コラム

「演劇の未来のために」。緊急支援を求める署名運動がスタート

「演劇の未来のために」。緊急支援を求める署名運動がスタート

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後藤美波(CINRA.NET編集部)

日本劇団協議会、日本演出者協会、日本劇作家協会が合同で呼びかけ

演劇団体や演劇に関わる人々への緊急支援を求めるための署名運動がスタートしている。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の自粛要請による公演中止や劇場の閉鎖により、多くの団体や演劇に関わる個人が経済的損失を受けている。公益社団法人日本劇団協議会、一般社団法人日本演出者協会、一般社団法人日本劇作家協会の3団体は合同キャンペーンとして「演劇は生きる力です。演劇緊急支援プロジェクト」を立ち上げ、国および地方自治体、民間の企業に向けて演劇団体、演劇に関わる全ての人たちへの緊急支援を求める要望書をまとめて提出するとしている。現在までに1万を超える署名が集まっている。

日本劇作家協会のTwitterより

「文化芸術復興基金」の起ち上げなど4項目を要望

要望書では、感染防止の観点から社会的要請に応えることは当然であると強調したうえで、今後数か月間の公演活動の停止により、劇団・興行団体のみならず劇作家や俳優、演出家、大道具や照明などのスタッフ、音響会社、演劇制作企業、民間劇場、公立文化施設、チケット取扱企業や宣伝、デザイン、印刷に関わる人々など、多くの人の収入が絶たれる結果になると述べ、「演劇公演が再開できるとき、劇場、劇団、興行団体、鑑賞組織が生き残れていない可能性もあります。そこにあったはずの人と人とのあいだの様々な可能性がなくなるのです」と危機感を示している。

具体的な要望は以下。署名はこちらから。要望書の全文も掲載されている。

①今回の事態が戦後最大の危機であるという認識に立って、今年度の第二次補正予算を組み、文化芸術振興議員連盟が緊急決議した「文化芸術復興基金」を起ち上げ、専門機関で個々の芸術ジャンルの特質に対応した資金援助、助成を行うようにすること。この支援システムの策定に際しては、演劇関連団体の意見を踏まえること。また運営機関へ意見反映にも務めること。

②東京都等の関係自治体での感染拡大防止協力金等の支援を演劇等の公演・イベントや民間劇場も対象事業とすること。また地方公共団体独自の支援策を講ずるとともに、前項の基金への拠出も検討すること。

③この基金制度が確立するまでは、演劇芸術を愛し、その継続を願う民間の財団、企業家等からの寄付を受け入れ、(公社)日本劇団協議会等の演劇関連の公益法人を窓口としての緊急支援を行なう。これはあくまで①の復興基金が出来るまでの緊急措置とし、一律一定額の支援とする。国にはこの寄付金についての税制上での優遇措置をお願いしたい。また基金設立後は、そこに寄付金を編入することとする。

④当面決定できることとして

(1)文化庁、芸術文化振興基金等の助成、委託事業については、中止になった場合でもその経費についての支援は行うこと。特に劇作料、演出料、各プラン料、稽古費、出演費、企画および制作費などの人件費についての補償がなされるよう特別の配慮を行うこと。

(2)劇団等が行っている学校での演劇鑑賞事業はよりよい人間形成に不可欠な芸術教育の一環をなすものであり、その上演中止に対しては、予定収入の全額補償がされることが望ましい、そのための制度設計をお願いしたい。また、学校教育における部活その他での指導者が休校措置等で中止された場合の所得補償についての制度設計もお願いしたい。
(change.orgの「演劇は生きる力です。演劇緊急支援プロジェクト」ページより)

公益基金「Mirai Performing Arts Fund」や、舞台作品の映像配信企画「SAVE THE THEATRE」、松田誠が発起人のクラウドファンディングも

演劇界への支援の動きとしては、conSept合同会社と杉本事務所が発起人となって立ち上げた公益基金「新型コロナウイルス感染症被害対策:舞台芸術を未来に繋ぐ基金=Mirai Performing Arts Fund」が、4月28日からMotionGalleryで募金の受付をスタート。目標金額を1億円としており、これまでに1,000万円以上が集まっている。

「新型コロナウイルス感染症被害対策:舞台芸術を未来に繋ぐ基金=Mirai Performing Arts Fund」ビジュアル
「新型コロナウイルス感染症被害対策:舞台芸術を未来に繋ぐ基金=Mirai Performing Arts Fund」ビジュアル

また「演劇支援プロジェクト SAVE THE THEATRE」では、様々な団体の過去の舞台作品の映像を期間限定で有料配信。鑑賞料金と投げ銭による収益を3月から緊急事態宣言期間最終日までに舞台作品を上映予定だった団体、個人、劇場などに分配する。呼びかけ人は池田政之、鵜山仁、大野裕之、尾上菊之丞、川村毅、茂山逸平、たかね吹々己、千葉繁、チャーハン・ラモーン、土田英生、平塚直隆、横山拓也、わかぎゑふ。

さらに演劇プロデューサーの松田誠が発起人となり、舞台専門プラットフォーム「シアターコンプレックス」が発足。5月1日よりクラウドファンディングを開始する。既存の舞台公演の映像配信や今後上演される公演のライブ配信、オリジナル番組配信などを行なっていく予定だという。

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