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街から生まれる音楽とは? 渋谷、高井戸、門前仲町のシティポップ

街から生まれる音楽とは? 渋谷、高井戸、門前仲町のシティポップ

『SUUMO presents Pops in the City』
テキスト
天野史彬
編集:野村由芽

ローカリズムに根ざした「ヒップホップ」と、理想の世界を投影した「シティポップ」

もし、あなたに、通勤や通学の途中、あるいは散歩やランニングの途中、イヤホンを付けてお気に入りの音楽を聴く習慣があるのなら、思い返してみてほしい。ありのままに見る街の景色と、音楽を聴きながら見る街の景色との間には、どのような違いがあるだろう。音楽は、あなたと街を、どんなふうに繋いでいるだろう。

人と、音楽と、街――この関係性は多種多様だ。特定の「時代」と「街」の在り様をリアルに描写するドキュメント性に優れた、ヒップホップやハードコアパンクのような音楽もある。その強固なローカリズムと、現実を直視するシビアな視線は、時に怒りや悲しみを含んだ社会的なメッセージとなって、現実に突き刺さる。最近で言えば、自らの出自と、そこでの仲間たちや家族との暮らしを赤裸々にラップしたラッパーのKOHHが、その代表例として挙げられるだろう。

しかし、それとは逆に、あくまでも音楽に理想や幻想を重ねることで、目の前にある現実の景色を塗り替えようとする音楽もある。日本におけるその最たる例が、「シティポップ」と呼ばれるジャンルの音楽だ。その源流に位置する1980年代の山下達郎は、ソウルやロック、ディスコなど海外由来のサウンドを貪欲に消化し、そこに洗練とロマンに満ちた架空の世界を描くことで、理想の「シティ」を想像 / 創造した。

その意志は、90年代には小沢健二やピチカートファイブを始めとする「渋谷系」と呼ばれるアーティストたちに、そして現在では、tofubeatsやceroなどの新世代アクトへと、時代を超え、サウンドを刷新しながらも脈々と受け継がれている。シティポップとは、目に映る現実だけが「現実」なのではなく、理想や夢も含めて描いた場所にこそ、自分たちが生きる「現実」があるのだと主張する若者たちの音楽とも言える。

大阪から、杉並区高井戸へ。東京で勝負しながら、冷静なまなざしで都会を見つめるPAELLAS

この度、不動産・住宅情報サイトの「SUUMO」が、「街から生まれる音楽がある。」をコンセプトに、PAELLAS、ORESAMA、YOUR ROMANCEという東京に拠点を置く3組のシティポップアーティストとタッグを組み、『SUUMO presents Pops in the City』を実施する。ライブハウスやクラブの中ではなく、街中での彼らの演奏風景を映像で捉えることで、今の時代における「音楽と暮らし」の在り方を問いかけるプロジェクトだ。

3組をそれぞれ紹介すると、まず、メンバー5人のうち3人が杉並区高井戸で暮らすPAELLASは、元々は大阪を拠点に活動していたバンドだ。

PAELLAS
PAELLAS

数々のブランドとコラボレートするなど、ファッション業界との繋がりも強い彼らだが、その洗練されたサウンドの奥には「東京でも勝負できるバンドでありたい」と本人たちが語る野心が常にある。閑静な住宅街でありながら、都心と郊外の分岐点とされる環状八号線の存在感も大きい高井戸は、PAELLASが「都会を外側から見つめる視点」を持ち続けることができる場所なのかもしれない。

煌びやかな街の記憶を追いかけて。長野出身のORESAMAが憧れの場所、渋谷で鳴らす音

渋谷区宇田川町を演奏場所に選んだ90年生まれの二人組ORESAMAは、元々は長野出身のユニットで、渋谷は常に「憧れ」の場所だったのだという。

ORESAMA
ORESAMA

宇田川町と言えば、90年代には渋谷系ムーブメント発祥の地となった場所である。その時代を知る大人たちにとって「90年代」や「渋谷系」など、もはや過去の産物かもしれないが、当時を知らない若者にとっては、煌びやかな過去の街の記憶とは、手の届かない理想なのだ。ORESAMAの音楽に宿ったレトロフューチャーな質感は、渋谷という街が持つ記憶と彼らの想像力が重なった姿なのだろう。

