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Netflixドラマ『ブリジャートン家』、時代劇ロマンスが大ヒット

Netflixドラマ『ブリジャートン家』、時代劇ロマンスが大ヒット

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後藤美波(CINRA.NET編集部)
(メイン画像:cr. LIAM DANIEL/NETFLIX)

19世紀イギリスを舞台にした時代劇ロマンスドラマ『ブリジャートン家』が、Netflix史上最大のヒットシリーズ作品となる記録を打ち立てた。

Netflixの発表によれば、昨年のクリスマスに配信がスタートした『ブリジャートン家』は、配信開始から4週間で8200万世帯が視聴し、同サービスで最も視聴されたオリジナルシリーズとなった(Netflixは最低2分間の視聴を1ビューとカウントしている)。2000年に刊行された原作小説シリーズ1作目『The Duke and I』は、現在「ニューヨーク・タイムズ」紙のベストセラーリスト入りしている。1月22日には早くもシーズン2の製作が発表され、ファンを喜ばせた。配信開始から1か月足らずで大きな旋風を巻き起こしている『ブリジャートン家』とはどんな作品なのだろうか?

『グレイズ・アナトミー』のションダ・ライムズが製作。『ゴシップガール』風の語りで進行するイギリス上流社会の恋愛劇

舞台は、イギリスの摂政時代と呼ばれる19世紀初頭、1813年のロンドンにおける上流社会。タイトルに冠されたブリジャートン家は力のある名家で8人の子供がいる。長女であるダフネ・ブリジャートン(フィービー・ディネヴァー)の結婚相手を見つけるべく、彼女が社交シーズンにデビューするところから物語が始まる。過保護な兄アンソニー(ジョナサン・ベイリー)の干渉もあり、今シーズン一番の注目の的であったはずのダフネが窮地に追い込まれるなか、独身を謳歌する魅力的なヘイスティングス公爵(レゲ=ジャン・ペイジ)が登場。初めは互いにいがみ合っていた二人だが、それぞれの利益のために惹かれ合っているふりをすることを決める。理想の相手と結婚したいダフネと、独身を貫く決意をしているヘイスティングス公爵。やがて、「惹かれ合っているふり」だったはずの二人の間に特別な感情が芽生えていく。

ブリジャートン家の面々 cr. LIAM DANIEL/NETFLIX
ブリジャートン家の面々 cr. LIAM DANIEL/NETFLIX
レゲ=ジャン・ペイジ演じるヘイスティングス公爵、サイモン・バセット cr. LIAM DANIEL/NETFLIX
レゲ=ジャン・ペイジ演じるヘイスティングス公爵、サイモン・バセット cr. LIAM DANIEL/NETFLIX

本作は『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』を手掛けたションダ・ライムズによるプロダクション「ションダランド」製作による作品。ライムズにとって初のNetflixシリーズであり、ショーランナーのクリス・ヴァン・デューセンとタッグを組んでいる。原作はアメリカの作家ジュリア・クインによるベストセラー小説シリーズだ。『高慢と偏見』を彷彿させる「対立していた二人が惹かれ合う」という展開や、「恋人のふりが本当に恋人になってしまう」という設定は少女漫画やラブコメの王道と言える。また上流階級のゴシップ紙を発行する謎の人物レディ・ホイッスルダウン(声はジュリー・アンドリュース)の語りで進行する構成は、『ゴシップガール』を連想させる。

ダフネの妹エロイーズ(クラウディア・ジェシー)は親友ペネロペ(ニコラ・コクラン)を巻き込んでレディ・ホイッスルダウンの正体を探ろうとするcr. LIAM DANIEL/NETFLIX
ダフネの妹エロイーズ(クラウディア・ジェシー)は親友ペネロペ(ニコラ・コクラン)を巻き込んでレディ・ホイッスルダウンの正体を探ろうとするcr. LIAM DANIEL/NETFLIX
cr. NICK BRIGGS/NETFLIX
cr. NICK BRIGGS/NETFLIX

