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クリエイターのヒミツ基地 vol.3 黒川 静香 映像ディレクター

映像クリエイティブチーム「キャビア」の一角が仕事場

クリエイティブチーム「キャビア」のオフィス

黒川さんは現在、フリーランスになってからマネジメントを任せている「キャビア」という映像クリエイティブチームの一角を仕事場として使っています。毎日どんなタイムスケジュールで仕事しているのでしょうか。「めちゃくちゃですよ。納品前には48時間連続で仕事していることもありますし、案件が一段落したら1週間事務所に来ないこともある。あえて言うなら、かろうじて午前中に起きて、気絶するまで働くっていう感じです。あるいは20時くらいに『飲もうよ』という電話がきたら『行く行く〜』って言って帰っちゃう。あまりに気ままですね(笑)」。ちなみに取材した日は、2日前に3つの仕事を納品したばかりだったそう。ふだんはよく寝るほうですか?「いっぱい寝ます。寝ないと不機嫌になるし、結果的に効率悪いですから」。では、黒川さんの仕事を支えるヒミツ道具を見せてもらいましょう。

カメラ

カメラ

大学時代、写真の授業を受けてから、ずっと写真を撮り続けているという黒川さん。当時使っていたのは、おじいさんから譲り受けたというキヤノンのフィルムカメラです。その後デジカメになってからはリコーのGRやSonyのサイバーショットなどを使ってきました。「フィルムだとシャッターを切る前に、大丈夫だと確信できてからようやく撮るけど、デジタルだとバンバン撮って、後で取捨選択できる。フィルムも好きですけど、面倒で撮らなくなっちゃうよりはデジカメでバンバン撮っていったほうがいいと思っています」。現在は買ったばかりのキヤノンEOS Kiss×4に夢中です。「これはサービスしすぎじゃないかと思うほどいいんです。上位モデルより性能がちょっと落ちるかな、ぐらいで、ほとんどのことができちゃう。ボディの材質や操作性は劣るけど、持っていて軽いのが何よりいい」。


主な用途はロケハンとプライベート。趣味でとっている写真はWebで本が作れる「BCCKS」というサービスで公開しています。見てみると、花の写真がズラリ。咲きほこっていたり枯れていたり、さまざまな姿を捉えています。「花って盛りでバーンって咲いてるときはきれいなんだけど、どれも同じように見えてしまう。だけど枯れる時は1本1本予想もつかない枯れ方をしていく。それが面白いです」。趣味で写真を撮っていることはお仕事にも役だっていたりしますか? 「それはありますね。光の方向やアングルの決め方はかなり考えて撮っているので、すごく訓練になっているな、と最近思っています」。

アングルファインダー

アングルファインダー

一眼レフのレンズを取り外したような形状のこれ、いったい何をするための道具なのでしょう? 「これは『アングルファインダー』。被写体をこれで覗き、ダイヤルを回して見え方が適切になるまで調節すると、撮影時に何ミリのレンズを使えばよいか分かるんです」。映像ディレクターの必須アイテムでありながら、入手は困難でしかも高価。黒川さんは友達に頼んで手に入れたといいます。けれど、最近はアングルファインダーにもデジタル化の波が……。「この前ロケハンでカメラマンさんがiPhoneを覗いていて、何かと思ったらアングルファインダーの役割をする『LensAgent』というアプリを使っていたんです。16ミリのカメラを使う場合、この画角だったらレンズは何mm、35mmカメラなら何mmと全部出る。しかも写真を撮れるから、そのまま資料にできるんです」。技術の進歩によってどんどん撮影方法が進化していきますね。

ハードディスク

ハードディスク

映像素材は大容量。その受け渡しに必須の道具がポータブルのハードディスクです。「撮影済みの素材はこれで渡されます。平均的に3、4個を取っ替え引っ替え回してますね」。ハードディスクの容量はTB級がいまや普通。「ハイビジョン撮影が多くなってきているので、素材のサイズはけっこう大きいんです」。それにしても重〜いハードディスクの持ち歩きを普通に行うとはタフな仕事です。

ペンタブレット
Intuos4

「これがないとイライラしちゃって……」というヒミツ道具はペンタブレット。ふだんパソコンの操作はすべてペンタブレットで行っているそうで、ノートパソコン用に一回り小さいサイズも持っているとか。


黒川さんのペンタブレット歴は6年。使い始めたきっかけは「映画監督の岩井俊二さんが、ペンタブレットを使ってパソコンで絵コンテを描いているのを見てかっこいいな、って。それでIntuos3の小さいサイズを買いました。本格的に使うようになっていってから、大きなサイズも買い足しました」。いま使っているのはIntuos4。様々なジャンルの著名クリエイターたちがIntuos4の機能を紹介するインタビュームービーは黒川さんの手になるもので、Intuos4のウェブサイト内に「creator's movie」としてアップされています。以前とどんなところが変わりました?「書き味ですね。滑っていっちゃう感じがない」。映像編集ではどういう時にペンタブレットを使うんですか?「映像の編集って、画像を入れるとかズラすといったドラッグの作業が多いので、マウスだと疲れるんです。AfterEffectsでマスクの調整をしたりするときもこれじゃないと……ペンタブレットにしてからすごく楽になりました」。


その他、クライアントに提出する絵コンテも、現場で撮影手順を考えるための絵コンテもペンタブレットで。「間違ったところはすぐ直せる。それに紙に描いたらスキャンして取り込まなきゃいけないけど、その手間がない。だから作業が速いです」。

女性が少ない映像ディレクターという仕事に就き、今に至るまで自分の道をタフに切り拓いてきた黒川さん。その仕事に対する姿勢や道具の使い方はどんな方にも参考になるはず。ぜひ、日々の仕事に活かしてみてください!

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