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タロウサイファイ宇宙の旅 第一話:「筑波宇宙センター」

「宇宙」に対峙した「文明」 芸術的な機能美の世界

次にお目見えしたのは、天気予報でおなじみの気象衛星「ひまわり」。展示されているのは1977年に打ち上げられた「ひまわり1号」の予備機。全身がソーラーパネルで被われており、太陽からのエネルギーだけですべての電力をまかなっている。また、1分に1回転して宇宙空間での姿勢を保っていたそうだ。ちなみに現在運用されているのは6号および7号。30分に1回、地上の画像を送信しており、その画像は展示室のモニターでもリアルタイムで確認できる。

ここまで見たタロウ氏が一言。「俺らも宇宙をイメージした音楽を創ってますけど、こうして実際のモノや数字を見ると、改めて文明のすごさを感じますね。とにかく機能性を追求してる点とかも、逆に芸術的です。avengers in sci-fiも、3人でいろんな音を出しているという意味では、かなり機能的だと思うんですけど、このロケットや衛星のムダのなさは、すごく参考になります。まさか断熱材をマジックテープで貼ってるとは思いませんでしたけど(笑)」。

衛星をミラーボールとして使用しようと画策するタロウサイファイ。

「宇宙飛行士」になるための、3つの条件

そして歴代日本人宇宙飛行士のパネルの前で、宇宙飛行士に関しての説明を受ける。宇宙飛行士になるための条件は「健康であること」「英語力があること」「協調性があること」の3つだそうだ。タロウ氏「え、それだけ? この説明だけ聞くと、がんばれば俺でも宇宙飛行士になれそうですね」。しかし、この後訪れる「宇宙飛行士養成棟」で、壮絶な訓練の内容を聞かされることに…。

続いていよいよISS(国際宇宙ステーション)「きぼう」日本実験棟ゾーンへ。なんと、ここ、船内実験室の実物大模型の中に入れてしまうんです。その大きさは大型バスの車内と同程度。無数にあるスイッチからは未来の匂いがプンプン。これにはタロウ氏もテンションがちアガリだ。実験室内のスイッチをいじり倒し、「ここ、借りられたりしないんですかね? ここでアーティスト写真撮りたいっすね」。

宇宙ステーション内で無邪気にはしゃぐタロウサイファイ。

「宇宙」を旅した2匹の猿

他にも展示室内には様々な展示物が用意されているが、ツアー見学での案内はこれで終了(展示室は午前10時から午後5時まで自由見学もできる)。なかでも旧ソ連から譲り受けたバイオンカプセルの実機は、ぜひ見てほしい。なぜならこのバイオンカプセルは、実際に宇宙に行き、地球に帰還したものなのだ。黒くなっているのは、大気圏突入時に焼け焦げたため。タロウ氏「俺、いま宇宙にタッチしてます!」。

展示室から宇宙ステーション試験棟へ移動する間も、タロウ氏の興奮は収まらない。「まさか宇宙に行ったものにタッチできるとは思いませんでした。あのカプセルには2匹の猿と昆虫が乗って、宇宙から戻って来たと書いてあったんですけど、彼らは宇宙でどんなことを思ったんでしょうね。今回のミニアルバムは“旅”をテーマにしていて、歌詞の中に猿が登場したりもするんですけど、あのカプセルを見て、曲のイメージがさらに広がりましたね」。

初めて宇宙と接触したタロウサイファイ。

生命維持装置の重み

お次は宇宙飛行士養成棟・無重量環境試験棟へ。入口を入ると実物の宇宙服がお出迎えだ。リアル宇宙服を目の前にすると、気分はもはや未知との遭遇。神々しさすら感じる。タロウ氏「PVの撮影で宇宙服のレプリカみたいなの着たことがあるんですけど、全然違いますね。俺が着たやつはもっと作業服みたいな感じだったんですよ(笑)」。宇宙服の重さは約120kg。その重さのほとんどが背中に背負っている生命維持装置の重量だ。これを知ったタロウ氏も「これを着てPVを撮るのはとてもじゃないけど不可能ですね」と諦め顔。

続いて無重量環境を作る大型プールを見学。直径は16m、深さは10.5m。中に実験装置などの実物大模型を沈め、水中用宇宙服を着た宇宙飛行士が、船外活動に向けた訓練を行う。水中訓練用の宇宙服は、重さ約60kg。一人で着ることはできず、周りの人に手伝ってもらう。宇宙服を着た後は重くて歩けないので、プールまでリフトで運ばれる。そして3m潜ったところで、手足や背中に重りをつけて、前傾30°の姿勢にする。これで初めて浮きも沈みもしない中性浮力の状態になるそうだ。この訓練で宇宙と同じ環境の7割を体験できるとされている。タロウ氏「うわー、訓練だけでもこんなに大変なことしてるのか。しかも宇宙服を着たら地上では歩けないって…」。

語り合うように宇宙服と対峙するタロウサイファイ。

タロウは「宇宙飛行士」になってしまうのか!?

いよいよツアー見学も最後。宇宙飛行士養成棟だ。ここには宇宙飛行士候補の心理状態や協調性をテストするための「閉鎖環境適応訓練設備」がある。ISSの実験室と同じ広さ(狭さ)に作られており、ここで1週間、24時間カメラに監視された状態で、候補者8人が共同生活を送る。この中では簡単な計算を長時間行ったり、真っ白なジグソーパズルを作ったりと、非常に地味ながら過酷なミッションが課せられる。時には、性格をテストするために、わざと正解のない課題を与えられることもあるそうだ。タロウ氏「ここは、ある意味、バンドがスタジオで作業しているのと近いかもしれないですね。密室で、イライラすることがたくさんあって、しかも答えがない」。この説明を聞いても宇宙飛行士になれそう?「いやー、絶対に無理ですね。俺はもちろん、バンドマンにこの実験をしたら、絶対に耐えられないでしょうね(笑)」。

宇宙に旅立つ? タロウサイファイ。

以上でツアー見学は終了。最後に、見学を終えたタロウ氏に感想を。

「いやー、ガチの研究施設、ストイックな施設でしたね。改めて考えるとスペースシャトルとかってすごいですよね。宇宙に出たものが地球に戻ってくるんですよ。ただ、スペースシャトル(詳しくは、スペースシャトル(米国)、ソユーズ(ロシア)、神舟号(中国))以外は、基本的に片道切符っていうのが切ないですよね。戻ってくるための燃料は必要ないからとか、ロケットエンジンは2000秒持てばいいとか。この切なさは、これからの曲作りにも役立ちそうです」。

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