下町・門前仲町とエレクトロポップ。相反する要素が強固にするYOUR ROMANCEの世界観

メンバー5人がシェアハウスを行っていたという、江東区門前仲町で演奏するYOUR ROMANCE。

YOUR ROMANCE
YOUR ROMANCE

彼らの80年代感漂う洋楽志向の強いエレクトロポップサウンドは、一見、極めて日本的な下町情緒あふれる門前仲町のイメージとは噛み合わないのだが、その「噛み合わなさ」こそが、彼らのロマンティックかつSFチックな世界観を強固にしているようで面白い。シェアハウスの倉庫に楽器を持ち寄り、バンド活動を始めたというDIYな成り立ちも含めて、周りの環境と相反するからこそ強くなる夢想が、その音楽の中に色濃く反映されているように思える。

街に音楽を重ね、普段は見ることのできない新たな街の景色を創造する

この3組が、それぞれの「街」で演奏する様子は、プロジェクトの特設サイトおよびYouTubeの特別チャンネルで公開される。さらに、9月26日~28日にかけてInterFM897で放送されるラジオ番組『Pops in the City powered by SUUMO』では、毎日1組ずつのアーティストがゲストで登場し、動画の撮影秘話やそれぞれの街での思い出話などを語る予定。

このプロジェクトに参加した3組のアーティストは、それぞれが立つ街の上に音楽というレイヤーを重ねることで、普段は見ることのできない新たな街の景色を創造してみせている。それはまさに、「理想」も含めたうえで「現実」を描くシティポップの在り方そのものだと言えるだろう。

インターネットの発達は世界を広げたかに思えたが、「結局、他人は他人だよね」という意識も強まっているように思える昨今。ヒップホップの世界が体現する強烈なローカリズム同士の繋がりももちろん希望だが、この3組のように、「街」の可能性を広げ、他者へと開かれた空間へと導くことのできる「ポップ」としての可能性もまた、必要になってくるのではないだろうか。

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プロジェクト情報

『SUUMO presents Pops in the City』

PAELLAS、ORESAMA、YOUR ROMANCEら、シティポップアーティストたちが参加した音楽プロジェクト。東京の音楽シーンに新しい風を吹き込むアーティスト達が、彼らの音楽を形づくった街で、街への思いを語り、音を奏でる。その様子を収めた映像と、InterFM897特設番組内でのメンバー対談を通して、それぞれのルーツを探ります。

『Pops in the City powered by SUUMO』

2016年9月26日(月)~9月28日(水)25:00~25:30にInterFM897で放送予定

プロフィール

PAELLAS
PAELLAS(ぱえりあず)

東京を拠点に活動する5人組。あらゆるジャンルの要素を独自のセンスで解釈し生み出すサウンドは、セクシュアルかつロマンティック。都会に漂うメランコリックな情景やその儚さを想起させるライブパフォーマンスも支持され、あらゆるシーンや時代を超えた存在になる可能性を秘めている。これまでにUNITED ARROWSやPEACH JOHN、moussy、新宿のセレクトショップJackpotのCM等に楽曲を提供し、ファッション業界やニッチな音楽層からも注目を集め続けている。

ORESAMA
ORESAMA(おれさま)

渋谷を中心に活動中の2人組ユニット。2013年ヤマハ主催のコンテスト『The 6th Music Revolution Japan Final』にて優秀賞を獲得し、アニメ『オオカミ少女と黒王子』のエンディングテーマ“オオカミハート”でデビュー。90年代生まれの2人が描き出す楽曲は、80s'Discoをエレクトロやファンクミュージックでリメイクした新しいダンスミュージック。ラブコメやディスコといったバブルカルチャーを「憧れ」として取り込みながら、80年代ではあり得なかった草食男女にも優しいダンスミュージックを体現。その新感覚はイラストレーター「うとまる」氏のアートワークやミュージックビデオと相乗効果を生んで新世代ユーザーの心を捉えている。

YOUR ROMANCE
YOUR ROMANCE(ゆあ ろまんす)

バンド結成後、門前仲町にあるhangout、通称「Monz House」にて楽曲制作をスタートさせる。結成当初からLIVE HouseとMonz Houseでの活動に重きを置き、独自のネットワークで知名度を上げ、多くのリスナー、音楽関係者からの支持を獲得していった。2014年6月にYou Tubeに1曲のみアップロードした“You're In Love As Everyone's Replica(Chillin' Outta Studio Session #1)”が反響を呼び、結成数か月にも関わらず数多くのライブに出演。2016年4月に1stアルバム『9 Dimensions』をリリースした。

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