多様な人種で構成されるキャスト。王妃役の俳優は「自分が時代劇の一部になれるとは想像もしなかった」

多様な人種で構成されるキャストも大きな特徴だ。本作ではヘイスティング公爵や、強大な権力を持つシャーロット王妃(ゴルダ・ロシューヴェル)はじめ、有色人種のキャラクターが貴族や王族として多数登場する。国王であるジョージ3世の妻シャーロット王妃は実際にアフリカ系の先祖がいたとする歴史家もいるそうで、まったくの荒唐無稽な設定というわけではないようだが、歴史を忠実に再現することには重きを置いておらず、摂政時代のロンドンを舞台にしたファンタジーと捉える方が適当だろう。

中央がゴルダ・ロシューヴェル演じるシャーロット王妃 cr.LIAM DANIEL/NETFLIX
中央がゴルダ・ロシューヴェル演じるシャーロット王妃 cr.LIAM DANIEL/NETFLIX

劇中では「肌の色で分断されていた社会が、(白人である)国王とシャーロット王妃が恋に落ちたことで変わった」とするセリフはあるものの、登場人物たちの人種の違いが問題になることはない。イギリスではかつて奴隷貿易が行われており現実にはありえないことであるため、これには様々な意見があり、また劇中の黒人女性のキャラクターが不遇である点を指摘する声もある。一方、これまで歴史ものの作品では除外されたり、差別の犠牲者としてのみ存在させられたりすることが多かった有色人種のキャラクターが、何かの犠牲になることなく輝いている姿が描かれる新鮮な作品という側面もある。

シャーロット王妃を演じるゴルダ・ロシューヴェルは、「O, The Oprah Magazine」のインタビューで、「私はバイレイシャルでイングランドで育ちました。母が時代劇が好きだったため、私も夢中になりましたが、自分がその一部になれるとは想像もしませんでした。触れることのできない遠いものだと思っていました。私たちは家で座って見ている小さな子のために、そのストーリーを書き換えることができる。そのサイクルがいま止まっているんです」と話し、本作のキャスティングの意義を述べている。

cr. LIAM DANIEL/NETFLIX
cr. LIAM DANIEL/NETFLIX

きらびやかな衣装や、現代のポップソングをアレンジした劇中音楽にも注目

またダフネとヘイスティング公だけでなく、魅力あふれるダフネの兄たちやフェザリントン家の女性たちの相手探しの行方も見どころの一つだが、劇中のラブシーンの多さとその親密な描写も話題となっている。こうしたシーンにはインティマシーコーディネーターを起用し、俳優が安心して演じられる環境で撮影が行われているという。

さらに俳優たちが纏うゴージャスで美しい摂政時代の貴族の衣装は、TikTokで「Regencycore」「Royalty core」といったトレンドを生むほどの人気だ。また舞踏会などでかかるクラシカルな音楽はよく聞いてみると、アリアナ・グランデの“Thank u, next”やビリー・アイリッシュの“bad guy”といった現代のポップソングのアレンジになっている。

『ブリジャートン家』Spotify公式プレイリスト

『ブリジャートン家』がこれだけのヒット作になりえたのは、誰もが先の見えない不安を抱えているパンデミック下の2020年末に配信された作品であったことも大きいだろう。架空のきらびやかな世界で繰り広げられるロマンスに、現実をいっとき忘れさせてくれるファンタジーとして魅了された人も多かったのではないか。また実際Netflixはコロナ禍でユーザー数を大きく伸ばしているため、その状況で話題作となったこの作品が記録を打ち立てたことは驚くべきことではないのかもしれない。

シーズン2の製作をアナウンスするレディ・ホイッスルダウンの「新聞」

古典的な時代劇を現代的なレンズで映しとった「古くて新しい時代劇」とも言える本作。シーズン1は日本を除くNetflixが展開されている全ての国でトップ10入りを果たし、アメリカ、イギリス、ブラジル、フランス、インド、南アフリカなど83か国で1位を記録したという。日本のトップ10はアニメと韓国ドラマが常連となっているが、Netflix史上最大のヒットシリーズになったことを機に本作は日本でも広がっていくだろうか。シーズン2の配信時期は未定だが、先日公開された「レディ・ホイッスルダウンからの発表」によれば2021年春に製作開始予定。今度は、ブリジャートン家の長兄アンソニーが物語の主軸になるという。

『ブリジャートン家』シーズン1はNetflixで独占配信中。

『ブリジャートン家』シーズン1予告編

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作品情報

『ブリジャートン家』
『ブリジャートン家』

2020年12月25日(金)~Netflixで配信

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