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音楽を、やめた人と続けた人 第5話:ターニングポイント

連載『音楽を、やめた人と続けた人』  〜PaperBagLunchbox 空白の5年とその後〜 第5話:ターニングポイントをdel.icio.usに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加 連載『音楽を、やめた人と続けた人』  〜PaperBagLunchbox 空白の5年とその後〜 第5話:ターニングポイントをlivedoorクリップに追加 (2011/01/11)

その無謀なチャレンジの始まりは、セカンドアルバムのレコーディングだった。ここでしくじればPBLの再起プロジェクトが全てご破算になる、重要な初戦だ。

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ナカノ:ちゃんとしたレコーディング自体が久しぶりだったし、前に進んでいる実感もあって、何をしててもとにかく楽しかったんです。ずっとライブで演奏してきた曲をそのままレコーディングするだけだったから、全て本当にスムーズにいって、嫌な予感も一切しなかった。

伊藤:本当に、自分たちでも驚くくらい順調だった。

ナカノ:2010年初めの解散騒動の後「バンドを続ける」って話になった時に、レーベルとも「ここでブレるならもうやめた方がいい。やるならもうブレずにやってこう」って話し合いをしたんです。それで、全てがようやく一つにまとまりだした。加藤さんや曽根ちゃん(レーベルのアシスタント)が頑張ってくれてるのも感じるし、そこで自分たちも頑張れて、そういうチームワークの心地よさがプロジェクト全体に及んでいって。皆でやることの気持ち良さ、楽しさが倍々ゲームみたいに膨らんでいった。

伊藤:うん。これまでバンドをやってきて初めてのことだったけど、バンドと一緒にいないと「さびしい」って思うくらい、居心地のいい場所になってた。ドラムのレコーディングなんて一番早く終わるけど、帰らないでずっとスタジオにいたくらい。

恒松:俺もね、レコーディングの実務的なことはほぼ一人でやらなきゃいけなかったけど、音楽のことだけ考えてる生活を望んでいたから、むしろ嬉しくてしょうがなかったな。もっと忙しくなれ!って思ったもん(笑)。もちろんスケジュール的に不安な部分はあったけど、スタジオもツアーもスゲーいい緊張感で乗り切れた。時間的な厳しさを楽しんでやれるくらい音楽的な筋肉がついてて、やらなきゃいけないことに対して瞬発力もあったんです。それで自信もついたし。こういうスケジュールじゃないと実感できないことだったから、良かったなって思ってる。

これまで内側から脆く崩れてきたバンドが、これほどまで1つにまとまっている姿など、ぼくだけではなく、本人たちでさえ想像もしていなかっただろう。しかしこのシナリオを描いた加藤には勝算があった。あとはもう、本人たちにやらせるだけだったのだ。

加藤:まあ、ここまで上手くいくとは思ってなかった(笑)。でも、セカンドのレコーディングで、これは必ず上手くいくぞって確信したかな。
もともとメジャーからもハンコもらえるくらいバンドの状況は出来ていたわけで、あとはバンドが1つにまとまって、やるべきことをやるだけだった。それをちゃんとやらせるのが俺の仕事だと思ったの。だからPBL復活プロジェクトを考え始めた時に、4人を集めて「本当にやるのか、やめるのか」って血判書を押すようなミーティングをしたんだけど、そのなかで「俺のやり方を信用するのか」みたいな問いかけもあって。で、4人から「信用するし、してる」と言われて、「じゃあ全力を尽くしてやろう」って話になったんだよね。
そういうわけで、今回のシナリオに関しては強権を発動してでも進めた。使うスタジオもエンジニアも日程も、アルバムのアートワークでさえメンバーに相談せずに決めた。収録する曲だけはみんなで決めたけど、他はもう全部俺がまとめる。それを前提として、皆でアルバムを作ろうって。それをちゃんとやればバンドが好転する自信はあったから、あとは本当に「やる」だけだったんだよね。

ナカノ:それ実際にやってみたら、加藤さんのビジョンがはっきりと見えて、「そういう事がやりたかったのか、俺もやりたい!」って心から思えて。加藤さんは音楽も分かってるから、歌のレコーディングの時なんかも、ジャッジがすごくわかりやすくて。歌のディレクションで加藤さんのこと、心から信頼できたんです。これまでずっとPBLをやってきて、初めてなんです、そういう心境になれたのが。

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こうしてPBLは、加藤の描いたシナリオを、絶対的な信頼を抱いて歩んだ。自分たちの音楽や、10年間やり続けてきた自信もあった。そしてその結晶が、1月12日にリリースされるサードアルバム『Ground Disco』だ。

PaperBagLunchboxの近況コーナー

遂にサードアルバムをリリース!

Ground Disco

PaperBagLunchbox『Ground Disco』
2011年1月12日発売
価格:2,415円(税込)
WRCD-47 / Wonderground
amazon iTunes

■Side A
1.Ground Disco
2.アーバンソウル
3.watching you
4.キスレイン
5.VELVET
6.月のまばたき
  ■Side B
7.明け星
8.オレンジ2011 ver.
9.マイムを踊れ
10.ストップ
11.帰れない街
12.運命の丘

※PBL初のライブアルバム『PBLive1』の
ダウンロードパスコード同梱



1月末からは20ヶ所を越える全国ツアースタート!

ツアー初日の1月27日は、CINRA主催の無料イベント『exPoP!!!!!』です。
アルバムの試聴やツアー情報が掲載されている特設ページへ

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