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材料は黒板とチョークだけ。CHALKBOYによる手描きの世界

材料は黒板とチョークだけ。CHALKBOYによる手描きの世界

キリン ハードシードル
テキスト
阿部美香
編集:野村由芽

世界中で愛され、街角で見ることのできる「チョークアート」の魅力

人の温もりを想いを込めて伝えること――。CDショップや書店で店員の手描きポップに心動かされるように、街中ではたくさんの「手描き」が暮らしを彩っている。そのひとつが「チョークアート」だ。コーヒースタンドやカフェで見かける、黒板にチョークで描かれた手描き文字とイラストを組み合わせた手作り感あふれる看板の心地よさは、ライフスタイルを一つひとつ丁寧に見つめ直そうという昨今の流れにも通ずるものがある。DIYやクラフト雑貨ブームとも相まって、チョークアートを始める人も増えているという。

そのチョークアート、もともとはオーストラリア・メルボルンのマーケットの精肉店が、毎日変わる商品の値段を黒板に描いたことから始まったと言われている。海外ではパフォーマンスとしてのチョークアートも盛んで、イタリアでは路上に芸術的な絵を描くチョークアートコンテストも開かれているのだとか。その豊かな歴史は、2000年代からブームを築いていった日本のカフェ文化と密接にリンクし、今では私たちもあらゆるところでチョークアートを目にするようになったというわけだ。

カフェのアルバイトが本職に。注目の日本人アーティスト

そんな日本のチョークアート界で、手描きとは思えない精緻なグラフィックと個性的なアートワークで知られるのが、CHALKBOY(チョークボーイ)だ。「カフェのバイトで毎日黒板を描いていたら、どんどん楽しくなってきて気がついたら仕事になっていました」という彼は、メジャーフィールドでの注目度も上昇中だ。

CHALKBOY
CHALKBOY

話題のカフェやグロッサリーの店内ディスプレイとして作品を発表するだけでなく、商品開発やチョークアートの入門書『すばらしき手描きの世界』を執筆するなど、多彩な活動を繰り広げているCHALKBOY。彼のチョークアートは、一見手描きとは思えないほど精緻でありながら、洗練と温もりを同時に表現する。最近は「キリン ハードシードル」のビジュアルワークにも参加して、チョークアートならではのロゴやグラフィックをクリエイトしている。

2017年発売時駅貼りポスター
2017年発売時駅貼りポスター

2017年クリスマス駅貼りポスター
2017年クリスマス駅貼りポスター

10月20日~23日まで青山、表参道、原宿のショップを横断して行なわれた『青参道アートフェア』では、期間限定バー「KIRIN HARD CIDRE オトナの秘密基地」を中心に、彼が「キリン ハードシードル」をイメージして描いた巨大なリンゴの木の幹や枝に、街行く人たちがリンゴの絵を描き加えたり、色を加えて作品を完成させていくユーザー参加型のチョークアートイベントも行なわれて好評を博した。

シンプルな「リンゴ」のモチーフをかっこよく描くための工夫とは?

参加者が子どものように目を輝かせながら、チョークアートの楽しさを堪能したこのイベントについて、CHALKBOYは「みなさん、ほぼ悩まずに描いているのを見て、リンゴというモチーフは相当愛されているんだなと思いました。これが柿やイチジクとかなら、みんな少しためらうはずですから」と話す。

そんなリンゴの身近さとチョークアートの温もりある身近さとのシンクロは、万人に愛される「リンゴ」を、ちょっぴりビターでスタイリッシュなデザインに昇華した「キリン ハードシードル」のロゴアートにも存分に表れている。

CHALKBOY:僕のアウトプットの土台は、「かっこいいものが常に男性的なものというわけではない」という考えから生まれています。キリンハードシードルも「原料はリンゴだけど甘くない」という特徴が、僕の考えに似ていて、それがそのままイメージコンセプトとなったのです。リンゴはメジャーなフルーツなので形にすることは難しくはないのですが、世界で一番クールな企業Appleのロゴマークにもなっているモチーフを、いかに他と被らずに、商品が訴求するスパーク感やリフレッシュ感を表現するかを考えながら進めていきました。

シードルの文化や楽しみ方、リンゴにまつわる話の数々をスペシャルサイトで紹介する「シードルウォール」の挿絵

ありふれた「リンゴ」から、CHALKBOYならではの表現を引き出す。「キリン ハードシードル」のオフィシャルサイトには、CHALKBOYが手がけたチョークアートのグラフィックが多数散りばめられているが、そのどれも緻密でありながらも、テキストの配置やセンスに手描きならではの味があふれている。そのセンスの源泉を彼はこう語る。

CHALKBOY:何かに触れて「いいな」と思ったら、「なぜいいと思ったか」を一緒に考えるのが癖になっているんです。そうすると、ぼんやりとした「いいな」から「いい」のエッセンスみたいなものが抽出できる。そのエッセンスはけっこう、どんなものにも応用できるアイデアの源泉となり得るんです。

手描きの世界を楽しむための、6つのコツ

その「いい」エッセンスが、CHALKBOYの手によって黒板&チョークとコラボレーションすると、画材を駆使するイラストレーションにもCGアートにもない風合いと暖かみとなって、作品へと命を吹き込む。そこに滲み出る人間味、人の手の温もりがチョークアートのいちばんの魅力なのだ。

CHALKBOY:ズレ、ブレ、カスレなど、手描きの良いところも悪いところも余すことなく表現できるのがチョークアートの魅力です。なので僕は、ガイドとなる線は引いても定規は使わず「綺麗に描きすぎないこと」「自己満足の絵にならないこと」「見る人とコミュニケートしていること」にこだわって作品を作っています。そして、さらに大切なのが、今言った3つにこだわりすぎないことですね(笑)。

こだわりはありながらも、それに束縛されず自分を型にはめないことこそが、手描きの良さをいかしたチョークアートならではの魅力なのだろう。そこでCHALKBOYに描くコツを聞くと?

CHALKBOY:1つめは、気に入ったチョークアートの真似から始めてみること。2つめは、できたものを遠くから見て愛でること。3つめは、SNSに投稿してみんなに見てもらうことですね。

……という答えが返ってきた。黒板とチョークがあれば始められるチョークアートは、自宅のインテリアにも活用できそうだ。これからは、「建物の屋上、壁、もしくは建物全体など、とにかくスケールのでかいところに描いてみたい」というCHALKBOY。彼の作品をお手本に、自由なチョークアートを体験してみるのも楽しいはずだ。

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商品情報

キリン ハードシードル

リンゴ果実100%を発酵させたお酒、ハードシードル。スペシャルサイト「シードルウォール」では、『Casa BRUTUS』『&Premium』とコラボレーションしたコンテンツが公開中。

プロフィール

CHALKBOY(ちょーくぼーい)

7年ほど前にアルバイトで入った大阪・梅田のカフェ「ビブリオテーク」のメニュー黒板を担当すると、その黒板が評判を呼ぶように。チョークの楽しさにハマり、気づいたらいつの間にかそれが仕事になり、チョークボーイとして活動を始める。東京をベースに世界中、黒板のあるところならどこでも描きに行く。現在では、チョークグラフィック×フードなど様々なコラボレーションパフォーマンスやイベントも手がけ、「Handwritten=手描き」の世界を盛り上げている。関西出身。

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