァル』、9月に『25th Sunset Live 2017』に出演。さらにアートやファッションとも親和性の高い彼らは、6月にMaison MIHARA YASUHIROの2018/SS ロンドン・コレクションでのライヴや、映画『Amy said』(村本大志監督・2017年9月30日公開)の映画音楽とエンディングテーマ"Black Milk"を担当するなど活躍の場をひろげている。2018年4月18日に待望のニュー・アルバムが「カッティングエッジ」からリリース。「狂気的に静かな音楽」という新たなミュージックスタイルを確立し、儚く切ないメロディーセンスでリスナーを虜にしている。

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