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ビリー・アイリッシュらが代弁する「絶望の世代」の実態と心の内

ビリー・アイリッシュらが代弁する「絶望の世代」の実態と心の内

ビリー・アイリッシュ
テキスト
竹田ダニエル
編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

Z世代が抱える孤独のジレンマ。最も繋がっているのに孤独な彼らが渇望するもの

スマホ依存症が社会問題として問題視されるほど、Z世代の若者にとってはスマホのなかの世界こそが「世界」そのものなのである。オンラインで過ごす時間が長いほど、実際にフィジカルに家族や友人、または恋人と過ごす時間は少なくなってしまう。

Z世代にとっては、相手の表情が読めず、関係性も曖昧なオンライン上での会話に気を遣い、それと同時平行にSNSで錯綜する情報をもとにコミュニケーションを行うのが当たり前になっている。そういった状況では、自分が話題に乗り遅れているのではないか、仲間外れにされているのではないかという、リアルの世界でもありがちな人間関係上の不安=FOMO(Fear Of Missing Out)が増幅されてしまう。オンラインではいつでも誰とでも好きに繋がれるのにも関わらず「繋がれないことへの恐怖」が常に共存するのである。

そうしたコミュニケーション面のことと併せて、2010年代中旬までは主流だった恋愛至上主義ポップスやいわゆる「クールキッド」像の崩壊とともに、自身の悲しみや孤独に目を向け、その感情を音楽に落とし込むことで共感を得るような世界観の音楽性が新しいスタンダードとなった。これは音楽の聴かれ方の変化、社会の変化とともに、The 1975やLordeなど、痛みを赤裸々に表現する「エモ」の要素をオルタナティブなポップミュージックに取り入れて、メインストリームへと昇華させたアーティストの功績が大きい。

このようにミュージシャンに扱われている題材はその世代の価値観や精神状態を強く反映させるものであり、同時にネットカルチャーや社会問題、国勢、そして音楽に影響を与える。社会と音楽の繋ぎ目を再認識することには、「支持される音楽」の本質を理解するためのヒントが隠されている。ビリー・アイリッシュらが同世代であるZ世代の若者から支持を得ているのは、スマホ依存などによって「最も繋がっているのに孤独な世代」と呼ばれている彼らの心を代弁し、インターネットを介して繋がりの感覚や安心を与えているからなのだ。

『第62回グラミー賞』における「年間最優秀アルバム」受賞はじめ、数々の「史上最年少記録」を塗り替えたビリー・アイリッシュ『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』を聴く(Apple Musicはこちら

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リリース情報

ビリー・アイリッシュ
『my future』

2020年7月30日(木)配信

コナン・グレイ
『Kid Krow』

2020年3月20日(金)配信

ジェレミー・ザッカー
『supercuts』

2020年7月24日(金)配信

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