コラム

(メイン画像:『ボヘミアン・ラプソディ』 ©2018 Twentieth Century Fox)

『第76回ゴールデングローブ賞』の授賞式がアメリカの現地時間1月6日に行なわれ、受賞作品が発表された。

映画部門で作品賞に輝いたのは、『ボヘミアン・ラプソディ』(ドラマ部門)と『グリーンブック』(ミュージカル/コメディー部門)。監督賞は昨年12月にNetflixで配信がスタートした『ROMA / ローマ』のアルフォンソ・キュアロンが受賞した。

主演男優賞は『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリー役を演じたラミ・マレック(ドラマ部門)と、『バイス』でジョージ・W・ブッシュ政権下の副大統領ディック・チェイニー役を演じたクリスチャン・ベール(ミュージカル/コメディー部門)が受賞。主演女優賞には『天才作家の妻 -40年目の真実-』で世界的作家を支える妻を演じたグレン・クローズ(ドラマ部門)、『女王陛下のお気に入り』で主人公のアン女王を演じたオリヴィア・コールマン(ミュージカル/コメディー部門)が輝いた。

『ボヘミアン・ラプソディ』で主演男優賞を受賞したラミ・マレックと、QUEENのブライアン・メイ、ロジャー・テイラー

助演女優賞は『ビール・ストリートの恋人たち』のレジーナ・キング、助演男優賞は『グリーンブック』のマハーシャラ・アリ。『グリーンブック』は作品賞、助演男優賞、脚本賞の3部門、『ボヘミアン・ラプソディ』は作品賞、主演男優賞の2部門受賞となった。

レディー・ガガが主演女優賞にノミネートされるなど、主要5部門の候補に挙がっていた『アリー/ スター誕生』は、主題歌賞(“Shallow”)を受賞。ガガは同曲を共作したマーク・ロンソンらと共にトロフィーを受け取った。

『ゴールデングローブ賞』レッドカーペットに登場したレディー・ガガ

外国語映画賞はキュアロン監督の『ROMA / ローマ』、アニメーション映画賞は『スパイダーマン:スパイダーバース』。外国語映画賞にノミネートしていた是枝裕和監督の『万引き家族』、アニメーション映画賞にノミネートしていた細田守監督の『未来のミライ』はいずれも受賞を逃した。

日本でも記録的人気の『ボヘミアン・ラプソディ』。ラミ・マレックは天国のフレディに感謝

QUEENのボーカリストであるフレディ・マーキュリーの生き様を描いた『ボヘミアン・ラプソディ』。同作は日本での興行収入が84億円を突破し、QUEENの母国であるイギリス、動員900万人を超えた韓国を抜いて、日本が世界ナンバーワンの興行収入を記録している。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』予告編

主演男優賞に輝いたラミ・マレックは「ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、クイーンは、私たちに、世界に、音楽業界に、多様性を受け入れること、ありのままでいることの大切さを教えてくれたことに感謝しています。そして、フレディ、人生で最高の時間をありがとう。あなたのことを心から尊敬しています。あなたは本当に美しく、素晴らしい人です。僕がこの賞を受賞出来たのはあなたのおかげです。この賞をあなたに捧げます」とスピーチで述べた。授賞式には映画の音楽総指揮を務めたブライアン・メイ、ロジャー・テイラーも出席した。

2部門受賞の『ボヘミアン・ラプソディ』 ©2018 Twentieth Century Fox
2部門受賞の『ボヘミアン・ラプソディ』 ©2018 Twentieth Century Fox

『グリーンブック』は最多3部門。実在ピアニスト演じたマハーシャラ・アリが助演男優賞に

最多3部門に輝いた『グリーンブック』は、1962年のアメリカを舞台にした作品。人種差別が根強く残る南部でのコンサートツアーを計画する黒人の天才ジャズピアニストのドクター・シャーリーが、用心棒兼運転手として雇ったイタリア系のトニー・リップと共に、当時の黒人が安全に旅をするために欠かせないガイドブック「グリーンブック」をたよりに旅立つというあらすじだ。

『グリーンブック』 ©2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
『グリーンブック』 ©2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

ピアニストのシャーリー役を演じ、助演男優賞に輝いたマハーシャラ・アリは受賞スピーチで「ドクター・シャーリーは素晴らしい方です。彼の情熱、才能、尊厳が彼を築き上げ、それが僕を後押ししてくれたことに感謝いたします」と自身が演じたミュージシャンのドン・シャーリーへの想いを明かし、監督のピーター・ファレリーや、相棒のトニー役を演じたヴィゴ・モーテンセンへの感謝を述べた。

