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『サマーウォーズ』細田守監督インタビュー

『サマーウォーズ』細田守監督インタビュー

インタビュー・テキスト
田中みずき
撮影:小林宏彰
2010/01/26

細田守監督による劇場公開アニメーション作品『サマーウォーズ』(2009年)が、平成21年度(第13回)文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した。前作の『時をかける少女』(2006年)が国内外で高く評価された監督が産み出したのは、意外な組み合わせのアクション・アニメーション。ネットの仮想空間「OZ」に現れた悪漢のサイバー攻撃で現実世界のシステムが狂わされ、破滅へと向かっていく事態を、長野県の由緒ある一家と数学が得意な少年、そしてネットのユーザーが協力して立ち向かう壮大な物語だ。今回、この人気作に込められたテーマや、文化庁メディア芸術祭独特の面白さなどについてじっくりとお聞きすることができた。なお、2月3日(水)より行われる文化庁メディア芸術祭では、細田監督も登壇する受賞者シンポジウムや、『サマーウォーズ』の上映もある。インタビューの末尾に詳細情報を掲載したので、こちらもぜひチェックしてみてほしい。

(インタビュー・テキスト:田中みずき 撮影:小林宏彰)

世界映画史上初? 親戚による「アクション映画」

―アニメーション映画『サマーウォーズ』での平成21年度(第13回)文化庁メディア芸術祭・アニメーション部門の大賞受賞、おめでとうございます。作品を拝見して、まずインターネット上のデジタル世界と、田舎の親戚という土臭い世界との組み合わせに驚かされました。物語は、高校生の小磯健二が夏休みに憧れの先輩・夏希の帰省に同行し、婚約者のふりをするよう頼まれるところから始まりますね。そもそも、この映画を作るきっかけは何だったのでしょう?

『サマーウォーズ』細田守監督インタビュー

細田:自分自身が結婚したという体験が大きかったですね。実は、それまで結婚のイメージって「面倒くさそう」とか「契約に縛られる」というあまり良くないものだったんです。でも、先方のご家族に挨拶に行ったときに、それまで会った事もない人と次の瞬間には家族になる、ということが、とても不思議で面白かったんですね。その体験を映画にしてみようと思ったのが、制作のきっかけです。

―家族の絆が失われがちな昨今にあって、大人数の親戚を描く作品は、とても新鮮な印象を受けました。

細田:『サマーウォーズ』は、「家族の映画」というよりは「親戚の映画」にしたかったんです。家族の映画はたくさんあると思いますが、親戚の映画ってなかなかないんですよね。しかも、親戚が主人公のアクション映画は、世界映画史上でも初めてじゃないですかね。ただ、作っている時は「親戚の映画なんて誰が観に来るんだ」という不安が、常に頭にありましたが。

―しかし実際には、観客動員数が123万人を越える大ヒットになりましたね。ちなみに、作品の舞台になっている長野県の上田市は、細田監督の奥さんの故郷だそうですが、実在の場所を選んだ理由はなんだったのでしょう。

細田:最初は舞台を別の所にしようかと思っていました。でも、上田の印象や歴史を知っていくうちに、上田でなければいけないと考えるようになったんです。かつては真田氏が治めていた土地で、徳川秀忠軍を二度も打ち破ったという歴史的な事実があると聞いたんですが、上田市の人たちはそのことをすごく誇りに思っているんです。そうした大きな相手にも負けない心意気を、いまだに地域の方が持っていることがとても印象的で、映画のストーリーにも合っていたので舞台に決めたんです。

―夏希の一家の大黒柱は男性ではなく、栄さんというお婆さんですね。なぜ、お爺さんではなく、お婆さんだったのでしょうか?

『サマーウォーズ』細田守監督インタビュー

細田:子どもの頃、お婆ちゃんの家に預けられたことがあって、すっかり「お婆ちゃんっ子」になってしまい、その体験が本作に反映しているんでしょうね。

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イベント情報

『第13回 文化庁メディア芸術祭』

2010年2月3日(水)〜2月14日(日)
会場:国立新美術館(東京・六本木)
時間:10:00〜18:00(金曜は20:00まで)
休館日:2月9日(火)
料金:無料

『アニメーション部門 受賞者シンポジウム』

2010年2月7日(日)16:00〜17:30
会場:国立新美術館 3F講堂
出演:
細田守(大賞『サマーウォーズ』)
橘正紀(優秀賞『東京マグニチュード8.0』)
鈴木伸一(アニメーション部門主査/アニメーション監督)

『サマーウォーズ』上映

2010年2月7日(日) 13:00〜14:55
2010年2月14日(日)15:40〜17:35
会場:国立新美術館 3F講堂

プロフィール

細田守

1967年9月19日生まれ。富山県出身。金沢美術工芸大学卒業。91年に東映動画(現・東映アニメーション)に入社し、アニメーターとして活躍。97年には『ゲゲゲの鬼太郎(第4期)』で演出デビュー。現代美術アーティストの村上隆から依頼されたLOUIS VITTONのプロモーション映像『SUPERFLAT MONOGRAM』(2003年)などの監督を手掛け評判となる。05年にはアニメーション制作会社マッドハウスにて『時をかける少女』を監督し、各国で多数の映画賞を受賞。最新作の『サマーウォーズ』は国内外での受賞など高い評価を得、観客動員数は123万人を突破している。

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