『HiGH&LOW THE WORST』ドラマ版が完結。映画に向けてキャストをおさらい

映画『HiGH&LOW THE WORST』の前日譚を描いた「EPISODE.0」

10月4日公開の映画『HiGH&LOW THE WORST』の前日譚ドラマ『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.0』が最終回を迎えた。「鬼邪高校」を舞台にした本作には数々の魅力的な俳優やアーティストたちが登場している。ここでは『HiGH&LOW』初登場の俳優陣を中心に、改めてその個性的なキャラクターとキャストを振り返ってみたい。

もちろん外せないのは、過去の『HiGH&LOW』から出演し続けている面々。村山良樹(山田裕貴)は、定時制の頭であり、100発の拳に耐えるという儀式を経て、現在の鬼邪高校を統率した人物だが、そんなエピソードとは真逆で、普段の村山は、教室でまったりと寝そべったりしていて、仲間たちとなにげない話をしている。その語り口ものんびりで、その雰囲気には独特のゆるさもある。これは、演じる山田裕貴がシリーズを通して作り上げてきたものだ。山田は現在NHKの朝ドラ『なつぞら』にヒロインの幼馴染の雪次郎として出演していて、その知名度が全国区になりつつある。その成長と村山の成長が重なって見える。

ドラマ『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.0』より村山良樹(山田裕貴)と関虎太郎(一ノ瀬ワタル) ©2019「HiGH&LOW THE WORST」製作委員会 ©高橋ヒロシ(秋田書店)HI-AX

いつも村山の隣にいるのは、関虎太郎(一ノ瀬ワタル)である。関は見た目はいかついが、村山とのかけあいは漫才のよう。演じる一ノ瀬も、昨今は『獣になれない私たち』や『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』といった作品で独特の存在感を表している。また、定時のゆるい雰囲気にぴったりなのが、中林役の清原翔ではないか。清原にも肩ひじを張っておらず、演技に独特の自由さを感じる。清原も朝ドラ『なつぞら』にヒロインの北海道での兄役として出演しており、注目度は高い。

新入生役・神尾楓珠や『刀剣乱舞』の佐藤流司らが新たに参戦。「鬼邪高校戦国時代」へ

鬼邪高校の全日制にも個性的な面々が揃っている。2016年のドラマ『HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~ SEASON2』から出演している轟洋介(前田公輝)は眼鏡姿で本を読んでいるといった、一見インテリ系の風貌の持ち主。そんな彼は今回、ただ強いだけでリーダーになれるのか、という問いをつきつけられるのだが、その課題を真剣に受け止め、葛藤する深みのある役になっている。

鬼邪高校の全日制で絶大な力を誇る轟洋介(前田公輝)©2019「HiGH&LOW THE WORST」製作委員会 ©高橋ヒロシ(秋田書店)HI-AX

新たに1年生として入学した中越(神尾楓珠)はヒップホップが好きという役どころ。神尾は『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』に出演した若手のホープ。テレ東の『恋のツキ』では31歳のフリーター・ワコとせつない恋に落ちる15歳の高校生役を演じ切ったのも記憶に新しい。

神尾楓珠は1年生として全日制に入学した中越を演じている ©2019「HiGH&LOW THE WORST」製作委員会 ©高橋ヒロシ(秋田書店)HI-AX

『EPISODE.0』でインパクトを残したのは泰志(佐藤流司)だろう。清史(うえきやサトシ)とともに、「泰清コンビ」と言われているその名前もインパクトがあれば、不敵な笑みを浮かべる姿からは、どこか無茶苦茶やってくれそうな雰囲気を醸し出している。佐藤は長らくミュージカル『刀剣乱舞』で加州清光役を演じてきた。一度見たら忘れられない存在感の醸しだし方には、長い俳優経験を感じさせる。

泰志(佐藤流司)と清史(うえきやサトシ)。「泰清コンビ」はドラマで強烈なインパクトを残した ©2019「HiGH&LOW THE WORST」製作委員会 ©高橋ヒロシ(秋田書店)HI-AX