マハーシャラ・アリの受賞スピーチ

皆さん、ありがとうございます。グリーンブックの仲間にも感謝申し上げます。 ご存じのとおり、ドクター・シャーリーは素晴らしい方です。彼の情熱、才能、尊厳が彼を築き上げ、それが僕を後押ししてくれたことに感謝いたします。 ピーター・ファレリー監督、このような機会をくれてありがとうございます。一緒に仕事ができて心から感謝申し上げます。
あなたは、本当に辛抱強いですよね、というのも、僕とヴィゴ双方から深夜2時とかにメールが飛び交っても受け入れ、僕たちを導いてくれた。ヴィゴ、君も最高の共演者だよ、僕を毎日励ましてくれた。一日も休まずにね。そう、撮休ですら。本当に感謝するよ。大好きだ。
リンダ、少ししか過ごすことができなかったけど、あなたと仕事ができたことは素晴らしい経験だ。あなたはまさに本作の核、本当に美しい人だ。ユニバーサル、ジョナサン・キング、パーティシエント、ジム・ブリューク、ニック・バレロンガ、ブライアン・キャリー、みんなありがとう。ここにいれて最高だ。最後に、僕の妻、母、祖母にありがとう。

ピーター・ファレリー監督、映画に登場するトニー・リップの息子で、同作のプロデュースと共同脚本を務めたニック・バレロンガのスピーチコメントは以下。

ピーター・ファレリーの受賞スピーチ

本当に本当にありがとう。HFPA(ハリウッド外国人記者協会)ありがとう。映画をつくりはじめたときこんなこと夢にも思いませんでした。
妻のミランダ僕に起こった最高のことだ。子供のボブとアップルも混ざって登壇しています、最高です。プロデューサーピットのみなさん、この映画を立ち上げたひとたち。感謝の意をみなさんに捧げます。ユニバーサル、ドリームワークス、フォーカス、テッド・バーチューそして、(製作総指揮の)オクタヴィア・スペンサー、美しいだけでなく、優しくて、知的でこの映画にとって彼女がいたことは幸運だった。(制作の)チャーリー・ウェスラー、ジム・バークも。それからヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリ彼らなしではつくれなかった。リンダ・カーデリーニ、素晴らしい。映画の心と魂だ。撮影のジョン・ポーター、音楽のクリス・バウアー。トーニー・パーカーいるか?みんなありがとう!
この作品はドン・シャーリーとトニー・リップバレロンガの旅(終わりの音楽がなり)消して、やめてくれ、話させてくれ。もういいや。
ドン・シャーリーとトニー・リップが差別の残る1960年代に旅をする物語です。ドン・シャーリーは素晴らしい人だが、評価されない天才でした。演奏したい音楽を肌色が理由で演奏できなかった。彼は自分で音楽のジャンルをつくりだし、今も聞かれる素晴らしい音楽をつくりだしました。トニー・バレロンガはイタリア系の移民でブロンクス出身で、他者を受け入れない文化で育った。ドン・シャーリーとの旅で世代を超えて続く友情を育みました。この物語を初めて聞いたとき、希望を覚えました。その希望をみなさんと共有したいのです。なぜならわれわれはいまだにむしろ以前よりも分断された世界で生きています。そのための映画なのです。みんなの映画です。トニー・バレロンガとドン・シャーリーが協調できたなら我々みんなできるはず。話して、違いで偏見を持たないで共通のことを探すだけでいい。たくさんあるはずです。みんな欲しいのは一緒。愛、幸福、平等に扱われること。そんなに難しくないはず。ありがとう。

ニック・バレロンガの受賞スピーチ

脚本家たちはキッチンにいたので登壇遅くなりすみません。HFPA(ハリウッド外国人記者協会)ありがとうございます。大変光栄です。一緒に執筆したブライアン・カーリー、ピーター・ファレリーもありがとう。プロデューサー陣、チャーリー・ウェスラーとジム・バークも。素晴らしいスタッフとキャストでした、リンダ・カーデリーニ、彼女をみることもできないです。母を演じてくれて彼女をみるだけで泣いてしまいそうで。天才のマハーシャラ・アリ。かつてない天才が天才を演じました。ヴィゴ・モーテンセンが父を演じてくれた。どれだけ感謝してるか言い表せない。全て彼のおかげです。家族や友人が助けてくれました。映画に登場した母、父、ドナルド・シャーリー。感謝してもしたりないです。本当に胸がいっぱいです。ありがとうございました。
『グリーンブック』予告編
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