唯一無二の関係性を演じるTHE RAMPAGE吉野北人&川村壱馬。ドラマのクライマックスでは雨中でタイマンも

今回の中心人物、高城司(吉野北人)と花岡楓士雄(川村壱馬)もドラマ部分を引っ張っている。

司は「眠れる獅子」とも言われている。実力があるのに、力を発揮しないその理由は、出会ってすぐに意気投合した楓士雄が転校してしまい、心にぽっかり穴が開いたようになっているから。何か動きたい気持ちはあるのに、それを押し殺したようなせつない表情が印象に残る。

高城司(吉野北人、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)は楓士雄の転校を機に戦う意欲を失っている ©2019「HiGH&LOW THE WORST」製作委員会 ©高橋ヒロシ(秋田書店)HI-AX

一方の楓士雄はというと、そんな司の気持ちはよそに、おじいちゃんの療養する田舎でも楓士雄らしくマイペースに暮らしている。おじいちゃん役の泉谷しげるとのシーンでも、良いコンビネーションと独特の空気感がある。

楓士雄(川村壱馬、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)は映画版で鬼邪高校に再び返り咲く ©2019「HiGH&LOW THE WORST」製作委員会 ©高橋ヒロシ(秋田書店)HI-AX

司と楓士雄を演じている吉野北人と川村壱馬は、同じTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEのメンバーで、共にボーカリストである。そんな仲間である二人が、唯一無二の関係性をドラマの中でも演じているのは、現実に重ねあわせて見てしまうし、6話でそんな二人が己の限界を超えるために、そして司を眠りから覚めさせるように雨の中殴りあうシーンには胸が熱くなった。

本作には彼らと同じTHE RAMPAGEより、『HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~ SEASON2』からの続投で全日の芝マン役の龍や辻役の鈴木昂秀も出演している。また『HiGH&LOW THE MOVIE』からの続投のヒカル役の山本彰吾や、ケン役の岩谷翔吾も、ドラマの2話から登場。先輩であるチハル役の佐藤大樹(EXILE、FANTASTICS from EXILE TRIBE)とともに、コミカルなシーンを演じた。特に岩谷翔吾は、映画『チア男子!!』に出演して、大学のチアリーディングチーム「BREAKERS」の一員として重要な役割を担っていたし、秋からは鈴木拡樹主演のドラマ『カフカの東京絶望日記』にも登場するなど、着実に俳優の経験を積んでいる。

三枚目ポジションは福山康平演じるパンチパーマのジャム男? 映画版には志尊淳らさらなる新キャラクター

さて、こういう男子の群像劇には、三枚目のバイプレイヤーも不可欠である。これまでであれば一ノ瀬ワタルもそうした存在のひとりであり、過去に遡れば、『クローズZERO』のやべきょうすけも欠かせない存在であった。ちなみにやべきょうすけは、映画『HiGH&LOW THE WORST』の宣伝応援プロデューサー(大使)にも就任している。

今回の『EPISODE.0』では、司の隣にいるジャム男(福山康平)がこうした存在にあたるのだろうか。最初は純朴そうだったジャム男が、年月を経てパンチパーマになっていたその間には何があったのか、気になって仕方のない役だった。

これまでの作品では、村山を演じた山田裕貴のように、自分とキャラクターをうまく重ね合わせ、そして自分で役を深め、ふくらませた者がどんどん魅力的になっていった。映画『HiGH&LOW THE WORST』では、『EPISODE.0』にまだ出ていないキャラクターを志尊淳や塩野瑛久、白洲迅、富田望生、そしてGENERATIONS from EXILE TRIBEの中務裕太、小森隼と言った注目のキャストが演じる。今をときめく俳優、アーティストたちが、映画『HiGH&LOW THE WORST』でどんなバトルを繰り広げるのか、楽しみで仕方がない。



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